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PS4™版『討鬼伝 極』のバトル調整と映像進化について2人のキーマンが語る!【特集第4回】

by 電撃PS編集部 2015/04/21

幻想的な和の世界観を舞台に、迫力ある戦いと熱い物語が楽しめるハンティングアクション『討鬼伝 極』。PlayStation®.Blogでは、シリーズ初となるPS4™版の発売に向けて、本作の魅力を全5回にわたってお送りしている。特集4回目は、本作のプロデューサーである森中隆氏と、ディレクターを務める関口和敏氏の対談をお届け。PlayStation®Vita版の評判やバランス調整について、PS4™版の見どころなどを余すところなく語っていただいた。


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前回までの記事はこちら

PS4™でもついに"鬼"討ち解禁! 『討鬼伝 極』大特集が開宴!【特集第1回】

PS4™の性能を生かしたPS4™ならではの『討鬼伝 極』とは!?【特集第2回】

PS4™版『討鬼伝 極』のグラフィック徹底踏査。驚きの結果に!【特集第3回】

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株式会社コーエーテクモゲームス
『討鬼伝 極』プロデューサー 森中 隆 氏


株式会社コーエーテクモゲームス
『討鬼伝 極』ディレクター 関口和敏 氏




■お題<壱> PS Vita版『極』の評判とPS4™版のバランス調整について

森中 隆氏(以下、敬称略):前作『討鬼伝』の続きの物語が描かれるというのもあって、新キャラを含めた物語に期待を寄せていただく声は大きかったですよね。実際、発売後は物語に感動したっていう声をたくさんいただけてうれしかったし、期待に応えられる内容をユーザーさんに提供できたと思っています。ただ、一方でゲームバランスについては厳しめな意見が......。

関口和敏氏(以下、敬称略):はい、ありました。アクションゲームが得意なみなさんからも「難しい」というより、「理不尽」や「1体の討伐に長く時間がかかってだれる」などの意見が多く寄せられました。

森中:そう。前作から続く部分ということで難易度の置き方が難しかった側面はあるけれど、開発チームが想定していた難易度が若干厳し過ぎた、というのが正直な感想ですね。

関口:発売から1カ月後に配信したVer.1.03では、1カ月の間にできることのなかで、とくに厳しい意見をいただいているところを中心に対応しました。シングルプレイでもある程度がんばれば、物語をクリアできる難易度を指針に、体力を調整したり攻撃後のスキを調整したり。ただ、難易度"極級"に関しては、エンドコンテンツとして長く楽しんでいただきたいというのと、期間的に厳しかったのもあり、あまり手が入れられませんでした。

森中:そこに関しては、今回のPS4™版で実感してもらえるんじゃないかな。物語クリア後に楽しむ、マルチプレイや"極級"にも踏み込んで、細かいところに調整を入れましたね。

関口:Ver.1.03のときは時間的な関係もあって、今求められているものに早急に対応するための調整というところがありました。今回はVer.1.03以降にも寄せられた意見も分析して、"鬼"の特定の行動、特定の攻撃など、全体的にすごく細かい部分に調整を入れられました。

森中:顕著なところでいえば、ミズチメ系の竜巻攻撃とかインカルラかな。

関口:そうですね。竜巻攻撃は数を減らしたり、追尾性能も少し落としていますし、インカルラだとバックステップ時に出る氷柱は、エフェクトが出てから攻撃が発生するまでの時間を少し調整しています。ほかに、広く見えるような形の攻撃範囲を狭めたりとかですね。

森中:PS Vita版の『極』をやり込んだ人なら気づくだろう、という調整が多めではあるものの、自分たちが手を入れたかった部分は網羅できたんじゃないかな、と。

関口:やり込んだ人はもちろんですが、PS4™版で初めてシリーズに触れる人や、PS Vita版の『極』をプレイしていない人も、手応えを感じつつ楽しく遊んでいただけるようになっています。

森中:実際にプレイしてそう感じてもらえると嬉しいです。

理不尽さを感じたと言われたインカルラの氷柱攻撃などに調整が入り、PS4™版発売以後はかなり戦いやすくなるようだ。




■お題<弐> PS4™版のココを見てほしい!

関口:やっぱりグラフィックに尽きますよね。細かいバランス調整もありますけど、そこはやり込んでいただいて初めて実感できる部分だと思いますし。

森中:PS4™版は、描画を完全に物理ベースレンダリングに変えたことで、テクスチャーの作りも全然違うものになりました。従来の旧世代機はいわばフェイクで、テクスチャーを本物らしく塗っていくのが王道の作り方だったんですけど、PS4™はすべて物理演算のレンダリングで作っていくのが基本になってるんですよ。だから、自然な光を再現するために、モデルのマテリアルからすべて作り直すことにしたよね。

関口:作り直しました。ただここにも難しいところがあって、物理的にするから美しい、とも限らなくて。

森中:そこ。

関口:PS Vita版を基にして、そこにPS4™用に調整したライティングを当てて物理的に表現すれば美しくなるか、といわれたらまた違って。自宅だと、いろりや窓の光で部屋の明るさを表現していますが、完全な物理にすると暗くなりすぎたりとか。

森中:リアルと演出の狭間がとても難しい。

関口:そうですね。最初に出したときは全体的に影が落ちすぎてのっぺりしたような感じになっちゃってて。物理的には正しいんですよ。ただ、これはちょっと違うのでは、という話になりました。そのためライティングは物理ベースで作りつつ、値を細かく調整しています。

森中:このあたりのノウハウをためていくのもひとつの課題だった。ただ、がんばった甲斐あって、リアルと美しさをある程度両立できたかなと。

関口:PS Vita版を遊んでいた人は、ひと目で「あ、きれいになったな」っていうのをわかってもらえると思います。なかでも水の表現は顕著で、PS Vitaの頃はテクスチャーに描いてるだけだったのでどうしても粗い感じに見えてしまうんですけど、PS4™版は自然な感じが出ていると思います。

森中:"雅"の領域とかは水と光の表現が豊かな戦場だから、ここで確認してもらえるとすぐに「ああ、PS4™だ」と感じていただけるはず。あと、細かい部分でいうと"鬼"の関節。例えば指の関節ですが、PS Vita版ではざっくりと作っていた部分だけど、PS4™版だと関節を増やして微妙に動かしています。関節が動くことでゲーム的には何も変わらないんですけど、見た目的にはPS4™版としてしっかり作り込んでいます。

関口:ある意味こだわりの部分になっちゃいますよね。「指が動いたからなんなんだ」っていわれると困っちゃうし(笑)。

森中:まあそうだね(笑)。

"鬼"の指の関節などを増やしている。ゲーム性には直接関係はないものの、こういった細かいところまでアップグレードされているのが、PS4™版の魅力でもある。


関口:表現に関しては、粒子のような表現もキレイになっていますし、テクスチャーの解像度が上がっているので、エフェクトもより細かくなっていますね。ミタマを構えている最中や"鬼祓い"のライティングなどもそうですし。エフェクトの光によるキャラクターの陰影とか。細かいところまで突っ込んでいくと「あ、こんなのが追加されてるんだ」「こんなのが増えてるんだ」というのを気づいてもらえると思います。

森中:テレビの大画面で"鬼"との迫力ある戦いが楽しめる、というのがPS4™版の醍醐味だし、そこをしっかり味わってもらえればな、と。

関口:PS Vita版と比べると空気感がすごくて臨場感もかなり増していますので、「オレはこの世界にモノノフとして降り立った!」というところをより強く感じてもらえると嬉しいですよね。

森中:嬉しいよね。

"鬼"を斬った際のエフェクトも、太刀筋が出るだけでなく、細かい粒子が弾けるようなエフェクトなどが美しく表現されている。PS4™版では、普通にプレイしていると気がつかないレベルでもこだわりが満載だ。




■お題<参> PS4™での開発のなかで感じたこと

森中:自由度が高いよね。現行のフラグシップのゲーム機だから、できることがすごく多いし、表現力も高い。すべてを作っていこうとするとキリがなくなるから、何に絞って作って行くかを決めてメリハリを付けるのが非常に大事だなって痛感したかな。

関口:僕は単純にキレイだな、って(笑)。それは置いておくにしても、できることが本当に多いですね。PS4™前提で作り始めるのと、今回のようにあとから移植するのとではできることに雲泥の差があるので、もし次回作の機会があるなら視野に入れていきたいです。

森中:そうだね。時間があれば、もっとやりたいことが本当にいっぱいあった。例えばIKの技術で地面と身体の設置を自然に補完するとか、物が壊れ落ちるような表現とか。『極』に関してはPS VitaやPSP®「プレイステーション・ポータブル」とのマルチプラットフォームだから、どうしてもそっちに引っ張られる部分はあるんだけど。

関口:今いったようなレベルのことをやろうとすると、たぶん新しい仕様も追加できますよね。アクション的にも表現的にも。今後次第ではありますが、今はいろいろと夢を膨らませている段階です。




■お題<四> PS Vita版の『極』発売からPS4™版まで、バランス調整以外にどんな仕事を?

森中:去年から今年にかけては海外用の各言語対応と、PS4™版のグラフィックの作業が中心です。海外はプロモーションで台湾や中国、アメリカを回り、言語も日本版のあとに英語やハングルなど4言語を作って。言語対応とPS4™への移植をすべて同じチームで対応していたから、非常に忙しい状態でした。

関口:いっぱいいっぱいでした(笑)。PS4™版はPS4™向けにリソースから作り直す必要がありましたし、単純に解像度を上げました、というだけにはしたくなかったので、いろいろと手を加えましたし。会社のなかに描画用のライブラリーがあるので0から作るよりはラクに移植できると思うのですが、それでも異例のスケジュールでの作業で。

森中:PS4™版の開発に動き出したのは、PS Vita版のパッチを当ててからで、日本よりも先に発売される北米欧州用PS4™版のマスターアップまでが本格的な開発期間だったので、実質開発を動かしたのは3カ月ぐらいかな? CGリソースはもう少し早めに動かしてたし、自社のライブラリーのおかげもあって、迅速な作業はできたけど......。

関口:それでもいろいろ大変なことはありましたね(笑)。

森中:物量自体がすごかったからね。PS4™で作るからにはPS4™のクオリティでしっかりしたものを出したかったし。社内や海外支社の開発チームも使って一気に動かして作り上げました。

関口:環境があったとはいえ、よくできあがったなと我ながら思いますよ(笑)。日本版はもうすぐですが、先にリリースした北米欧州版のユーザーさんからは比較的いい声が寄せられてほっとしてますし。

森中:欧米では前作のPS Vita版はあんまり注目してもらえなかったもんね。当時の欧米メディアさんから聞こえた声も、「据え置き機で作らないのか?」というのが多くて。欧米メディアにとって本当に携帯ゲーム機はメインストリームじゃないんだな、っていうのを実感しましたよ。PS4™版は欧米で戦えるように作っていこう、というのもスタートとしてありましたし、実際反応もかなり違っていたので、やっと欧米市場の土俵に上がれたかな、と。

関口:注目度は、PS4™版のほうがはるかに高かったですよね。ただ、寄せられた声のなかに「次回出すときもPS Vitaで出してくれますか?」っていうのがあったのも印象的で。

森中:日本と比較して、向こうはメジャーな層が据え置き機で遊んで、マイナーな層が携帯ゲーム機で遊ぶ、って印象で。今の日本とは逆なんですよね。。




■お題<五> お互いのことを、ひとことで言うと?

森中:難しいな~(笑)。長く一緒に仕事しすぎて、そういう印象も感じなくなっているのは確かなんだけど。

関口:自分は『真・三國無双3』の頃に入社したので、森中はだいぶ先輩なんですよね。当時からメインプログラマーなどをやっていて、言うなれば"ほぼ非の打ち所のない上司"ですって言っとかないと。

森中:言っといて言っといて(笑)。

関口:鋭いですよね、やっぱり。僕は割と感覚で仕事をするタイプなのですが、それでできたものを見て、森中は理詰めで「ここ抜けてるよ」っていうのを必ず指摘してくれるので、頼りにしています。頼りにし過ぎて怒られることもありますけど(笑)。

森中:関口は侍系というか。割とストイックに作るんですよ。何も言わずに「あ、実はこんなことやってたのね」っていうのがよくあって、よく考えてるなぁ、と。いろいろと隠し持っていて、懐の刀でズバッと来るのが痛いやつ。"ストイックな侍"です、ほんと。




■お題<六> PS4™版を待っている方にメッセージを!

森中:「討鬼伝」シリーズはこれまで携帯ハード向けに作ってきましたけので、聞いたことあるけどどんなゲームか知らないっていう人や、携帯ゲーム機を持ってなかったから触れる機会もなかったという人もいると思います。「体験版」も用意していますので、ぜひ一度遊んでいただいて「討鬼伝」ってこういう世界なんだというのを感じていただければと思います。損はさせませんので、ぜひプレイしてみてください。

関口:グラフィックから内容まで『討鬼伝 極』としての集大成で、我々としてもひとつの山の頂上に登ったと思っているのが本作です。「討鬼伝」シリーズとしても、そして『極』としてもひとつの集大成かつターニングポイントになっていると思いますので、ぜひプレイしていただきたいです。




次回更新は『討鬼伝 極』の発売日である4月23日(木)を予定。まだまだ入手は間に合う、初回封入特典のミタマ「杉文」のスキルの紹介や、ゲーム内容の総おさらいをお届けします。


『討鬼伝 極』公式サイトはこちら


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