幼い頃の夏の記憶をひも解くと、本当にロクでもないことばかりしていた。
よその畑に植えられていた収穫間近の野菜を根こそぎ引っこ抜いて、農家のおじさんにぶん殴られたこと。
近所のラーメン店にロケット花火を打ち込んで、激怒した店主に追いかけられたこと。
その他にも、とてもここに書けないようなこともモロモロ…。
いわゆる悪ガキだった私には、思い出すたびにベッドに突っ伏して「あー」とか「うー」とか言ってジタバタしてしまうような、イヤ〜な思い出ばかりしか残っていない。
だから私は、「ぼくなつ」でできるだけ健全な夏休みを過ごす。
ボク君になりきって、野山を駆け回り、虫たちと遊びながらいろんな人と出会い、話す。
こんな日々が送れていたら、夏の思い出ももうちょっとマシなものだったに違いない。
「ぼくなつ」で遊ぶたびに感心するのは、子供の頃に感じていた「ワクワク感」を再現できているところ。
明日は何が起こるんだろう。きっと楽しいことがあるに違いない。
そんな思いを巡らせながら、絵日記をつけ、床につく。
そういえば、こんな感覚、オトナになってからはすっかりなくなっている。
先日、久しぶりに実家付近を訪れた。花火を打ち込んだラーメン店はコインパーキングになっていた。
畑があった場所には、タワーマンションが建つという。
日を追うごとに確実に薄れていく、あの頃の風景。
ロクでもない思い出ばかりだけど、なくなるとなると寂しいものだ。
古きよき昭和の記憶をつなぎとめるため、あの頃の「ワクワク感」を思い出すために、私はこれからも「ぼくなつ」で遊び続けていきたいと思う。






