『Marvel's Spider-Man』に込めた開発陣のアツい想いを直撃インタビュー!【特集第4回/電撃PS】

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『Marvel's Spider-Man』に込めた開発陣のアツい想いを直撃インタビュー!【特集第4回/電撃PS】

ついにPlayStation®4用ソフトウェア『Marvel’s Spider-Man』が発売されました! スパイダーマンとなって、マーベル世界のニューヨークを飛び回っているプレイヤーも多いことでしょう。電撃PS編集部がお送りする特集記事の第4弾では、インソムニアック・ゲームズのコミュニティ・ディレクターを務めるジェームズ・スティーヴンソン氏と、SIEのローカライズスペシャリストの谷口新菜&大島陸への、2本のインタビューを掲載!!

インソムニアック・ゲームズ コミュニティ・ディレクター:ジェームズ・スティーヴンソン氏 インタビュー

インタビュー当日、上から下までスパイダーマンづくしのジェームズ氏。なんと靴や靴下までスパイダーマンという徹底ぶりで登場!

――最初に、インソムニアック・ゲームズでスパイダーマンのゲーム化が進行した経緯を教えてください

ジェームズ:SIE側からマーベルのIPをゲーム化しないかという提案があったんです。じつは、マーベル側から「SIE、とくにインソムニアック・ゲームズにゲームを作ってほしい」という打診があったそうなんですね。我々としても面白いと感じたので、「どのキャラクターを使えるんですか?」と聞いたところ、逆に「どのキャラクターで作ってみたい?」と聞かれました。なので、我々に一番合うキャラクターだと思ったスパイダーマンを選んだんです。

――インソムニアックと一番合うのがスパイダーマンだと思った理由はなんでしょうか?

ジェームズ:まず、ピーター・パーカーの”いつでもガンバるんだけどうまくいかない”という感じがとても気に入っていたからです。ほかに、ピーター・パーカーはいろいろなガジェットを発明しますよね。私たちも開発したすべてのゲームでガジェットを入れていますので、その辺りも親和性が高いなと思いました。スパイダーマンのちょっと生意気なところとか、おもしろいところが、ラチェットと似ている面もありますしね(笑)。

――オープンワールドとして作るのは当初から予定されていたことなのでしょうか?

ジェームズ:最初から、プレイヤーが自由にマーベル世界のニューヨークを飛び回れるオープンワールドでなくてはいけないと思っていました。とくに気を付けたのが、カラっぽのオープンワールドではなく、人がいて交通がある、にぎやかなオープンワールドでなければいけないということです。

――アベンジャーズビルやオズコープ社のビルといったマーベル世界での建造物と、自由の女神やエンパイア・ステート・ビルといった実在の建造物が同居していますが、こういったランドマークのバランスはどのように決定したのでしょうか

ジェームズ:これは実際のニューヨークではなく、マーベル世界のニューヨークなので完全な再現ではないんですが、それぞれの地区の様式や建物の配置などは本物のように作っていて、実際の建物も実際にそこにあるか、もしくは似たような建物が建っているようになっています。マーベル世界の有名な建物や、スパイダーマンならではの建物も、違和感のないように取り入れました。

――本作はオリジナルストーリーですが、ピーターがある程度スパイダーマンとしてキャリアを積んだあとの話という状況を選んだ理由をお聞かせください

ジェームズ:まず、スパイダーマンの誕生物語というオリジンストーリーは、すでに何度も語られているなと思ったんです。なので、みなさんがすでに知っている物語のために、何時間も費やしてほしくないということもあって。ゲームとして語るのに、一番いいタイミングはどこかと探したときに、大学を出ていろんな環境が変わるタイミング、その変化のときを語るのがいいんじゃないかと思ったんです。すでにスパイダーマンとして活動している状況のため、初めからスパイダーマンのアクションを存分に利用して活躍することができますし、大人のストーリーを語ることで、成人した大人のゲーマーの方もより感情移入していただける作品になるんじゃないかなと思いました。

――最後に、スパイダーマンのファンはもちろん、スパイダーマンをよくは知らないけれど、本作に注目しているユーザーにメッセージをお願いします。

ジェームズ:日本のファンの方々には、『ラチェット&クランク』をはじめ、たくさんのインソムニアック・ゲームズのゲームをプレイしていただいて、ありがたく思っています。PlayStation®のブログやいろんな記事、SNSなどでもファンから熱いメッセージが届いていて、それも非常にうれしく思っています。日本のファンがこれまで予約してくれた数にも非常に満足しています(笑)。ぜひ、このゲームでマーベル世界のニューヨークを満喫して、スパイダーマン体験を楽しんでください。プレイされたあとは、インソムニアック宛にいろいろメッセージを送っていただくのも大歓迎ですよ!(笑)

SIEローカライズスペシャリスト:谷口新菜&大島陸インタビュー

写真の左が大島陸、写真右が谷口新菜。

――今回、ローカライズスペシャリストとしては、お2人で分担して作業しているのですか?

大島:基本的には僕と谷口が中心で、部分的に石立(※ローカライズプロデューサーの石立大介)や、ローカライズ課のメンバーが関わっています。僕は海外とのやり取りや音声の管理、音声の収録現場での監修などをしていました。

谷口:私はセリフ周りや、台本の制作を担当しました。

――『Marvel’s Spider-Man』を担当することが決定したときのお気持ちはいかがでしたか?

大島:誰もが知る有名なヒーローですし、アニメや映画の影響で日本での知名度も高い。そんなキャラクターを自分で手掛けられるという喜びがある一方で、思い入れがあるファンも多いですし、そういった方たちを満足させられるかどうか不安に思う気持ちもありました。

谷口:スパイダーマンという、すでに有名なキャラクターを、ゲームオリジナルの世界観でどう仕上げていこうか、というのが悩みどころでしたね。

――マーベルやインソムニアック・ゲームズから、指示や要望などはありましたか?

谷口:用語集みたいなものはあって、用語の統一はマーベル側からありました。でも、内容に関してはとくに指示はなく、自由にやらせてもらえましたね。そこは、本作がゲームオリジナルのユニバースということもあると思います。

大島:基本方針として、それぞれのメディアで一番マーベルらしさを伝えられるように、わりと開発チームに自由を与えてくれているのかなと。作品やキャラクターに通底する基本的な哲学をインソムニアック・ゲームズやSIEが理解したうえでなら、ゲームとして一番輝くものを作ってほしいという意図があるのかなと思います。

――スパイダーマンといえば、移動中でもひっきりなしにしゃべっている印象がありますが、翻訳をする際に気をつけたポイントは?

谷口:私はこの作品に限らず、担当する作品ではどんな人が聞いてもわかるような言葉を使うようにしているんです。とくにアクションゲームでは、ほかのことに意識を集中しているとセリフに耳を傾けている余裕がなかったり、逆にセリフを聞いているとアクションがおろそかになったりとかしてしまいますから。実際に英語でしゃべっているセリフを、日本語向けに簡略化している部分もあります。といっても、もともとスパイダーマンはそこまで難しい言葉は使わないので、そこまで大きくは変えていないんですけどね(笑)。

――スパイダーマン役として、興津和幸さんを起用した決め手は?

谷口:一番重要視したのは、プレイヤーが遊んでいて、誰もが愛せるキャラクターでなければいけない、というところです。かつ、シリアスなシーンもあるので、ただ明るくてノリがいいだけではなくて、シリアスなシーンでもピーターの複雑な部分をちゃんと表現できる方というところを重視しました。私はオーディションでは、あまり考えないで直感で選ぶタイプなんですが、興津さんに演じていただいたとき、聞いてて楽しかったんです。ゲーム中のセリフのひとことをいくつか演じてもらったときに「すごく楽しい演技だな」って思って、そこが決め手になりました。ピーターのときの科学者的でマジメで、ちょっとあか抜けない感じも表現されてるし、スパイダーマンのときのノリや愛らしさもしっかり表現されていて、演じ分けも完璧でした。

――一方で、ヴィラン側は玄田哲章さんをはじめ、大御所の方々が担当されてますよね

谷口:そうですね(笑)。ヴィランのキャスティングはスパイダーマンよりあとに行なったんですが、先にスパイダーマンなどの収録をしているときに、ヴィランのキャスティングのイメージを話し合ったんです。スパイダーマンのキャラクターって少しアニメっぽい部分もあるので、みなさんが普段よく聞く声というか、「これあのキャラの声の人だ!」っていうのを入れていったら、すごく合うし、盛り上がるんじゃないって話になったんです。そうすればプレイヤーさんも、ただヴィランが出てきたことで驚くだけじゃなくて、「こんな豪華なキャストでやってるんだ!」というように、そこもまた楽しめるかなと思いまして。

――その中でも、スパイダーマンと対峙するメインヴィランであるミスター・ネガティブのキャスティングの狙いとはなんでしょうか?

大島:闇の面の表現が上手というか、プレイヤーの心に刺さるような、闇に落ちたときの演技と、慈善事業家という表の顔の演技と、そのギャップや対比をうまく表現できる方を捜していました。そのなかでリストアップされた候補のなかで、宮本充さんが僕らのイメージにピッタリだったんです。

――メイン以外のキャラクターにも、海外ドラマなどで活躍されている役者さんを配役されているのかなという印象を受けたんですが

谷口:吹き替えメインでやっている方という指定はとくにしていなくて、どちらかというとアニメも吹き替えもどちらもやってらっしゃる方というお願いをしていました。ヒロインのメリー・ジェーン(MJ)に関しては、本当にいろんな方の声を聞かせていただいたんですけど、今回はいつもの彼女とちょっと立ち位置が違うんですよ。プレイヤーがMJを操作できるシーンもあるので、プレイヤーが可愛いなと思えるのと同時に、自立した強い女性というのも意識しました。

――さまざまなキャラクターのボイスを収録したうえで、日本語版のキャラクターとしてお2人がそれぞれお気に入りのキャラクターを教えてください

大島:ピーターはもちろんなのですが、僕はバルチャーですね。自分が翻訳を担当したからというのもあるのですが(笑)。笑い声とか、セリフのなかでの微妙なニュアンスや、言葉の端々に、大塚芳忠さんらしいニヒルな笑いを入れてきたり。スパイダーマンに刑務所に入れられて、何年もの間に募った想いみたいなものをセリフに入れてくださいました。台本を書きながら想像していたよりも、さらに上をいくバルチャーにしてもらえたと思います。

谷口:私は、キャスティングに最後まですごく迷ったノーマン・オズボーンです。演じてらっしゃる堀内賢雄さんは、普段こういう役あまりやられないんですよね。もうちょっとカッコイイ感じの役が多いので、初めて演じていただいたときに「あ、こういう役もはまるんだ」ってびっくりしたんですよ。私たちが求めていたノーマンのイメージにすごくピッタリだったし、収録中も笑いが絶えず、すごく印象的でした。

――ちなみに、戦闘時の掛け声なども収録しているんでしょうか?

谷口:全部、録りましたよ~! じつは、全部の掛け声を現地語化したのは日本語版だけなんです。そのおかげで大変だったりもしましたが、納得のいくものになりました。

―――では最後に、本作を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします

大島:本作では、これまでになかった大人のスパイダーマンという設定で、スパイダーマンの神髄であるアクションの楽しさとともに、人間味のあるストーリーも満喫していただけるはずです。このインタビューでは語れなかった要素もありますし、スパイダーマンの大ファンという方も、本作からスパイダーマンを楽しむ方も、誰もが遊び始めたら止められない作品になっているので、ご期待ください!

谷口:キャストを見ていただいても、すべてのキャラクターを楽しめる内容になってます。私はあまりアクションゲームが得意ではないんですが、本作はその私が楽しめるくらい……もちろん難易度は一番下のですけど……操作もわかりやすいし、難易度が絶妙で楽しめたんですね。メインストーリーだけでなくサイドミッションも、ものすごく工夫が施されていて、スミズミまで楽しんでもらえると思います。移動しているだけでも楽しいので、その爽快感を多くの方に楽しんでいただきたいですね!

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Marvel’s Spider-Man

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:オープンワールドアクションアドベンチャー 
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,900円+税
    ダウンロード版 通常版 販売価格 7,452円(税込)
    ダウンロード版 デジタルデラックス版 販売価格 9,612円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)

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© 2018 MARVEL ©2018 Sony Interactive Entertainment LLC. Developed by Insomniac Games, Inc.

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