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【TGS2016】PS VRが導くゲームの未来──SIE ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平インタビュー

by PS.Blogスタッフ 2016/09/18

20160918-tgs2016-yoshida-01.jpg「東京ゲームショウ2016」が開幕した9月15日(木)、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE) ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平によるメディアセッションが行なわれた。話に挙がったのは、アメリカ・ニューヨークでの「PlayStation®Meeting 2016」で発表された新型PlayStation®4および11月10日(木)発売のPlayStation®4 Pro、そして10月13日(木)に発売されるバーチャルリアリティ(VR)システムPlayStation®VR。中でもPS4®Proは、4K解像度、ハイダイナミックレンジ(HDR)映像技術に対応し、これまで以上に精緻で快適な映像表現を可能にするハイエンドモデルとして注目を集めている。PS4®Proによってゲーム体験はどのように変わるのか、その真価を聞いた。


◆小型・軽量化を実現した 新型「プレイステーション 4」(CUH-2000シリーズ)2016年9月より29,980円で発売

◆さらに進化した高品質なPS4®体験を提供する「プレイステーション 4 Pro」(CUH-7000シリーズ)発表


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4Kテレビがなくても大丈夫。PS4®ProならPS VRの体験も、さらにリッチに


──新型PS4®、PS4®Proの発表後、世界中から反響があったと思います。どのような手ごたえを感じていますか?


価格を下げ、コンパクトになった新型PS4®は、「これを待っていた!」という方も多かったと思います。特に日本は、今後発売されるソフトのラインナップが充実しています。ソフトのラインナップ拡充とハードのリフレッシュが同時にできるのは、非常に良い形です。ライセンシー各社様のおかげで、ソフトが充実したのはありがたいことです。

PS4®Proは、ニューヨークでの「PlayStation®Meeting 2016」にいらした方にはその真価が伝わったと思います。ただ、その一方で難しさも感じています。この発表会はライブ中継もありましたが、ストリーミング放送で見ても違いがわかりにくいのです。スペックだけでどれだけ美しい映像か想像できる方もいれば、そうでない方もいます。実際に見るとわかりますし、私自身SDRとHDRを切り替えるデモ映像を見た時には、ディテールが急にはっきり見えたので驚きました。

PS4®Proでは、PS VR体験もタイトルによってかなり向上します。PS VRのタイトルはPS4®に最適化して開発しているため、もちろんPS4®でも良い体験ができます。しかし、PS4®ProのGPUは2倍以上のパフォーマンスなので、レンダリングの解像度を上げたり、グラフィックスのエフェクトを追加したりできるのです。つまり、PS4®Proでプレイするとさらにきれいに見えるということ。4Kテレビをお持ちでない方でも、より高い品質でPS VRを楽しみたい方におすすめです。


──PS4®Pro発売時点で、その恩恵を受けられるPS VRタイトルはありますか?


PS VRの同時発売タイトルの中には、PS4®Proに対応しているものもあります。タイトルによって状況が違うので、はっきりと数を出すことはできませんけれど。ひとつ挙げるとしたら、PS VRの発売日に無料配信する『THE PLAYROOM VR』がそうです。PS4®でも十分楽しく遊べますが、PS4®Proだと映像がさらにきれいになります。

また、フルHDテレビでもフレームレートが安定したり、グラフィックスのフィーチャーを追加したりするゲームも出てきますので、4Kテレビがない方にもおすすめしたいですね。





ゲームらしいゲームだけでなく、癒し効果を得る映像も。PS VRに広がる仮想現実世界


──続いて、PS VRについてうかがいます。9月24日(土)からPS VRの追加予約が始まりますが、現時点での反響はいかがでしょう。


予約を受け付けるとすぐに売り切れ、供給が追いついていない状況です。とはいえ、製品すべてを予約に回しているわけではありません。発売当日でも、購入できる店舗があると思います。もちろん、製造数を増やす努力は常にしています。しばらくは買いにくい時期が続くかもしれませんが、需要に追いつきたいと考えています。

また、タイトルも充実していますよね。オフィスで『アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション』をプレイしていると、人が集まってきてみんなが「すごいすごい」と盛り上がります。コンサート会場にいる雰囲気が、非常に良く伝わってきますね。


──PS VRの同時発売タイトルのラインナップについてお聞かせください。


最終的なタイトルはまだわかっていません。SIEに関して言えば、想定していたタイトルが発売予定ですし、ライセンシー様のタイトルを含め年内に30タイトル以上が控えています。欧米でも優れたVRコンテンツがたくさん開発されているので、ローカライズや日本での発売形態の問題をクリアできれば、まだまだタイトルが増えると思います。


──ゲーム以外のコンテンツも増えたように感じます。


『2016 PlayStation Press Conference in Japan』では私も知らなかったものがたくさん発表され、驚いています。以前から、PS VRのビデオコンテンツは重要だと思っていました。リアルタイムで相互作用できるという体験はVRの大きな魅力ですが、ビデオコンテンツでも"そこにいる感覚"が得られます。しかも開発は比較的容易ですし、場合によってはライブストリームもできます。ゲームは時間をかけて作るので本数も限られますが、ビデオコンテンツはライブ感、スピード感を持って、常にアップデートできるのです。

しかも、VRのゲームコンテンツを楽しむためにPS VRを購入したお客さまにとっても、毎日使う動機にもなります。あるいは、購入した方以外の家族が使いたいと思う理由にもなるでしょう。アメリカを中心にパノラマのビデオコンテンツサービスが増えているので、そういった会社と協力してPS VRにも対応していきたいですね。同じコンテンツでもPS VRならさらにきれいに見られるなど、そういった環境づくりをしていきたいと思っています。

もちろん日本でも、たくさんのVR向けのビデオコンテンツが作られています。世の中のさまざまな企業が、VRを使ったプロモーション、コンテンツに投資され始めているのだと実感しました。


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──映像コンテンツの制作についても、SIEでサポートをしているのでしょうか。


技術的なサポートは、積極的に行なっています。パノラマビデオの撮影、編集にはさまざまなノウハウがあり、日進月歩の世界です。情報交換をしながら、デベロッパー、サービスプロバイダを増やしていきたいと考えています。そうすると全体的なクオリティが上がり、コストも下がるのではないかと思います。我々が資金を投資してビデオコンテンツを作るわけではありませんが、産業が発展するような技術的なサポートをしていきます。


──PS VR向けのアプリケーション「anywhere VR」も、癒しの映像を観ながらスマホの画面を操作できるユニークなアプローチですね。


まだ体験していませんが、狙いはよくわかります。VRの技術を、リラックスのために使うのはありだと思います。実際、痛みを伴う手術をした患者さんにVRの美しい映像を観てもらい、気を紛らわせるという取り組みもあるそうです。

私が体験したもので言えば、『The London Heist』(PS VR用ソフトウェア『PlayStation®VR WORLDS』の収録コンテンツ)。ロンドンのパブのシーンがあり、そこではゲーム内で葉巻を吸うことができるんです。クラシック音楽が流れる空間で葉巻を吸うと、もう体が椅子に沈み込むような心地よさ(笑)。オフィスなのに周りに人がいることも忘れて、とてもリラックスするんです。葉巻を吸っている気分になるだけで、とても気持ちよくなれるのですから不思議ですよね。


──その一方で、「東京ゲームショウ2016」ではゲームらしいゲームも多数出展されていました。中でも、『V!勇者のくせになまいきだR』は、とても面白いゲームでした。


もともと「勇者のくせになまいきだ」シリーズを復活させたいという思いが、我々の中にはありました。でも、なかなかいい機会がなくて......。そんな中、アクワイアさんが作ったVRデモを見て、一瞬で「これだ!」と思いました。


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このタイトルが面白いのは、テーブルトップゲームであるところ。神の視点で、ボードの上にゲームを展開できるんです。小さいキャラクターがいろいろと行動しているのを、眺めるだけでも楽しめます。そこに「勇者のくせになまいきだ。」ならではの食物連鎖の要素が加わり、さらに面白くなっています。PS VRのソフトラインナップを見ても、このように様子を眺めて楽しむものはありませんでした。ゲームとして深いものになれば面白くなると思いますし、私も期待しています。





数年後には誰もがVRを使う世界に。避けては通れない、新しいメディア


──PS VRに関する周辺機器についてもうかがいます。PlayStation®Moveが10月13日(木)にあらためて発売されますが、従来の製品との違いはあるのでしょうか。


ほとんど違いはありません。付属するケーブルの違いだけです。仕様を変えると、互換性の問題もありますからね。


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──FPS『Farpoint(仮)』を試遊しましたが、エイムコントローラーを使ってプレイするのがとても楽しいですね。こちらのコントローラーは発売されるのでしょうか。


積極的に検討中です。『Farpoint(仮)』は、私もいちばんのお気に入りタイトルです。エイムコントローラーを持ち、それが画面内で銃として表示されているのを見るだけでも盛り上がりますし、もちろんDUALSHOCK®4でも楽しめます。ひとりでも多くの方に体験していただきたいです。


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実は、DUALSHOCK®4はPS VRの秘密兵器ではないかと思うんです。トラッキングができて、VR空間にコントローラーを表示することもできます。VR空間に入った不安感を抑えるのにもいいんですよね。


──PlayStation®Cameraも小型化されました。カメラ同梱のPS VRも発売されますが、こちらの新型カメラがついてくるのでしょうか。


はい、新型カメラが同梱されます。スタンドも付き、使いやすくなっています。


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──PS VRでもSHARE機能は使えるのでしょうか。


はい、PS4®のゲームプレイと同様にストリームかキャプチャーが可能です。ただし、PS VRの場合、ストリームされる画像は、ヘッドセット側に表示されている映像ではなく、ソーシャルスクリーン機能でテレビモニターに表示されている映像になります。


──PS VRは開発者にとっても、さまざまな発見があるシステムだと聞きます。吉田さんとしてはどのような発見があったのか、開発者向けのヒントをお願いします。


『サマーレッスン』をプレイすると、みなさん感心しますよね。キャラクターのリアリティなど、バンダイナムコエンターテインメントさんの力量は非常に高いと感じます。ただ、キャラクターがこちらを見て、自分の動きに反応するという手法は、『サマーレッスン』のようなコミュニケーションを中心としたゲームでなくても応用できると思うんです。ユーザーの頭の動きによってどの方向を見ているのかが分かるので、そこに反応を返すとすごく面白い効果が生まれるのではないかと思っています。

あとは、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)ですね。普通のゲームではNPCがいても素通りしてしまいますが、PS VRでは本当にそこに人がいるように感じられるので、NPC同士の会話に聞き耳を立ててしまいます(笑)。つまり、作り込めば作り込むほど、じっくり楽しめるんですね。小さなスペースでも密度を上げれば、ユーザーさんにとても楽しんでもらえるようになります。

例えば、『サマーレッスン』と女子高生の人工知能「りんな」を融合させて、延々と会話ができる世界があると面白いと思いませんか? しかもその場限りの会話ではなく、自分が話したことを覚えていて「昨日はどうだった?」と聞いてくれると、さらに楽しくなるのではないかと思います。


──VRは新たな可能性があるシステムですが、その影響力の大きさから規制に向けて動こうとする人もいます。業界を盛り上げるために、どのような取り組みを考えていますか?


私がニュース番組に呼ばれた時、VRの問題点について質問をされたことがありました。「子どもがハマったら大変。帰ってこられない」と言われましたし、その懸念はもっともです。親御さんは、確かに心配ですよね。

VRは新しい道具ですので、我々も一緒に学びながらより良いことに使い、その良さをみなさんと享受するという世の中にしていきたいと思っています。

その一方で、VRに携わる私たちから言えるのは、VRは新しいメディアであり、数年経てば誰もが自然に使う技術だということです。決して避けては通れません。だからこそ、みなさんの心配を払拭できるよう、業界を挙げて取り組んでいかなければいけないですし、親御さんにも理解を深めてもらえるよう、体験会を設けるなどしていきたいですね。



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