
少年時代の夏休み何年か分を一気にひっくり返してみても、残念ながら“ぼくのなつやすみ”の主人公のように素敵な物語は見当たりません。ひと夏を北海道の牧場で過ごしたこともなければ、川を泳いで王冠を探したりした経験もありません。もちろん私にも、鮮明に覚えている夏の記憶はあります。来る日も来る日も水泳の特訓で飛び込まされた小学校のプールのにおい、林間学校で訪れた廃校の深緑の壁。そんな一つ一つの思い出を理想的なほどに美しく紡いでいけば、もしかしたら“ぼく”が過ごしたような夏になるかもしれません。そんなわけで“ぼくのなつやすみ3”は、ほっこりとした懐かしい気持ちを感じさせてくれるのです。