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ファン待望の『機動戦士ガンダム サンダーボルト』アニメ化!一年戦争末期にあった男たちのドラマを描く

小学館「ビッグコミックスペリオール」で太田垣康男が連載する『機動戦士ガンダム サンダーボルト』がアニメ化され話題を呼んでいる。2015年12月に配信開始した第1話がファンから絶賛を浴び、第2話でその評価を確かなものにした。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』

舞台は『機動戦士ガンダム』でも描かれた一年戦争の末期。『サンダーボルト宙域』で、地球連邦軍ムーア同胞団のイオ・フレミングと、ジオン軍リビング・デッド師団のダリル・ローレンツがぶつかり合う。二人の男の過酷な戦いの運命を描く。

アニメーション制作に『機動戦士ガンダムUC』のサンライズ第1スタジオ、キャストはイオ・フレミングに中村悠一、ダリル・ローレンツに木村良平を起用した。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』

4月22日からはいよいよ最終話となる第4話が配信開始。ふたりの殺し合いの果てに、戦争という悪夢は終わるのか。大ヒット配信中のシリーズ、遂に完結!

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STORY

宇宙世紀0079、地球連邦とジオン公国が戦った一年戦争の末期、サイド4のスペースコロニー群、ムーアはジオン軍の攻撃により破壊され、多くの住人が命を落とした。破壊されたコロニーや、撃沈された戦艦の残骸が無数に漂う暗礁宙域では、ぶつかり合い帯電したデブリによって絶えず稲妻が閃くようになり、いつしかそこは、『サンダーボルト宙域』と呼ばれるようになった。

ムーア市民の生き残りで構成された地球連邦軍所属部隊、ムーア同胞団は、故郷であったサンダーボルト宙域の奪還を悲願とし、宙域のジオン軍を殲滅せんとしていた。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』

連邦の進軍を足止めせんとするジオン軍も、義肢兵の戦闘データ採取を目的に設立されたリビング・デッド師団を展開。

ムーア同胞団に所属しながら、故郷や自身の出自に束縛される事を疎ましく思うイオ・フレミングと、過去の戦闘により両足を失い、今はリビング・デッド師団でエーススナイパーとして活躍するダリル・ローレンツは、戦場で対峙した時、互いに悟るのだった。

ふたりは、殺し合う宿命なのだと……。

POINT

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』、3つのポイントに注目!

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』、3つのポイントに注目!

二人を対照的に映すジャズミュージシャン・菊地成孔の音楽

まず印象的なのが「音楽」だ。イオ・フレミングはジャズを好み、ダリル・ローレンツはポップスを好むことで、対照的に描かれる。イオはドラムスティックでコックピットを叩き、ダリルはポップスが流れる中でライフルを撃ち続ける。音楽がそれぞれのシーンを効果的に演出し、戦いの非情さが浮かび上がる。
そして、ジャズ。ラジオから流れるジャズをBGMに、ガンダムが武器を手に向かって行く。ジャズミュージシャン・菊地成孔の真骨頂、きっと心も高揚するに違いない。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』

『大人のガンダム、アダルトな雰囲気と細かい描写

『サンダーボルト』は大人の物語だ。ジャズといった音楽はもちろん、細かな恋愛描写、煙草を吸うシーンがあるのも本作ならだろう。映像となったことで、コマとコマの間にあった戦争中の日常風景も描かれた。
連邦軍のイオは、家族のしがらみや幼馴染で艦長のクローディアとの関係にスポットが当たる。一方ダリルたち、ジオン軍の兵士は義足や義手が描写される。戦争の悲惨やその過酷な環境を表現している。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』

モビルスーツへのこだわり

ガンダムシリーズの華となるのが、数々のモビルスーツのデザインと戦闘シーン。『サンダーボルト』はここでも見応えたっぷりだ。『機動戦士ガンダム』の系譜を引き継ぐこだわりのモビルスーツが多く登場する。
メイン機のFA-78フルアーマー・ガンダムやMS-06R リユース・P・デバイス装備高機動型ザクは、「ガンダム」「ザク」と馴染み深いビジュアルだ。旧ザクをはじめとしたザクやジム、ボールが描かれているのもファンには堪らないだろう。
こうしたモビルスーツがクオリティが高い作画で描かれる。スリルのある描写、アクションやエフェクトなど、見ごたえのある映像だ。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』

CHARACTER

地球連邦軍(ムーア同胞団)

イオ・フレミング

地球連邦宇宙軍所属部隊、ムーア同胞団の空母ビーハイヴのエースパイロット。階級は少尉。一年戦争の戦乱で壊滅したサイド4、ムーアの出身で、前首長の息子。ムーア出身のビーハイヴ艦長代理クローディアとメカニックのコーネリアスとは幼なじみの間柄。サンダーボルト宙域に巣くうジオン軍の殲滅を課されたビーハイヴは、度重なる攻撃を行うも撃退され、指揮官を次々に喪失。モビルスーツパイロットでは上官のいなくなったイオ少尉が、フルアーマー・ガンダムのパイロットに抜擢される。故郷や家系に束縛されることを嫌い、性格は大胆不敵。ジャズを好み、戦場でもコックピットで流すため、撃破された敵機が接触通信で聞くその音は畏怖の対象となっていく。

クローディア・ペール

ビーハイヴ艦長代理を務める女性将校。階級は中佐。ムーア出身でイオとコーネリアスは幼なじみ。上官が戦死したことにより、サンダーボルト宙域奪還作戦の指揮を執ることになるが、重圧に押し潰され、薬に逃げてしまう。イオはその弱さをきつく責めるが、コーネリアスは諄々と諭すように労った。イオとは恋仲だが、戦況悪化と共にその関係にも亀裂が入りつつある。補給物資と共に補充されたパイロットが幼い学生達だったため、クローディアは更に精神的に追いつめられていく。

ジオン公国軍(リビング・デッド師団)

ダリル・ローレンツ

ジオン公国軍のモビルスーツパイロット。階級は曹長、のちに少尉となる。戦場で両足を失ったため、リビング・デッド師団の所属艦ドライドフィッシュに配属され、師団のエーススナイパーとして狙撃任務に就く。カーラ教授主導のリユース・P・デバイスの研究にも協力している。サンダーボルト宙域のデブリマップを駆使し、ミノフスキー粒子の電波障害下でも敵機の軌道予測を正確に行い、多大な戦果を上げる。やがて、リユース・P・デバイス搭載のサイコ・ザクのパイロットに選ばれたダリルは、連邦軍のフルアーマー・ガンダムのパイロットであるイオと死命を決する闘いに臨むことになる。ポップスが大好きで、コックピットにラジオを持ち込み戦闘中も聞いている。

カーラ・ミッチャム

ドライドフィッシュで、義手や義足の研究を行っている女性教授。負傷兵に義肢の施術も任されている。ダリルのモビルスーツ小隊のチームリーダー、フーバーとは恋仲だったが、そのフーバーが連邦軍のイオに殺されたため、復讐をダリルに頼む。歴史家で思想犯としてジオン本国で投獄されている父の助命のため、リユース・P・デバイス研究に協力することを強いられている。

MECHANICAL

地球連邦軍(ムーア同胞団)

フルアーマー・ガンダム

フルアーマー・ガンダム

型式番号 FA-78
ムーア同胞団に配備されたガンダムタイプのモビルスーツ。イオ・フレミング少尉がパイロットに抜擢された。サンダーボルト宙域で任務を遂行する機体に特有ともいうべきデブリよけのシーリング処理が関節とランドセルに施された機体は、標準装備のビーム・サーベルに加え、射界が広く大型の2連装ビーム・ライフルの他、左腕にロケット・ランチャー5基、ランドセルに大型ビーム砲と6連装ミサイル・ポッドを装備し、フルアーマーの名に恥じない大幅な重武装が運用されている。ランドセルには最大シールド4枚を保持できるサブアームを装備、防御力も向上し、さらに後背にはロケットブースター2基も装着され増強された多大な推力により後発の高機動型モビルスーツに比肩しうる高機動性を与えられている。ムーア同胞団の侵攻阻止を命じられていたリビング・デッド師団にとって、フルアーマー・ガンダムの戦線投入は恐るべき脅威として捉えられ、リユース・P・デバイスによるサイコ・ザクの運用を決断させる契機となった。

ジム

ジム

型式番号 RGM-79
ガンダムのデータを基に開発された地球連邦軍の量産型モビルスーツ。ムーア同胞団にも配属され、イオも搭乗した。サンダーボルト宙域での運用時には、デブリ除けに関節部シーリング処理、暗礁宙域探査用に頭部センサーの増設、大型ランドセルへの換装、等の改修が施された。大型ランドセルには、シールド2枚が保持可能のサブアーム、ビーム・スプレーガン等に使用するエネルギーパックも備えられた。コックピットは緊急脱出用のコア・ブロック・システムを採用し、機体からコア・ブロックが離脱可能。そのコア・ブロックはさらに本体以外をパージしてエマージェンシー・ポッドとして機能。パイロットの生残性向上を図る。この機能は、ダリル機に狙撃されたジムに乗っていたイオを窮地から救った。

ジオン公国軍(リビング・デッド師団)

ザクⅡ

ザクⅡ

型式番号 MS-06
モビルスーツの代名詞とも呼ばれるザクⅡ、いわゆる量産型ザクは、一年戦争末期のサンダーボルト宙域の攻防でも活躍したジオン公国軍の主力機である。リビング・デッド師団に配備された機体は、デブリよけのシーリングを動力パイプと関節に施され、膝部装甲にもショックアブソーバーが設けられている。サンダーボルト宙域では、暗礁宙域に潜んで侵攻してくる敵機を各個狙撃していく防衛任務が主であるため、ザクⅡの足底面には足場となるデブリ等に固定可能なクローが追加された。背面には高機動化を可能とする大型ランドセルを装備し、ランドセルに増設されたスラスター用のプロペラントタンクも設置された。武装は標準装備のシールド、ザク・マシンガン、ヒート・ホークの他に、改良されたタイプのザク・バズーカも用意されている。ダリル・ローレンツ曹長が、連邦軍のイオ少尉と初めて邂逅した時に搭乗していたのもザクⅡだった。

リック・ドム

リック・ドム

型式番号 MS-09R
一年戦争末期に活躍した高機動タイプの量産型モビルスーツ。MS-09 ドムを宇宙用に改良した機体で、ドムと同様に十字に拡げられた視野に3次元走査が可能なモノアイが特徴。リビング・デッド師団に配備された機体は、暗礁宙域仕様として関節部にシーリング処理が施され、背面には高機動用スラスターを増設した大型ランドセルとプロペラントタンクが設置されている。ドライドフィッシュ搭載機は、主にビッグ・ガンによる狙撃任務に就くため、武装はヒート・ホークやMMP-50マシンガンで、フーバーやフィッシャーが搭乗した。

CHARACTER

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第4話、遂に配信スタート! 漫画原作者・太田垣康男インタビュー“『サンダーボルト』はこうして生まれた”

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第4話、遂に配信スタート! 漫画原作者・太田垣康男インタビュー“『サンダーボルト』はこうして生まれた”

ついにクライマックスを迎える『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第4話の配信が4月22日よりスタート。フルアーマー・ガンダムとサイコ・ザクの死闘、そしてイオとダリル、ふたりの戦いの行く末は……!?

これまでのガンダムを打ち壊し、新たな世界観を作り上げて来た同作。その生みの親である漫画原作者・太田垣康男先生に、企画が生まれるまでの経緯やガンダムシリーズに対する考え、今後の展開についてじっくりと聞いてみた。

 
 感じた違和感を壊し、新たなガンダムを描く
数土
とうとう最終話となる第4話が配信となります。漫画原作者から見たアニメ版『サンダーボルト』はどんなものだったでしょうか。
太田垣
第1話の白箱をいただいて、まず鑑賞しました。とにかく目頭が熱くなるアニメーションでしたね。
数土
太田垣先生はアニメ制作陣と、どの様にコミュニケーションを取られたのでしょうか。
太田垣
色々な意見を交わしながら、シナリオ段階からとても濃いやりとりをしていただきました。次第にサンライズさんとも阿吽の呼吸でわかるようになりました。アニメを漫画原作に寄せていただいたことで、とてもスムーズだったと思います。シナリオが納得できれば、何せサンライズさんなのでアニメーションは絶対に良いものになる。しかも戦闘シーンは手描き! 実際に観て期待を超える作品になっていると、そう言えることがとても幸せです。
数土
心の底から。
太田垣
そう。『サンダーボルト』は、たとえ関係者じゃなかったとしても自分で買いますね。そんなアニメを作っていただけて本当に嬉しいです。
数土
アニメ制作陣が聞いたら嬉しくてたまらないお話だと思います。お気に入りのシーンを教えてください。
太田垣
第1話だとダリルとイオ、それぞれのシーンになる時に音楽が切り替わるのが好きですね。殺戮の場面に明るい雰囲気のオールディーズがかかっていて、音楽の使い方が特徴的。私は映画ファンでもあるので、『サンダーボルト』では高度な演出をしているとハッキリとわかりました。黒澤明の『野良犬』といった、昔の日本映画のオールディーズを使った巧みな演出を想起するような。
数土
少し話題を変えて、企画が生まれた時のことをお聞きしたいです。本作の企画がどのようにして生まれ、なぜ太田垣先生が手掛けることになったのか。その経緯はどのようなものだったのでしょうか。
太田垣
もとはサンライズさんから『機動戦士ガンダムAGE』の際に小学館と何かできないかとお話をいただいて。小学館の雑誌で漫画家に協力してもらい、コラボマンガを描こうという応援企画だったのです。
数土
違う方向からスタートしていたんですね。
太田垣
最初は全然違いましたね。「ビッグコミック スペリオール」の編集長から読み切りでいいから何かしら描いてみないかと声をかけられたんです。当時は『MOONLIGHT MILE』も描いていたので、負担も考慮して読み切りが妥当だろうというオファーですね。でも、読み切りだと戦闘シーンをひとつ描いたら終わりなんですよね。それだとやった気がしない。
数土
せっかくガンダムの世界を描くには、読み切りでは物足りなかった。
太田垣
そこで私から『MOONLIGHT MILE』を休載してこちらを描けるならやりますと。編集さんもそれでOKしてくださいました。それでも当初は単行本1巻のボリュームでやる予定でした。
数土
単行本1巻のはずが、今やさらなる広がりでスケールも大きくなっています。
太田垣
プロットを考えた段階で1巻には収まらないなと思っていました(笑)。ストーリーは複雑でなくとも、マンガで戦闘を描くとそれだけでボリュームが膨らみますから。マンガという存在は、ガンダムの世界では最後にあるもの。いつもならグッズがあって、アニメがあって、最後にコミカライズ。『サンダーボルト』はその逆の流れになっているので、業界を知っている方からすれば快挙です。
数土
これまでのガンダムシリーズとがらりと雰囲気を変えて、アダルトなテイストになったのはなぜでしょうか。
太田垣
まずはマンガとして成立させないといけない。スペリオールの読者が30代から40代なので、彼らに面白いと思ってもらうことが大前提でしたから。アニメだとガンプラやグッズを買ってくれるユーザーに訴求するということで少年少女が主人公になるかもしれませんが、そこがアニメとは違うところですね。
数土
単行本1巻分のために新たなキャラクターや設定を生み出したんですね。そう考えるとすごくボリュームがあるなと思います。
太田垣
それくらいの労力をかけないと、ガンダムはとても片手間でできるようなシリーズではないし、自分がもっているものを全てぶつけるつもりじゃないといけないと思って。
数土
これまで語られていなかった一年戦争、そして旧サイド4を舞台に選んだのはなぜですか?
太田垣
ガンダムシリーズはすでに35年以上続いているコンテンツですから、過去に様々な人々がそれぞれの舞台で作品を作っています。だからそこを選んだというより、隙間を選んだらそこになりました。
数土
「ここ、まだ誰も語っていないな」と昔から感じていた?
太田垣
昔から暗礁宙域という言葉で何度か登場しています。『機動戦士ガンダム0083』の時に少し出てきたくらい。たくさんのスペースコロニーがあり、それが全て破壊され大量の瓦礫が漂っている場所。そこが描かれていないのはもったいないです。戦争でモビルスーツやコロニーなど大量の瓦礫が漂っているはずなのに、描かれるガンダムの世界では宇宙空間がキレイなんですよね。個人的には、そこに違和感はあったんです。それをふまえて、サンダーボルト宙域という瓦礫が大量に漂っている舞台を設定したら、新たな物語が生まれそうだと思ったんです。
数土
順番でいうと、舞台設定が最初にあって、次にキャラクターを考えたのでしょうか。
太田垣
キャラクターはあとからです。私はどちらかというと舞台から作っていくタイプなんですよね。舞台設定ができたらそこで運用するモビルスーツは何が合理的なのか。そのモビルスーツを運用するのは誰なのか。
数土
サイコ・ザクやリビング・デッド師団についてもその時に?
太田垣
これはかなり後のほうですね。フルアーマー・ガンダムという強いモビルスーツが登場したならば、これに対抗できるようなモビルスーツを作ろうとしたらこの世界の人たちはどうするかを考えました。リビング・デッド師団については、最初から傷痍(しょうい)軍人を登場させようと思っていたんですよ。現実の話をすると、第一次世界大戦の時に消耗戦になってからは傷痍(しょうい)軍人の数が多かった。戦争を描く時そこを取り上げたいと感じられて。
数土
今回はイオとダリルの対比、2人の主人公の視点から物語が展開していきますね。
太田垣
マンガ的には“持たざる者”のダリルが主人公で、アニメ的なアプローチであれば色んな要素をもつイオが主人公。戦闘中の兵士はどんどん感情を失っていくはずで、ダリルはことさら隠して行くタイプ。イオは何を考えているのかわからない性格ですからね(笑)。ふたりの心象風景を描く演出として音楽があるんです。
数土
イオがジャズ、ダリルがポップス・オールディーズである理由もぜひ知りたいです。
太田垣
ダリルが聴いているオールディーズってより主観的なんです。どういうことかというと、70年以降の音楽シーンは商業的でちょっと違うんです。そうなる前の甘ったるい曲を出すことで殺戮との対比を描きたかったんです。イオの型にはまらない性格はフリージャズにぴったり。
数土
太田垣先生にとって、ガンダムとはどんな作品なのでしょうか。
太田垣
SFを書いている人にとっては目の上のたんこぶ。多くのクリエイターが乗り越えようと思っている壁で、これまでいくつもの作品が大きなムーブメントになりましたが、やはりガンダムは超えられていない。不思議ですよね。そこには何か理由があるんでしょうけど。
数土
そのガンダムシリーズのひとつとなる作品を描くことに重荷を感じたりは?
太田垣
チャレンジャー気質なので気は楽ですよ。ガンダムはすでに強固なコンテンツなので、隅っこで好きにやっても本体はゆるがない。世界観にしろ、設定にしろ、踏襲するのではなく自分が描いて面白い方向にどんどん変えていっちゃおう、壊しちゃおうと。
数土
『サンダーボルト』の今後の展開についても知りたいです。
太田垣
話せる範囲でいうと、TVシリーズ最初のガンダムに登場したモビルスーツとモビルアーマーは全てリファインして『サンダーボルト』版として登場させます。最初にサイド7から始まって宇宙に行ったというアニメの流れは踏襲したいですね。ファンの多くは「それはそうするでしょ」と予想していると思うので、そこは裏切らず、でも予想を超えるものは作りたいなと思っているので楽しみにしてお待ちいただければ。
数土
最後に、ファンにメッセージをお願いします。
太田垣
僕自身もアニメ版『サンダーボルト』のいちファンとして第4話が楽しみです。ガンダムは長く続いているシリーズなので、そこについていけないことも多いかもしれません。でも『サンダーボルト』に関しては、ファーストガンダムさえ知っていれば、もっといえばファーストガンダムを知らなくても楽しめます。なぜ、ガンダムというコンテンツが35年以上も続いて愛されているか。その理由の一端を垣間みられるはずです。

熾烈な戦いに目が離せない!『機動戦士ガンダム サンダーボルト』アニメーションキャラクターデザイン 高谷浩利から見たイオとダリル

熾烈な戦いに目が離せない!『機動戦士ガンダム サンダーボルト』アニメーションキャラクターデザイン 高谷浩利から見たイオとダリル

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第4話のセル版配信(EST)とレンタル版(TVOD)の配信も目前。ダリルとイオ、サイコ・ザクとフルアーマー・ガンダムの戦いの行方は一体どのように決着するのか。次の配信を、首を長くして待っている人も多いはずだ。
最終話制作中のサンライズ 第1スタジオで、アニメ!アニメ!編集長 数土直志さんが、アニメーションキャラクターデザインを担当した高谷浩利さんにイオとダリルについて深く濃い話を聞いてきた。改めて『サンダーボルト』の世界、そして魅力をおさらいしよう。

 
可能な限り漫画原作の線を再現している
数土
高谷さんがガンダム作品に携わるようになったきっかけは?
高谷
『機動戦士ガンダムUC』でもメカの作画を手伝ったりはしていましたが、最初から最後までがっつり参加するガンダム作品は今回が初めてなんですよ、実は。
数土
『サンダーボルト』のアニメーションキャラクターデザインでの参加は、どのように声をかけられたのでしょうか。
高谷
ハッキリとした理由は聞いてないんです。でもキャラクターデザインと総作画監督を担当した『ZETMAN』があったからかなと自分では思っています。絵柄が近いし、あの濃さを出せるかもしれないと思ってもらえたのかもしれません。
数土
アメコミっぽさのあるトーンですよね。
高谷
アメコミは昔から好きで、カッコイイ作品をやりたいと若い頃からずっと考えていました。だから今回ようやく思いっきりカッコイイことができるので嬉しいです。漫画原作も読んでやってみたいと思っていました。
数土
実線が太めで、最近ではわりと珍しいほど影付けも多くて。
高谷
そうですね。漫画原作の濃さをきちんと出すことが松尾(衡)監督のオーダーでもあったんです。緻密で、それでいて濃厚だったのでそのまま表現したら影が多くて。実線のタッチも強弱をつけて、太くしたり細くしたりすることは意識しています。ただ、キャラクター全員にそれをやると作業現場的にはハードで。
数土
原画で線の強弱をつけても、動画でフラットになってしまう可能性もありますよね。
高谷
難しいところですよね。でも今回は作画スタッフのみなさんが頑張ってくれたおかげで最終的なフィルムにも表現されていると思います。
数土
僕もそう思います、素晴らしいですよね。
高谷
デザインの最初の段階で3~5パターンほど実線の描き方、影の入れ方のサンプルを出して、それぞれ動画の線に起こして塗り、見比べた上で決めたんですよ。そのあたりはかなり入念に見比べています。「このやり方なら負担を減らしつつ再現性も保てる」という、一番の着地点を探った上でスタートしました。
数土
これまで松尾監督やアニメーションメカニカルデザインの仲盛文さんにもお話を伺って、従来のガンダムシリーズよりアダルトなテイストが求められているんだなと。高谷さんもキャラクターデザインでそういった要素を意識しましたか?
高谷
ガンダム自体はサンライズ発だけれども『サンダーボルト』は太田垣(康男)さんの絵なので、その絵柄をそのまま表現すべきだなと感じました。可能な限りがんばっています(笑)
直感でキャラクターの性格がわかるように
数土
キャラクターデザインの面で僕がまず思ったのは「リビング・デッド師団の人たちは一層力が入っているぞ?」。もしかしてですが、より悪そうになったかなと。
高谷
今回の作品はジオン側に比重があるので、その点を考慮すると「キャラクターを立たせるならこっちでしょ」というのもあったんです。僕自身がついつい肩入れしてしまうのもありましたが(笑)。わかりやすく目立たせるのではなく、ごく自然な感じでやっていこうと思いました。
数土
描きやすかったキャラクターはいますか?
高谷
イオです。アニメ版『サンダーボルト』では「イオのヒールっぷりを漫画原作よりも強めに!」という空気があったので、漫画原作よりももう少し凶悪な感じに。そういう意味で描きやすかったですね。感情をオンにして素直に表に出すタイプで、ダリルとは真逆。イオとダリルでいうならダリルのほうが難しい。根っこは同じだけどそれぞれの主張の出し方がまるで異なるので。
数土
ダリルは表情が少なく、表現的には悩んでしまいそうですよね。
高谷
普段はずっと無口で表情を出さず、たまに出したと思ったら戦闘時の凶悪な顔ですからね(笑)。キャラクターデザインで描く時も、どの顔をピックアップするかで悩むところで。これが喜怒哀楽がハッキリしているキャラクターだと選びやすいんですけどね。たまにはにかむように微笑むところくらいしか選択肢がない。
数土
イオとダリルが正反対であることは、キャラクターデザインの時にも意識したのでしょうか。
高谷
キャラクター表は役者の芝居のもとになる役割もあるので、そこは意識しておく必要があると思います。性格付けはもちろん、パッと見てどんな人間なのかがわかるくらい。口で説明するのもありですがデザインとして直感的にわかるよう反映されていたほうがいいと考えています。
数土
漫画原作と比較して、より悪そうになっているイオだけれども単純に凶悪って人間なわけじゃないですよね。そうなると、イオらしさって何だと思います?
高谷
強がりで、全てに対して怒っている。自分の生まれに対しても、才能に対しても。それがダリルと出会ったことによってぶっ壊れていくんです。自分より劣っていそうな人間なのに、もしかしたら自分より強いんじゃないか。そんな出会いで始まって、どんどんその思いが強くなっていく物語。ジェフリー・アーチャーの『ケインとアベル』のようなものです。存在自体が腹立たしくて、消してしまいたくなるような。イオにとってダリルはそんな存在。一方ダリルはそのあたりをどう思っているかわかりにくいんですが、かなり意識していますよね。
数土
クローディアをはじめとした女性陣も魅力的です。
高谷
クローディアは苦労しましたねえ。目がぱっちりしていて、ちょっときつめの目つきで、髪型も女性には珍しいポンパドールっぽいオールバック。一番苦労したキャラクターかもしれません。目の大きさやまつげのバランスが特に難しくて何度も描き直しました。
数土
カーラはどうでしたか?
高谷
カーラはメガネをかけていたり髪の毛が長かったりと、記号的な要素が多かったので助かりました。カーラはクローディアとは対照的に、地味で大人しいながら芯の強さのある女性。そこを絵として表現するのは難しいところではあります。実際の画面に動きや表情、声の芝居も入るのでわかりやすいんですが、キャラクター表で目にした第一印象だけで伝わるようにしないといけなかったので。ただ、気が強いのは2人とも一緒です。
数土
イオとダリルが対の存在であるように、クローディアとカーラも対になるキャラクターなのでしょうか。
高谷
そうですね、この2人も対照的。感情の出し方でいうとカーラはダリルに、クローディアはイオに近い。
数土
気に入っているキャラクターがいれば教えてください。
高谷
メインの中でいえばダリルとカーラ。でも一番好きなのはショーンです。
数土
確か漫画原作の単行本の第5集に外伝『砂鼠のショーン』が収録されていましたね。
高谷
その外伝を読んでキャラクター表も描きました。フィッシャーもいいですよね。出番が少ないけれど、ショーン、フィッシャー、コーネリアスなど脇役がすごくいい作品です。
数土
ガンダムシリーズは長い歴史がある作品なので、そこに苦労はありましたか。
高谷
制服はすごく入念にチェックしていますね。『機動戦士ガンダム』のパイロットスーツを見ている時に「おや、なんだか違うぞ」と気づいたり、この時代にこの服は無いんじゃないかとか。だいぶ苦労しましたね。でも作品が生まれる時代が違えばその時代なりの考証もあるので、折衷案にもっていったり。
数土
『サンダーボルト』の物語にはどんな印象を持っていますか? とても強烈な作品なのでは。
高谷
題材全てに「ここまでやっていいのか」と思わせるものがありますよね。でもそこは松尾監督と小形(尚弘)プロデューサーがうまくやってくれたので、僕ら制作スタッフは思いっきりやります、みたいな(笑)。
これまでガンダム作品になじみがない人でも楽しめるお話だと思います。毎話最後に必ず引きがあって、次も必ず観たくなる。純粋な楽しさがある作品です。アニメーションキャラクターデザインも漫画原作とは違った魅力を感じてもらえると嬉しいですね
数土
今後の展開もますます目が離せません。最後にメッセージをお願いします。
高谷
モビルスーツとガンダムの戦いもどんどん熾烈になって、スケールアップしていきます。イオとダリルの決着も盛り上がっていくので、ぜひよろしくお願いします。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』アニメーションメカニカルデザイン・総作画監督(メカ) 仲盛文インタビュー“大人なガンダムのデザイン”を目指した

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』アニメーションメカニカルデザイン・総作画監督(メカ) 仲盛文インタビュー“大人なガンダムのデザイン”を目指した

好評配信中のアニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』。TVアニメ『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)の一年戦争末期のサンダーボルト宙域を舞台に描かれる同作は、漫画原作の魅力をアニメーションとして膨らませ、配信スタートと共に大きな反響を呼んだ。
本作のアニメーションメカニカルデザインを担当している仲盛文さんに、メカデザインや作品の見どころについて、アニメ!アニメ!の数土直志編集長がインタビューを敢行。じっくりとお話を窺った。

 
フルアーマー(増加装甲)はアメフト選手でいうプロテクター
数土
今日はよろしくお願いします。まずは仲さんとガンダムの出会いはいつ頃だったのか、教えてください。
ちょうどファーストガンダムをTV放送していたのが、僕が高校3年生の頃でした。ただ当時住んでいた地元では観ることができなくて、高校卒業後に上京してから再放送を観ました。たまたま最初に観たのが第15話の「ククルス・ドアンの島」で、シリアスなものを想像していたのになんだか印象が違うぞと……。その後、劇場版を観て「ああ、こういう作品なんだ」と把握しました。
数土
お仕事として初めて携わったのは?
『機動戦士Zガンダム』の第1話です。当時、北爪宏幸さんが立ち上げたスタジオぱっくにいて、北爪さんがメイン作画監督を担当した流れで僕も原画として携わりました。これが実質的な原画デビューですね。
数土
仲さんがメカデザインをするようになったのは、Zガンダムでの経験がきっかけになっているのでしょうか。
なんというか、僕にはメカ以外なかったんです、最初から。メカがかっこいいと嬉しい。一方でキャラクターは考える要素が多いので、個人的な感覚としては大変だなっていう思いがあるんです。キャラの方が動かすのが難しいかもしれません。
数土
メカもすごく難しそうなイメージです。手描きで動かせるアニメーターさんは貴重ではないでしょうか。仲さんがメカのほうが動かしやすいと思うのはどんなところですか?
人体のほうが不定形の部分が多いんです。例えば座るとお尻の形が変わりますよね。例えば女性。座るとお尻の形がぐっと広がって、他の体のパーツもああなってこうなって……って考えてたら、難しい!(笑) メカは設定画や三面図があれば十分だし、あとはそんなに不都合も感じないんです。
数土
『サンダーボルト』では、中谷誠一さん、カトキハジメさんと共にメカニカルデザインを担当されていますね。
『サンダーボルト』の場合、実をいうと「デザインしています」というよりは「設定として描いた」に近いです。しっかりと作り込まれた漫画原作があるので、それをアニメーション向けに起こしているだけなんです。
数土
今回はフルアーマー・ガンダムがありますよね。これを漫画原作からアニメ版に画を起こす難しさはありましたか?
すごく難しかったですね。太田垣(康男)さんは武骨な感じ、しっかりとした線でまとめている感じがするんです。フルアーマー・ガンダムの胸のラインも直線になっていたりとか、カチッとしていたりする。あの武骨な感じを出すのが実は難しいんです。紙で読む漫画と、モニターで観るアニメとでは量感の感じ方も異なっていて。例えば単純な直線で構成されている物体を直線で描くと、画面から出てこない。漫画原作とは違うアプローチが必要ではと、面や線を工夫しました。
数土
漫画原作通りなのに、画面で観ると逆に漫画原作からは離れていくみたいな。
そうなんです。最初は漫画原作にある武骨な感じで描いてみたら、違うぞと言われてしまって。色々と悩んだ結果フルアーマー・ガンダムに関しては、太田垣先生によるとアメフト選手のイメージだと。アメフト選手は自身の肉体を鍛えていて筋肉隆々。その上にプロテクターをつけていますよね。それと同じことで分厚い装甲をまとっているわけではないんです。全体のプロポーションも脚を長めにして頭身を高く、大人なガンダムに。設定画よりもスタイリッシュにしています。ただ、もっと漫画原作寄りにしたい気持ちもありましたね。
数土
色彩に関しては、ジムもフルアーマー・ガンダムも色味を落としていて、漫画原作通りだなと思いました。
単行本第5集の特装版に同梱されていた設定集を見ると、あれは漫画原作の通りだとはっきりとわかりますよね。ガンダムの色は他のアニメではもっと明るいけれど、同じことを『サンダーボルト』でやるとダメだろうと。これは別物であるという考えです。メカに関してはとにかく漫画原作通りにやる。それを念頭に作業を進めました。
アニメではサンダーボルト宙域の表現に注目
数土
逆にいうと、漫画原作になくてアニメにあるもの、は何だと思います?
デブリです。サンダーボルト宙域に漂うデブリをよけながら進む動きは、アニメーションならではだと思います。これを表現したことで、サンダーボルト宙域が普通とは違う、やっかいな場所だと伝わるんじゃないかと。もともとコンテでそういう指示があったこと、3DCG班や美術さん、撮影さんが頑張ってくれたことでうまく画面にのせられました。
数土
そういった細かい箇所が表現されて独自の魅力が出ていると、漫画原作ファンも嬉しいですよね。
「サンダーボルト宙域ってこんなところ」とわかりやすくなっているのではと思います。
数土
漫画原作からアニメへ、すごく自然に横移動できるなと感じます。
漫画原作ファンが観て喜んでくれたらこちらも嬉しい。動くってそういうことだよな、と思います。
数土
『サンダーボルト』ではメカやモビルスーツのアクションも主に手描きですよね。CGをがっつり入れた作品と比較してどうでした?
自分としては3割手描き・7割CGでもいいかなと思っていたんです。『機動戦士ガンダムUC』でもCGと手描きの境目がわからないという人がいたので、そういうのは成功ですよね。ですが、漫画原作がCGをアタリにして手描きで作画しているのは意味があることだと思います。全くCGを使わないわけではありませんが、漫画原作がそうであればアニメも手描きのほうがいいだろうなと。
数土
どれくらいCGにするか問題。これは作品によって大きく異なりそうですね。
メカの場合、原画まではコントロールできるけれど動画をコントロールするのは難しいんです。色々な大変さがある。
今回、それでも手描きでやれるっていうのはいいことじゃないかなと思うんです。たぶん、こうして手描きでやる機会ってこの先もそう多いわけではないから、逆にチャンスなんです。描くスタッフが育ちますから。
数土
制作現場にとってもメリットはある。
実際、『ガンダム Gのレコンギスタ』の時にモビルスーツを手描きで描いてくれた人が今回も描いてくれました。そういった人が呼び水となって他にもメカを手描きできる人が増えてくれたら、CGで作るにせよ手で描いたもののイメージをCGにフィードバックできたらいいなと思います。
憎しみがエスカレート。それがこの先どうなるのか
数土
仲さんの好きなモビルスーツは何ですか?
僕はジムが好きなんですよね。『Zガンダム』の前にMSVがありましたが、その中でもジム・スナイパーカスタムが好きで。メカニックな雰囲気とキャラクターのバランスが絶妙。同じように、『Zガンダム』だとネモの地味目な感じが好きでしたね。でも一番好きなのはガンダムMk-Ⅱ。『サンダーボルト』でもガンダムの前にジムが出るのは非常に好感が持てます(笑)。ガンダムはそう簡単に出てこないスペシャルなメカですからね。
数土
チラチラッと出てきて、盛り上がるところでドンと登場してくれるとファンも盛り上がりますよね。第1話のラストなんかまさにそう。
やっぱりガンダムは華がありますよね。「ヒーローは遅れてやってくる」をやってくれました。
数土
仲さんの思う、『サンダーボルト』の魅力を教えてください。
やっぱりイオとダリルの戦い。生身で戦ってもガンダムとザクで戦っても彼らは同じことになっているのではないでしょうか。憎しみ合う男同士、それをエスカレートさせる話。それが醍醐味です。どうなるんでしょうね、憎しみ合うと。僕は、憎しみは憎しみしか生まないと思っていて、殺しあうか許しあうかのどちらかになるしかないので。漫画原作もこの先の展開が楽しみです。
数土
生身でも成立するというお話、モビルスーツが肉体の延長線上にあるイメージですよね。
サイコ・ザクはまさにそうですね。
数土
仲さんは配信でアニメを観ることはありますか?
TVをネットに接続しているんですよ。子供が配信でアニメや海外ヒーローものをよく観ていて、それを一緒に観たりもします。ネット環境でアニメを観るのは便利ですよね。
数土
最後に、ファンにメッセージをお願いします。
期待を裏切らないように映像化しますので、漫画原作ファンの方は絶対に観て欲しいですね。手描きだろうとCGだろうと魅力的な画を作ることには変わりありません。その中で、この作品では日本のアニメにおける手描き表現でこれ以上ないくらいのことをたくさんやっています。みなさんが観てどんな風に感じたかぜひリアクションも欲しいです。
数土
どうもありがとうございました。

アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第1話、ついに配信開始! 松尾監督、小形プロデューサーが語る見どころは? アニメ!アニメ!数土編集長が訊く

アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第1話、ついに配信開始! 松尾監督、小形プロデューサーが語る見どころは? アニメ!アニメ!数土編集長が訊く

ファン待望のアニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』 第1話の有料配信がついにスタートした。『機動戦士ガンダム サンダーボルト』はTVアニメ『機動戦士ガンダム(通称:ファーストガンダム)』の一年戦争末期のサンダーボルト宙域を舞台に、地球連邦軍のムーア同胞団 のイオ・フレミングと、ジオン公国軍 リビング・デッド師団のダリル・ローレンツとの宿命的な戦いを描いた物語だ。
配信を記念し、アニメ制作を手がけるサンライズ第1スタジオにて、監督・脚本の松尾衡さん、プロデューサーの小形尚弘さんに、アニメ!アニメ!編集長 数土直志さんがアニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の魅力や制作の裏側を訊いた。

 
松尾監督にとって、「ガンダム」シリーズとは?
数土
「ガンダム」シリーズという、人気作品の新作ということで配信を非常に楽しみにしている人もたくさんいらっしゃると思います。『サンダーボルト』のアニメ化決定の流れはどんなものでしたか?
小形
今回メカニカルデザインを担当している仲盛文さんが『サンダーボルト』が面白いからアニメでやってみたいと言ってくださったのがきっかけですね。それで漫画を読んでみたのですが、正直なことを言えば僕は「これはアニメ化は難しいかな」と思ってたんです。もちろん作品はとても面白いのですが、作画的カロリーが高く、お話としてもハードな内容ですよね。
数土
そうだったんですね。でも、そこからアニメ化が決定した。
小形
難しいとは思いつつも、今回キャラクターデザインを担当している高谷浩利さんに合うと思ったのと、小学館とサンライズ本社でも『サンダーボルト』を映像化したいという話が出ていて、色々な条件が合致してアニメにしましょう、と。その後、松尾さんに声をおかけしました。
数土
松尾さんに決定したのはなぜだったのでしょうか。
小形
松尾さんとは『機動戦士ガンダムUC』で絵コンテ、『ガンダム Gのレコンギスタ』では演出に入ってもらって素晴らしい空間演出をされる方だと思っていて。何かしらで一緒に仕事をしたいと考えていたんです。
数土
ファンの立場からしても松尾さんが監督ということで期待が高まった部分はあると思うんですよ。松尾監督は、ガンダム作品の指揮を執るに当たってどんなお気持ちでしたか。
松尾
僕がガンダム作品として初めて携わった『機動戦士Zガンダム A New Translation』の時は、僕はどちらかというと初心者で現場では一番ガンダムを知らない人間でした。一方で周囲には「ガンダム」を20年作り続けてきたベテランスタッフがたくさんいて。周囲に教えてもらいながら制作した、僕としては珍しい作品なんです。そういう意味で、ガンダムはすごく楽な作品なんですよ。みんなよく知っている作品だから。
数土
普段の制作とは真逆ですよね。
松尾
いつもなら最初に音楽も作画もタイミングもあらゆる物事を考えて指示出しするところを、ガンダムでは「ここは赤色です」「この効果音はこれ」と決まっているものをきちんと入れていく。いつもと真逆でした。
数土
映像面で『サンダーボルト』を制作する上で、注意した所はどういったところでしょうか。
松尾
コントラストです。モビルスーツの重さを演出する時に、なるべく影色を落として、どの色にも黒を少しずつ混ぜています。それと同時に、全体のカラートーンが重ためでもガンダム作品が元来もつカラフルな部分は捨てないように。明暗をハッキリさせることで、影に生きるキャラクター、明るいほうへ行こうとしているキャラクター、それぞれが表現できるようにして彼らの感情とリンクさせることができればなと。小形さんも作画カロリーの話をしていましたが、その濃さを上手に利用して明るさや色のコントラストで表せるように気をつけています。
数土
この話を伺った後に改めて映像を観るのが楽しみになりますね。配信スタイルもですが、4話完結で例えば第1話は18分、4話合計で1時間ぐらいになるように作られているのが興味深いと感じました。この尺の取り方についても知りたいです。
小形
昨今だと配信やスマートフォンで視聴する方も増えているので、1時間ものがどんとくるよりもっと手軽に視聴できる尺がいいだろうということで今の形になりました。僕らも1年に1時間を1本よりは、分割してコンスタントに制作できるほうがより濃いものにできると思ったんです。
「戦場にいる人間はすべからくどこか飛んだ人間じゃないと生き残れない」
数土
個人的に気になったのが、OP(オープニング)が入らないこと。OPなしにいきなり物語が始まるけれど、それがなんだか心地よく感じました。
松尾
そもそもつける気はなかったですね。ショートフィルムだと思えばOPがなくても違和感はないし、映画でもOPをつける作品とそうでない作品があるので。
数土
音楽の話題でいうと、作中で流れるジャズや50~60年代のオールディーズ風のポップスは全部オリジナルなんですよね
小形
漫画では既存曲を使っていますが、アニメでは菊地成孔さんによるオリジナルです。漫画でもジャズとポップスの対比があるのですが、そこに菊地さんの解釈も加えてもらって。
松尾
音楽は戦闘シーンにすごくマッチしています。テンポ感も含めて。
数土
イオがドラムスティックや足でリズムをとるシーンは作画が大変そうだなと思いました。
松尾
アイドルアニメのダンスシーンと比べれば、難しくはないんじゃないかな。ドラムスティックのほうはあらかじめ収録時にビデオに撮らせていただいて絵に起こしています。 これまでにもやってきたことをやっているだけなので、方法論として初めてのことではないですね。
数土
松尾監督は制作にプレスコを採用することで、音を作画より先に入れることで知られていますが、その経験が生きているということですね。
松尾
そう思います。他の現場のアフレコでも、スケジュールがキツくなると絵コンテでアフレコしていてそのあとに画面が完成するので、僕としてはプレスコでもそう違いはない気がしていて。加えて、声優は自分が演じるキャラクターのことを誰よりも考えているんです。監督も全体を均等に見ていかないといけないし、アニメーターも色々なキャラクターを描かないといけない。でも声優は違う。だからそういう人にキャラ作りを任せてしまったほうがいい結果が得られるかもしれないと思っています。
数土
具体的には、制作手順はどう変わるのでしょうか。
松尾
声を収録したあとにラフカッティングをして、それを基に作ったったタイムシートで絵を描いていきます。すると、作画するに当たってセリフが入った映像が先にあるので、シーンのテンポ感がクリアになってくる。いま手元にあるこの作画が良いのか悪いのか、こういうテンポの音楽が入るのではないかと考えた時にタイムシートのチェックが極めて楽になる方法です。
数土
プレスコだと作画がより大変なイメージがあったんですが、逆なんですね。
松尾
むしろ、ヒントがたくさんある状態。そのヒントを足がかりに作画することが可能になります。何もない状態でセリフ尺も決まっていなくて、それどころか役者もまだ……と想像を巡らせるよりもはるかにいい手段です、僕にとっては。
数土
松尾監督と小形プロデューサー、おふたりに伺いたいのが、イオとダリルをどんなキャラクターだと捉えていますか?
松尾
イオは色々なものを捨て去って「自分はこうしたいんだ」と己の意思がすごくハッキリしているキャラクターですね。だから周囲からすると無鉄砲な人に見えたり酷いことを平気でやる人間に見えるかもしれませんが、中途半端な気持ちで戦っている人間よりいいですね、極端な話だけれども。もし僕が上司としてパイロットを使うことになったら、普段は付き合いづらくても戦場に行って役立つ部下にガンダムを与えますね。
小形
それはありますね。最初はイオに感情移入できなくて、ダリルに肩入れしていたのですが漫画原作の太田垣康男先生と話してちょっと変わりました。「このサンダーボルト宙域は戦場であり、戦場にいる人間はすべからくどこか飛んだ人間じゃないと生き残れない」と聞いてから、なるほどなと。もう一つは、イオに中村悠一さんの声がついてから、悪役だけれども憎めないキャラクターになった気はします。
数土
ダリルはどこかいい人すぎる部分もありますよね。
松尾
だからこそギャップがあっていいんです。でもダリルは実はいい人ではないんですよ。みんなのためじゃなくて「自分の腕を切ってでもあいつに勝ちたい」が根底にあって、それまで見せなかった内側の顔が戦場であらわになっていく。
劇中音楽や音響効果は優れた音響環境で楽しんで欲しい
数土
このアニメの見どころはたくさんあると思いますが、特に注目してもらいたいポイントはありますか?
松尾
基本的にイオとダリルの2人の話で、大きな戦争の中でどう変わっていくのか。第1話、第2話、第3話、第4話と進むにつれ加熱していくので観終わるたび「次は一体どうなってしまうのだろう」と思ってもらえると嬉しいですね。最後まで観ると「ダリルってこういうキャラクターだったんだ」と驚きがあるはずです。
数土
映像的には、ほとんど手描きだと伺っています。最近だと珍しいと思いました。
松尾
コックピットはほとんどCGでした。が、キャラクターもメカも手描きで大変でした(笑)。格納庫で同じものがずらりと並んでいるようなシーンはCGでアタリをつけて、手描きでフィニッシュしています。1スタはメカが描ける人がたくさんいるし、『G-レコ』が終わった直後に『サンダーボルト』の制作が始まりエンジンがあったまっていたので非常に良かったです。
小形
作業しているのも、年配のベテラン勢が多いですよね。
松尾
第2話は年齢的にも若いお二方(キャラクター作画監督は玉川真吾さん、メカ作画監督は片山学さん)が作監をしていて、若い作監と、年齢と経験を重ねた作監だと良い意味での違いが楽しめると思います。15分単位で作るメリットでもありますよね。絵コンテも、第1話と第4話は僕ですが、第2話は寺岡厳さんが担当しているので、そういった目線からも味わっていただけるはず。
数土
最後に、配信をすでに視聴した方やこれからの方、みなさんに向けて何か伝えたいことがあればぜひお願いします。
小形
PlayStation™Videoを観てくださっている方は、ご自宅の大画面で視聴していると思います。スマートフォンで手軽に観ることもできますが、もちろん大画面でも楽しめるので隅々まで存分に『サンダーボルト』を堪能していただけると嬉しいです。
松尾
僕は逆で、視線移動のことを考えるとノートパソコンで観るくらいがちょうどいいかも、と思っています。密度の高い画面づくりをしているので、2回目や3回目に見る時は背景など細かい箇所もぜひ観てください。音響はスピーカーやヘッドフォンなど、いい環境で視聴してみて欲しいです。
小形
今回は劇伴(劇映画の伴奏音楽)じゃなくて、劇中に流れている音楽という設定です。普段より劇判の数は少ないですが、そのぶん空間音や効果音に注目して下さい。音がきっかけで理解が深まるシーンもたくさんあります。
松尾
連邦とジオンではSEが全然違うんですよ。連邦は未来的・近代的、ジオンのほうが古臭くて、エンジンでいうとガソリンとディーゼルくらい違う。音はそれくらい変化をつけています。絵と音の雰囲気が合わさって、連邦側とジオン側の違いがよりくっきりしているはず。
数土
大画面でも、スマートフォンやノートパソコンの画面でも楽しめて、すごく懐の深い作りだと思いました。音響については教えていただいて改めて気づいたので、ヘッドフォンをつけてもう一度楽しみたいです。今日はありがとうございました。

STAFF & CAST

原作:
矢立肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)
漫画原作・デザイン:
太田垣康男
監督・脚本:
松尾衡
アニメーションキャラクターデザイン:
高谷浩利
モビルスーツ原案:
大河原邦男
アニメーションメカニカルデザイン:
仲盛文、中谷誠一、カトキハジメ
美術監督:
中村豪希
色彩設計:
すずきたかこ
CGディレクター:
藤江智洋
モニターデザイン:
青木隆
撮影監督:
脇顯太朗
編集:
今井大介
音楽:
菊地成孔
音響監督:
木村絵理子
音響効果:
西村睦弘
制作:
サンライズ
イオ・フレミング:
中村悠一
ダリル・ローレンツ:
木村良平
クローディア・ペール:
行成とあ
カーラ・ミッチャム:
大原さやか
コーネリアス・カカ:
平川大輔
グラハム:
咲野俊介
バロウズ:
佐々木睦
J・J・セクストン:
土田大
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