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ついに本日リリースの『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』。プロデューサー兼ディレクター・吉田直樹氏にインタビュー!【特集第3回/電撃PS】

by 電撃PS編集部 2015/06/23

かつて一度は終わりかけた『FFXIV』というプロジェクトを立て直し、本作のプレイヤーのみならず広く世界に名を知られることとなった吉田直樹氏。紆余曲折をへていよいよ本作最初の拡張パッケージがリリースとなったこのタイミングで、あらためて今現在の想いと、これからの『FFXIV』の姿についてたずねてみました。


株式会社スクウェア・エニックス『ファイナルファンタジーXIV』
プロデューサー兼ディレクター
吉田直樹 氏




■『旧FFXIV』からの脱却と、新たな節目に向けての始動

『旧FFXIV』を引き継ぐことになったとき、僕はあらゆる情報の収集を行ないました。そこであらためてわかったことは、「みなさんの怒りの度合いがスゴイ」ということでした。それを踏まえて、海外のメディアの方々に「『旧FFXIV』は大失敗だったので、なんとかしようと思っています」と話すと、「自分たちの会社のプロジェクトを失敗と言う開発者は初めて見た」「こんなにオープンな開発者がスクウェア・エニックスにいるとは思わなかった」と、かなり驚かれたのが印象に残っています。こちらもビックリして、なぜそんなコメントをするのか聞き返したら、「スクウェア・エニックスは、高飛車で傲慢で情報を出さなくて、絶対に謝ったりしない」という印象を、多くのメディアさんが持っていたようで......(苦笑)。


そんななか、僕がざっくばらんに話したことで、ちゃんと話を聞いてくれたメディアの方々もたくさんいらっしゃいました。その結果、「『旧FFXIV』のことを忘れるわけではないが、そこまでの覚悟を持っているならこの先も公正に評価していこうと思う」と言ってもらえまして。結局のところ、「僕たちは、いいものを作ることでしかその声にお応えすることはできない」と開き直って開発に臨んだことが、『新生FFXIV』をある程度の成功に導いた一因なのかもしれません。


ただ、僕の場合は、わりと大きな節目......例えば『新生』が発売された時点で、『旧FFXIV』のことはもう過ぎたことなので特に感慨もなかったのが正直なところです。振り返って話してくださいと言われればいくらでもお話しすることはありますが、新しいことがはじまった時点で、気持ちを清算してしまいました。「そういうこともありましたが、その失敗を活かしつつやっています」というスタンスで物事を考えていかないと、新生以降のことにつまづいてしまいそうだからです。

経験として振り返るのはいいことですが、「あのときこうだったなぁ」とずっと引っ張ってもあまり意味がないですし、逆に「あのときは、こうしてよかったな」と思っても、今がよくなければ意味がないわけでして。経験として吸収するというのはとても大事なことですが、必要以上に過去を気にしたことはあまりないです。


ですので、「これまでを振り返ってみてどうですか?」と聞かれても、今現在の気持ちは「それよりアーリーアクセス直前なので、その心配事ばかりです」みたいな答えになっちゃいます(笑)。




■『新生エオルゼア』の開発・運営で得た経験の蓄積

経験という部分で言えば、今回発売される『蒼天のイシュガルド』の開発では、『新生エオルゼア』でのアップデートの積み重ねが大きく生きたと思います。そこで得た反省点なども多かった。

例えば、「大迷宮バハムート:侵攻編2」のギミックは、おもしろいとはいえやり過ぎだったよね、とか。ひとつひとつのギミックはとてもよく練られていたのですが、"石化テロ"という単語を生み出してしまうほどだったのは、ダメだろう、と。あれが4人ぐらいでワーワーとクリアできるレベルならよかったかもしれないですが、8人で、しかもボスの体力が5%になってからのビーム1発で全滅とかは、さすがに「ノーマルレイド」の難易度としては厳しい。これが最高難度である「零式」というなら許容できますが、さじ加減というのがとても難しかった時期です。

逆に、「邂逅編4」のようにモンスターが段階的に出現するバトルは、振り返ってみると、各ロールの役割がはっきりしていてよかったな、と。タンクを2人使った遊びで、しかもスイッチする以外の形で遊べていたので、もう一回ああいったバトルをやりたいという話もあります。こういった、ユーザーさんからの生の声をもとにした経験は、『蒼天のイシュガルド』を作っていくうえで非常に参考になった部分です。




■新しいコミュニケーションの形としての「PLL」

ゲームの開発だけではなく、開発チームとプレイヤーの皆さん、そしてプレイヤーの皆さん同士のコミュニケーションの場もつねに広げていきたいと思っています。その最たるものが、プロデューサーレターライブ(以下PLL)ですね。『旧FFXIV』を僕が担当するようになってメディアの方々からインタビューを受けるようになったときに、最初は「吉田って誰?」というところからスタートすることになりました。

まずは"ちゃんと面と向かって話す"ことを意識しました。言ったことに対して責任を持たなくてはいけない、という状況で発言をしたほうが信用を得やすいですし、それを見ている側に「どんな奴が何をしようとしているのか」ということをわかりやすくお伝えする必要もありました。

また、海外のPR手法のなかに開発者コメンタリーみたいなのがあります。とくに映画のBlu-ray™などのボーナストラックとして、実際に映画を流しながら脚本家や監督がこだわった部分にコメントする映像が入っていたりすることがあります。あれをストリーミングを使った生放送でやるとおもしろそうだし、リアルタイムに盛り上がれると考えました。生放送でそれをやるためには、内容を全部理解していないとできないので、難易度は高いです。ただ、こうして続いてきた結果を見ると、なんとか成功できたのかなと思っています。


......少し脇道にそれますが、昔のゲーム黎明期と違って、今はもう、ゲームというエンタメが、「だれにとっても新しい革新的な遊び」ではなくなりました。僕らの世代は生まれたときに音楽や映画はありましたが、TVゲームはまだ存在しなかった。だからこそ、ゲームというものにセンセーショナルな魅力があって、多くの人が熱狂した時代でした。一方、現在はもう、ゲームは音楽や映画といったほかのエンタメと同様、あって当たり前なものだと感じている人が多い。特に若い世代の方は、生まれながらにしてゲームが身近に存在しています。

最近よく「TVゲームは衰退に向かい始めた」なんてフレーズを耳にしますが、じつはそうじゃないと思っています。エンタメとしての格が上がって、一般的になった。音楽や映画などと並んである意味ありふれたものになったことで、お客様個人個人が、よいと感じるもの、好きなものをチョイスして楽しむようになりました。新しいエンタテインメントとして、爆発的に流行し、だれもが新しいものとして熱中した時代が過ぎ、エンタメとしての、選択肢のひとつという立場になりました。

音楽が好きだという人も、基本的には気に入ったアーティスト以外の音楽にはそこまでお金をかけないし、映画も、映画館に観に行く人は何でもかんでも観るのではなく、「これを観たい」という目的があって映画館へ行きます。ゲームも同じで、生活のなかでゲームをメインに置くかどうかが、まず人によって違って、さらにどのゲームを選ぶかがまた人によって異なってくる。昔は『ファイナルファンタジー』といえば流行として必ず手に取られてきたものが、今はそれさえも「選択肢のひとつ」となる時代になりました。


そんな成熟した市場で、より多くの人たちに自分たちが作ったものを遊んでもらうために、今の作り手側は、作っている側も遊んでいる側も一緒になって「誰もが楽しめる」形を作れるか、を模索していく必要がある。この考え方って、じつはSNSの運営に近いんです。

であるならば、開発者側とプレイヤー側がどちらも楽しめるコミュニケーションの場も提供できるんじゃないか......という考えで作られたのが「PLL」です。




■PLLやShere配信を含めた、『FFXIV』コミュニティの姿

PLLに関しても、この先はある程度柔軟に変化していかないと、いずれ飽きがくるのかな、という思いもあります。これが5年、6年と続いていくと、話の中身が先鋭化しすぎて、とことんまでプレイしている人でないと楽しめない内容になってしまう可能性もある。

ですので、少しずついろんなことをやって、新しい風を入れていきたいなと思っています。反面、「ファンフェスティバル」は大きなイベントとしてとことん趣向を凝らすことができるので、全世界のイベントと、日本の場合はF.A.T.E.(地方で開催される専用イベント)をこの先も続けていければいいな、と。

本当は、もう1段新しい何かを考えてみたいとは思うのですが、とにかくスケジュールがシビアで......。ざっと数えても、E3に始まり、アーリーアクセス、正式発売、Japan Expo、ChinaJoy、Gamescom、韓国版の正式サービス、PAX Prime、さらに新生してからの2周年、その後に東京ゲームショウがあり......そこから日本国内の地方F.A.T.E.を再開して、すぐあとに韓国でのG-Starが11月にあって......。目が回ります(笑)。あ、ちなみに直近のPLLは、「機工城アレキサンダー:零式」が解放される前(『蒼天のイシュガルド』開始4週間後)に1度実施する予定です。


これらのほかにも、現在、もっとゲーム内外をつなぐための連動性が高いアプリを開発中です。そのなかでエオルゼアの世界を離れても、フレンドやフリーカンパニー(任意で集まったグループ。いわゆるギルド)の人たちがLINEのように気軽なチャットをできるようにしたいとは考えています。

PlayStation®4でのShareも新しいコミュニケーションのひとつですよね。自分も10年くらい前には、ゲーマーとしてプレイしていたゲームのキャプチャー映像を、編集・アップロードして世界中の人に見てもらったりしていました。今の時代は、自分が本当に楽しんでいるものを手軽に配信できて、さも番組を作っているかのようにやっていける。すばらしくいい環境だと思います。それに、我々にとってもお金をかけずに「こんなに楽しいよ」と宣伝してもらえるわけですから、そういう面でもいい時代になったなと思っています(笑)。ですので、Share配信はぜひ積極的にやってほしいなと思います。

特に海外のプレイヤーさんだと、自分の顔をモニターに映しながらプレイされている方が多くて、非常におもしろい。開発ルームにはPS4™がつながれた大きなモニターがあって、メジャーアップデートが入るたびにShare配信を開発チームのみんなで見ているんですが、反応が本当におもしろくて(笑)。あんなに楽しそうにプレイしてもらえたら「これは幸せだよね」って、開発していてよかったなってすごく思います(笑)。開発者的にも、モチベーションを上げやすい時代になりました。ネットのコメントを見る時代から、配信でリアルな反応を見るというように、変化を感じてもいます。




■『FFXIV』の今後について

『蒼天のイシュガルド』がスタートしたばかりですが、じつは次の大型アップデートのパッチ3.1の作業も進んでいます。次の24人で挑んでいただく新たな大型コンテンツは、モックアップやボスモンスターの確認なども完了して、作り込みに入っています。さらに、新しい試みのリクエストもしてありますので、これからその企画の確認をしつつ、開発を進めていくところです。これからも新情報をお伝えしていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします!


プレイヤーの皆さんからすれば、アップデート間隔がこれまでより広がるのはツラいと思いますので、小分けのアップデートをお届けしつつ、開発チームも少し休息を取ったのち、またしっかりしたアップデートを実施していく予定です。

ただ、『蒼天のイシュガルド』は詰め込みすぎを反省しているので、1回ワークフローの全面見直しをかける予定です。開発チームの面々も休暇は必要なので、それぞれ1〜2週間は開発のことを考えなくていい期間を作りたいと思っています。幸いなことに、今回は2週間後・4週間後と段階的にコンテンツが開放されるということもあるので、その時間も考慮して、またじょじょにいつものペースに戻します。以降は、できるだけ今までのペースでのやりくりをしていくつもりです。ちなみに、グラフィックリソースは完成までの足が長いので、もうパッチ3.2の発注は終わっていたりするのですが......(笑)。



最後に、『FFXIV』で初めてMMORPGに触れた方にとっては、拡張パッケージというもの自体が初体験になると思います。"新作RPG1本ぶんぐらいの楽しみが入った『FFXIV』のシーズン2"と認識してもらえれば嬉しいですね。まったく新しい土地・イシュガルドでの光の戦士たちの冒険譚に、どっぷりハマってくださると幸いです。

また、PlayStation®3やPS4™をお持ちで『FFXIV』に触れたことのない皆さんは、いずれのプラットフォームでも、フリートライアルというレベル20まで遊べる無料の体験版が用意されています。ぜひそちらを体験してもらって「思ったより難しくないな」と感じてもらえたら嬉しいです。

『新生』だけならば3,000円を切った値段で楽しめますし、『蒼天のイシュガルド』がセットになったお得なパッケージも用意させていただきましたので、そちらもよろしくお願いいたします。

流行りに乗るように遊んでもらえれば、すぐ先輩たちに追いつけるような対策もたくさんしてあります。初めて『FFXIV』に触れる皆さんには、計り知れないボリュームの遊びが待っていますので、あらためて、この『ファイナルファンタジー』シリーズの最新作に触れていただけたら嬉しいです。




次回は正式リリースから約1週間後! 
イシュガルドの地をめぐる冒険の一部を、レポート形式でお届けいたします!



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前回までの特集記事はこちら

『FFXIV』初の拡張パッケージ『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』発売まで残り2週間! 特集スタート!【特集第1回】

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』アーリーアクセス直前! ジョブなどの新要素に迫る【特集第2回】

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