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【E3 2017】ユーザーがゲームの遊び方を決める時代の到来──SIE WWS プレジデント吉田修平インタビュー

by PS.Blogスタッフ 2017/06/15

米国・ロサンゼルスにて、現地時間6月12日(月)に開催した「PlayStation® E3 Media Showcase」。数々の最新情報が発表され、PlayStation®への期待はさらに高まることとなった。ゲームとゲームユーザーを取り巻く環境が変化しているこの時代に、PlayStation®はどんなエンタテインメントを提供していくのか。「Electronic Entertainment Expo 2017(E3 2017)」において、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE) ワールドワイド・スタジオ(WWS) プレジデント吉田修平が語る。


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ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ワールドワイド・スタジオ プレジデント
吉田修平



2017年はソフトウェアの年。SIEタイトルの充実が顕著に

――まずは、「PlayStation® E3 Media Showcase」を終えての手応えを聞かせてください。

我々のスタジオから出すコンテンツは事前に知っていましたので、みなさんにいい発表ができたと思っています。ただ、演出については知らなかったので、私も驚くことが多かったです。滝が流れたり、人が降りてきたり、大きな爆発が起こったり。ショーとしての見せ方がすばらしかったですし、会場のみなさんにも楽しんでいただけたのではないでしょうか。



――今年はゲームタイトルの紹介に特化した内容になりました。2016年にPlayStation®VRとPlayStation®4 Proを発売してハードウェア環境が整い、続く2017年はソフトウェアの年という位置付けになるのでしょうか。

そのとおりです。昨年はハードの導入で忙しい年でしたが、今年はゲームに集中します。ビジネス的なプレゼンテーションもありませんでしたし、従来の「Press Conference」という名称から「Media Showcase」に変えているのもそのためです。



――数々の注目作が発表される中で、SIEタイトルの数が多いことが印象的でした。

PS4®のローンチタイトル以降、各開発チームが時間をかけて取り組んできたタイトルが揃ってきた結果です。彼らはPS4®世代に向けた野心的な内容で、これまでできなかったことを実現しようと作ってきました。昨年は『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』や『Horizon Zero Dawn』『人喰いの大鷲トリコ』など、今年は『New みんなのGOLF』や『グランツーリスモSPORT』、来年には『GOD OF WAR』まで、こういったタイトルの充実が発表内容にも表れたのだと思います。

我々はPlayStation®でしか遊べないタイトルを作っていますので、プラットフォームの顔になるようなフィーチャーをしてもらったと思いますし、そうしたメッセージをユーザーのみなさんに伝えられたのではないでしょうか。



ゲーム分野以外にもPS VRを使った表現が拡大

――PS VRの新作も発表され、会場の反響は大きなものでした。今後もたくさんのVRゲームが登場するかと思いますが、ゲーム以外の分野への取り組みも行なわれていくのでしょうか。

現状でも積極的にサポートしていて、私自身、とても楽しく見ています。ゲーム以外の取り組みでは、YouTubeやLittlstar VR Cinemaなどでパノラマビデオの配信が行なわれている中、ゲームの技術を使ったエンタテインメントコンテンツも増えてきました。

海外の人気アーティストを使った「ザ・チェインスモーカーズ 『Paris』 VRミュージックビデオ」は、従来のミュージックビデオとは違い、視聴中にシーンの分岐があるなどインタラクティブ性を楽しめます。また、『傷物語VR』はアニメの2Dコンテンツを活かしつつ、VRの技術を使った新しい表現をしています。

今後はパノラマビデオのコンテンツがどんどん増えていくでしょうし、それ以外にも映画やアニメの製作者、あるいは音楽アーティストなどの方々が、ゲームの技術を使った新しい表現をしていくと思います。テレビ番組でも、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントのテレビドラマシリーズ『ブレイキング・バッド』のチームが、PS VR向けのコンテンツを作るという話が出ています。さまざまな可能性が広がっているので、とても楽しみです。



勢いを増すインディータイトルとその課題

――PS4®は多くのインディータイトルを遊べるようになっています。デベロッパーの参入が拡大した今、この勢いをどのように感じていますか?

インディータイトルが増えることによる課題もあります。インディータイトルはほぼ毎週のようにリリースされているのが現状で、モバイル市場などではタイトルがたくさんありすぎて、いつ発売されたのかわからないものもあります。PlayStation®フォーマットはそこまでの状況にはなっていませんが、良質のインディータイトルを、いかにユーザーさんに認知していただくかは課題です。

数が増えるのはいいことですが、良いタイトルが出ていることをユーザーさんに知られずに終わってしまうのは非常にもったいない。ユーザーさんにとっても、お手頃な価格で大作のタイトルとはまた違った新しい体験を楽しめるものなので、しっかりと知ってもらえるようにしていきたいです。


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新規IPが生み出される土壌とは?

――欧米のゲーム会社が完全新規IPを積極的に出しているのに対し、日本ではシリーズ作品の続編や過去作のリマスター化が多いように感じます。こうした違いは、欧米と日本のユーザーとでニーズが異なるからなのでしょうか。

SIEは元々、新しいIPを積極的に作っていこうとする会社です。もちろん、人気のシリーズはありますし、ユーザーさんに喜ばれるアイデアを開発チームがまだまだ持っている場合は、シリーズものも作っています。そうした中で、できるだけ新規IPを出していこうとしていますし、シリーズものとのバランスはいつも意識しています。今年も『Horizon Zero Dawn』のように完成度の高い新規IPを出すことができて、来年も『Days Gone』をはじめとした新作が揃っているので、我々の取り組みはみなさんに感じていただけているのではと思います。

人気のシリーズ作品を続けるのも、ユーザーさんから期待されていることではありますが、シリーズものだけやっていると新しいIPを出せませんし、クリエイターも疲れてしまいます。多くのクリエイターは、フレッシュなアイデアに取り組みたいと思っているので、例えば『Horizon Zero Dawn』も、長い間「KILLZONE」を作り続けていたGuerrilla Gamesスタッフの、新しいものを作りたいという欲求があったからこそ生まれたゲームだと思います。

ですから今後も、チームやIPごとの状況を見ながら何を作るか決めていきたいと思いますし、そこに日本と欧米で違うアプローチをしているということはありません。



単なるリメイクではない、今の時代のユーザーに合わせた再発見

――シリーズものではありませんが、『ワンダと巨像』がPS4®で発売されることが発表されたとき、会場の反応はとても好意的だったように思います。

どういう反応になるか少し心配していましたが、いい感触で受け入れられてよかったです。Blue Pointという会社が作っているのですが、PlayStation®3のHDリマスター版も担当していたので、スタッフはゲーム内容を知り尽くしています。彼らとJAPAN StudioでPS4®世代の技術を使い、まるで新作のように、それでいてゲームはオリジナルに忠実に再現するという姿勢で作っています。

『Wipeout Omega Collection』も同じで、今PS4®で真剣にリマスターすると、オリジナル時代に好きだった方が新鮮な気持ちで楽しめるものができます。私が関わった『クラッシュ・バンティクー』も、『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』としてリメイクされますが、デキはものすごくいいです。ゲーム性やテイストはオリジナルに忠実でありながら、難しすぎた部分を少し易しくするなど、遊びやすく変えた部分もあります。これは新しい時代のユーザーに「クラッシュ」のよさを知ってもらううえで、一番いい方法だと思っています。



――"リマスター"や"リメイク"いう言葉は、焼き直しという意味で捉えられかねないので、新しい時代のユーザーに合ったポジティブな提供方法として、別の表現があるといいのかもしれません。

そのとおりです。じつは、昨日も『ワンダと巨像』の発表では"リマスター"という言葉は使っていません。過去にプレイした方が「昔たくさん遊んだし、もういいや」と感じないように、新作として捉えていただけるようなアプローチをしています。


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ユーザーが遊び方を作る、これからのゲームプレイスタイル

――近年のゲームはオープンワールドやサンドボックスがトレンドです。クリエイターの視点では、ハードの性能が上がってできることが増えたことになる一方で、ユーザー視点では、ルールに縛られない自由に遊べるゲームが増えたとも言えます。こうした環境を作っていることも、PS4®の魅力になっているのではないでしょうか。

今のユーザーさんには2通りあって、ゲームをプレイするユーザーさんのほかに、ライブストリームを見て楽しむユーザーさんがいます。オープンワールドやサンドボックスのゲームは、プレイするたびに内容が違うので、面白い配信にしやすいのだと思います。配信するコンテンツを作る方たちにとっては、扱いやすいツールになっているのでしょう。

ですから、PS4®世代のユーザーさんは、「面倒なルールはいらない。勝手に遊ばせて!」という思いが大きくなっているでしょうし、その配信を見て楽しむ方も増えています。今のゲームは世界観の作り込みがすごいので、あえてバトルやミッションをプレイしなくても、その世界に何となく入って、ちょっとブラブラするだけで気持ちよく楽しめます。



――これまでは、エンディングを迎えるために攻略を頑張るようなプレイスタイルが当たり前でした。今後はゲームとの関わり方自体が変わって、モニターに映したゲーム画面を眺めて、気が向いたらプレイに参加するような形も増えるかもしれませんね。

そう思います。リニア(直線的)なチャレンジだけでなく、ほかのユーザーさんとのコミュニケーションツールになったり、オートプレイを眺めて楽しんだり、いろいろな楽しみ方ができると思います。

例えば、北米で配信されている『Everything』(※)というインディータイトルがあります。これはゲーム内のオブジェクトすべて、宇宙規模の大きさから原子レベルの小ささまで、乗り移ることができるという、ぶっ飛んだ発想の作品です。自分でプレイするほか、AIによるオートプレイモードがあり、見たことのない世界が次々と映し出されて面白いですよ。しかも、この映像が、ある映画祭のショートフィルム部門にノミネートされたことがあります。ゲームのオートプレイの様子が、ひとつの映像作品として評価されたのです。この『Everything』のように、眺めているだけでも楽しめるゲームは、これからどんどん増えていくと思います。

※『Everything』は、ゲームクリエイターのDavid OReilly氏によるAI主導のシミュレーションゲーム。目標となるミッションやスコアはなく、動植物から惑星に至るまで、目に見えるものすべてをインタラクティブに操り世界を探索できる。現在は海外(北米)版のみ。



――近年、新しいゲーム性を生み出すのはもう限界だ、などと言われることもありますが、ユーザー視点ではジャンルが何かは関係なく、ゲームとの自由で新しい付き合い方ができつつあるのかもしれません。

どうやって遊ぶかを、ユーザーさんに委ねて大丈夫な時代になってきていますし、そういう自由度のあるゲームを求めていると思います。そのゲームをプレイして楽しむユーザーと、配信を見て楽しむユーザーさんをつなぐ、ツールのような役割にもなっていくでしょう。

『Everything』以外にも、これまでの枠組みにない面白いゲームがたくさんあるので、みなさんにご紹介していく機会を作れるといいですね。



――それでは最後に、PlayStation®ユーザーに向けてメッセージをお願いします。

PS4®は今年の頭から大作・新作ラッシュです。『バイオハザード7』や『仁王』『NieR:Automata』、SIEの『GRAVITY DAZE 2』や『Horizon Zero Dawn』など、遊びきれないような状況になっています。今後も『New みんなのGOLF』や『グランツーリスモSPORT』『アンチャーテッド 古代神の秘宝』、来年には『GOD OF WAR』といった期待作が出てきます。まだPS4®をお持ちでない方は、この機会にぜひご検討ください。

また、PS VRも今後は日本でも手に入りやすくなっていきます。気になっていた方は、こちらもご検討いただければと思います。


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