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【BitSummit 4th】初代PlayStation®時代を盛り上げた2人のキーパーソン・吉田修平&松浦雅也氏のインタビューをお届け!

by 電撃PS編集部 2016/07/19

7月9日(土)と10日(日)の2日間、京都・みやこめっせで開催された日本最大規模のインディーゲームイベント"BitSummit 4th"。本イベントのステージイベントでは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオプレジデントの吉田修平と、『パラッパラッパー』や『ウンジャマラミー』などを手掛けた七音社(NanaOn-Sha)代表の松浦雅也氏が登壇。黒川塾などのイベントを手掛ける黒川文雄氏による進行のもと、貴重なトークセッションを行なった。


初代PlayStation®のころ、吉田は『クラッシュ・バンディクー』のプロデューサー、松浦氏は『パラッパラッパー』のプロデューサーとして、ともにPlayStation®を盛り上げていた2人。クラッシュくんとパラッパくんで、プロモーションを一緒に行なっていたことも! そんな懐かしのエピソードのほか、今の時代のゲーム作りの難しさや、VRの可能性なども語られるステージとなっていた。

"BitSummit 4th"では、吉田修平のほか、豪華クリエイターがステージに登場し、イベントを盛り上げていた。"BitSummit 4th"のステージイベントの模様は、こちらの記事を参照してほしい。





よい意味でライバル的な関係だった『パラッパラッパー』と『クラッシュ・バンディクー』

吉田&松浦氏のステージ終了後、お2人のインタビューを実施。初代PlayStation®時代のことなどを、さらに詳しく伺ってみた。


──今回の"BitSummit 4th"の印象を教えてください。


松浦雅也氏(以下、敬称略)ざっとながめただけで、まだしっかりと会場を遊んで回ることはできていないのですが、昨年以上にイベントの全体的なクオリティが上がっていると感じました。


吉田修平:全体のタイトル数も増えているようですが、とくにVRのタイトルが昨年よりも増えているようですね。OculusのRiftやHTCのViveが発売になったということもあり、開発者が手に取りやすくなったという理由もあるのではないでしょうか。


──松浦さんはVRに興味があるようですが、ご自身でもVRのコンテンツを遊ばれているのでしょうか?


松浦:遊んでいますよ。ただ、会社でプレイするとイタズラする人がいるんですよ(笑)。


吉田:遊んでいるところの写真を撮られるんですよね(笑)。


松浦:変な音を立てて、おどかしてきたりもするんですよ(笑)。もうちょっと、落ち着いてプレイできる環境を作らないと......。


──VRならではのエピソードですね(笑)。VRを遊んでみて、よかったと思う部分を教えてください。


松浦:やっぱり没入感につきるのではないでしょうか。今までのコンテンツとはレベルが違うと思いました。


──昔の話になりますが、松浦さんが手掛けた『パラッパラッパー』が発売された当時、吉田さんと松浦さんはどのような関係だったのでしょうか?


吉田:結構、松浦さんを意識していましたよ。1996年12月に『クラッシュ・バンディクー』が発売されましたが、『パラッパラッパー』とは、ほぼ同時期の発売でした。『クラッシュ・バンディクー』はアメリカのライセンスを持ってくるということで、当初からソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が力を入れて推していたのですが、『パラッパラッパー』が「これはすごいぞ」と、口コミで徐々に盛り上がっていったんですよ。

結果的には両方とも売れたのですが、売上は『パラッパラッパー』のほうが多くて、かかわったマーケティングや営業の人たちが、本当にうれしそうでした。PlayStation®全体が盛り上がりよかったのですが、当時は売上で『パラッパラッパー』に負けたと思っていましたね。

そして次の『ウンジャマラミー』ですが、新しい試みや実験をしていたことで、開発期間が長くなって、なかなか出なかったんですよ。その間に『クラッシュ・バンディクー』は『2』『3』と、毎年発売していきました。松浦さんが「『クラッシュ・バンディクー』は『3』まで出ているのに、なぜ『パラッパラッパー』の続編は出ないんだと、よく言われるんです」とおっしゃっていたのを覚えています(笑)。当時はクラッシュくんとパラッパくんでプロモーションをしていたこともあって、私のなかではよい意味でライバルみたいに思っていました。


──松浦さんは『クラッシュ・バンディクー』に対して、どのような想いを抱かれていましたか?


松浦:ゲームとしての完成度はもちろんなのですが、『パラッパラッパー』ってゲームらしくないじゃないですか? そういう意味で『クラッシュ・バンディクー』は、かなりの王道。両極にあるような関係ですよね。

『クラッシュ・バンディクー』の楽曲を手掛けているMark Mothersbaugh(マーク・マザーズボー)は、私がすごく好きな"ディーヴォ"というバンドのリーダーなんです。高校生のときからあこがれていたミュージシャンが音楽を担当しているゲームがすぐ横にある......そのことがうらやましいけれど、ちょっとイヤだなって思ってました(笑)。


吉田:Markさんの曲は、メロディーが前面に出てこないリズムベースの音楽。それがとてもよかったのですが、『クラッシュ・バンディクー』はアクションゲームなので、もう少しチアフル(陽気)でアップテンポな音楽を、ボーナスステージなどに欲しかったんです。

だから日本版にだけ、そうした曲をリクエストして入れてもらったんですよ。でも何度お願いしても、そういう曲になってこなくて......。結果、なんとか明るい曲にしてもらいました。


松浦:そんな苦労があったんですね。それは聞いたことなかった話ですね(笑)。


──『パラッパラッパー』は非常にオリジナリティのあるゲームでした。今のインディーゲームも、クリエイティビティが勝負の要になりつつあると思います。そうした現状を、お二方はどのように見られているのでしょうか?


吉田:今はフローで消費されるようなゲームが多いということは感じています。


松浦:ステージイベントでも語ったのですが、フロー(流動)とストック(蓄積)というのは、以前、知人が日本のTV番組を指して言っていたことなんです。日本のTV番組はフロー度が高すぎて、蓄積性がまったくない。だから、ストックに変える番組を作らないと、価値がどんどん下がってしまうと。これはゲームにも当てはまるのではないかと思うんです。

もちろん、ゲームのほうが長時間遊ぶものが多いですし、TV番組とは全然違います。ただ、"答え"を早く出したいという気持ちが、ゲームに限らず日本全国には蔓延している。でもそうではなく、蓄積していけるような何かを続けていくことが大事なのではないでしょうか。


──蓄積していくゲームで、しっかり売れることが重要だということですね。


吉田:私も長い間、いろいろなデベロッパーやクリエイターをサポートしてきましたが、今でも"このゲームをサポートしてよかった"と思えるゲームは『ICO』や『ワンダと巨像』、『風ノ旅ビト』といったゲームですね。

作り手がものすごく伝えたいメッセージや、こういう体験を作りたいというものがあり、それを長い時間をかけて、考え抜いてゲームを作っている。そこに人数が多い場合や少ない場合がありますが、そういうものが人々の心にすごく長く残り、何年経ってもリメイクして新しくするたびに、新しいユーザーさんがこれはスゴイと言ってくださる。そんなゲームは本当に少ないと思いました。



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