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おめでとう『ワンダと巨像』 おめでとう『ワンダと巨像』
宮部みゆき氏/上田文人 対談 宮部みゆきが待ち望んだゲーム『ワンダと巨像』 ほかに似たもののない独自の作品世界で、熱烈なファンを集めたゲーム『ICO』。その魅力に取りつかれた一人に、作家・宮部みゆき氏がいた。作品世界にほれ込み、みずからノベライズした『ICO 霧の城』(講談社)は、読まれた方も多いだろう。そしてその『ICO』を創ったスタッフの最新作『ワンダと巨像』がついに発売された。これを記念し、雑誌「ダ・ヴィンチ」にて宮部みゆきとディレクター上田文人による対談が実現した。
『ICO』に通じる魅力と、新たに生み出されたもの
宮部 「これからプレイするのを楽しみにしているんですが、今回の『ワンダと巨像』は前作『ICO』の世界とつながっているんですか?」
上田 「確かに、そのように想像してもらってもいいなぁ、と思いながら創った部分はあります。でも、それがすべてではないんです。
我々は基本的に、『ICO』とはまったくの別物を創るつもりで取り組んできましたから」

「だからこそ、こんなにも寡黙なゲームなんですね」(宮部)
宮部 「それでも映像を見せていただくと、風や空、大地の雰囲気などが、やっぱり『ICO』と通ずるんですよね。
同じ一つの天体で繰り広げられている物語というか。きっと風の鳴る音も川のせせらぎも、同じ音色なのだろうなって」
上田 「なるほど。僕たちは意識していないんですが、自然と滲み出てしまうのかもしれないですね。
霧の処理とか、光の加減とかに・・・・・」
宮部 「『ICO』はそもそも、物語自体にいろんな解釈ができるゲームで、結論がひとつに決められていませんでした。
そこが何とも魅力的ですよね」

上田 「ゲームとはインタラクティブなものなので、ストーリーと自然に組み合わせることが難しいんです。
だからいっそ、解説的なものはどんどん省いてしまい、その代わりに雰囲気の演出で空間の密度を高めて、物語をプレイヤー自身に想像してもらおうと考えたんです。僕としては、物語よりもリアリティに感動してほしい」
宮部 「私、ゲームには冗舌なものと寡黙なものがあると思うんです。冗舌なゲームって、まず物語の土台を説明するのに大変なエネルギーを費やしている。
でも、『ICO』と『ワンダ』は、すごく寡黙ですよね」

上田 「そうですね。もともと僕はゲームでノンフィクションがやりたかったんです。物語を押し付けるのではなく、プログラムの相互作用みたいなもので。
勝手にストーリーが進んでいくような・・・・・。ゲームの中ではそれが現実なわけですから」

宮部 「私はどちらのタイプのゲームも好きですけど、自分が“小説にしたい!”と思うのは、やっぱり寡黙なゲームなんですよ。
冗舌なゲームはすでに十分語られているので、活字として遊べる余地がないから(笑)」
上田 「今回も、ワンダが倒そうとしている巨像が果たして悪なのかどうかすら、明確にはしていないんです。
プレイヤーそれぞれが物語に結論を出すことができるようにしたくて。これは『ICO』の時から変わらないスタンスですね」
宮部 「う〜ん、ますます楽しみ。早くやりたい! まずは、頑張って仕事終わらせなきゃ(笑)」
「プレイヤーそれぞれが、この物語の結論を出してほしい」(上田)

宮部みゆき
みやべ・みゆき/1960年、東京都生まれ。大のゲーム好きとしてもしられる作家。
著書に『模倣犯』『理由』『ブレイブストーリー』『誰か』など多数。


上田文人
うえだ・ふみと/1970年、兵庫県生まれ。『ICO』に続き『ワンダと巨像』で、ディレクター・ゲームデザイナー・アートディレクターとして参加。
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© 2005 Sony Computer Entertainment Inc.


ダ・ヴィンチ