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『喧嘩番長 乙女』をヒットに導いた乙女ディレクターの本気とプロデューサーの悶絶を聞く【特集第2回】

by PS.Blogスタッフ 2017/07/11

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業界がザワついた『喧嘩番長 乙女』 拳で愛を語り合う、甘いだけじゃない乙女ゲームを振り返る!

7月27日(木)、あのヤンキーたちが帰ってくる!

PlayStation®Vita用ソフトウェア『喧嘩番長 乙女~完全無欠のマイハニー~』は、スパイク・チュンソフト×レッド・エンタテインメントが贈る『喧嘩番長 乙女』のファンディスクだ。

5編のアフター・ラブストーリー、オールキャラによる新エピソード、TVアニメ『喧嘩番長 乙女 -Girl Beats Boys-』第1話が収録されている。

そもそも『喧嘩番長 乙女』とは、一途に硬派路線を突き進んできた「喧嘩番長」シリーズの異色作。スパイク・チュンソフト初の乙女ゲームとして、各方面で大きな注目を集めたヒット作だ。

女性主人公を操作して男性キャラを攻略する乙女ゲームでありながら、「拳で愛を語り合う」という異例のコンセプトも話題に。ヤンキーたちの喧嘩に力が入りすぎていたり、恋愛エンドだけでなく友情エンドも用意されていたりと型破りの展開が待ち受けていた。



そんな問題作を生み出したクリエイターは、一体何を考えていたのか。

「喧嘩番長」シリーズのプロデューサー・渡辺一弘さん、企画を立案したディレクター・伊東愛さんの対談で、制作秘話、ファンディスクの見どころを明らかにする!

プロデューサー悶絶! 「喧嘩番長」がまさかの乙女ゲームに!


――まずは『喧嘩番長 乙女』のお話からうかがいます。「喧嘩番長」シリーズに乙女ゲームが登場するということで、発表当時から大きな話題を呼びましたが、この作品が誕生した経緯を教えてください。


渡辺:実はこれ、伊東さんの持ち込み企画なんです。僕としては「喧嘩番長」を乙女ゲームにするなんて発想は一切ありませんでした。

何年も前から、伊東さんがことあるごとに社長の櫻井(光俊氏。スパイク・チュンソフト代表取締役社長)に「『喧嘩番長』で乙女ゲーをやりましょう!」と言い続けていたらしいんですよね。

で、知らないうちに企画書が送られてきて、「マジ......?」って感じでした。


伊東:絶句してましたよね(笑)。


渡辺:会議室で、頭を抱えて何も言えませんでした。


――伊東さんはなぜ、『喧嘩番長 乙女』を作りたいと思ったのでしょう。


伊東:もともと乙女ゲームを作っていましたが、ちょっと変わったものに挑戦したくて。

第一にヤンキーもの。第二に、恋愛だけじゃなくて男の子たちのキャッキャした輪に自分も入れるようなもの。最後に、当時主流だったノベル形式ではなくてゲーム性のあるもの。

ちょうど『喧嘩番長3 ~全国制覇~』をプレイしていて、「このシステム面白い! これを使ったゲームを作りたい!」と思ってたんです。

櫻井さんとはパーティーなどでお会いする機会もあるので、そのたびに「『喧嘩番長 乙女』をやらせてください!」と直訴していました。

最初は本気だと思われていませんでしたが、2年ぐらい言い続けていたらようやく本気だと伝わったようで、企画書を提出することになりました。


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――渡辺さんと伊東さんは、以前から面識があったのでしょうか。


渡辺:いえ、なかったですね。


伊東:初めてお会いした時、ちょうど渡辺さんが骨折してたんですよね。「やっぱり『喧嘩番長』のプロデューサーってホントに喧嘩するんだ!? 超怖い!」って思いました(笑)。

「この人に乙女ゲームを提案するのか......」って。


渡辺:別に喧嘩で骨折してたわけじゃないけどね(笑)。


――で、企画を提案したところ絶句された......と。でも、実際にこうして製品版も発売されているわけですから、企画にGOサインを出したわけですよね。


渡辺:そうですね......。ただ、すごく時間がかかりました。4月に企画書を見て、12月に開発がスタートしたのかな。


――それまで何をしていたんですか?


渡辺:悶絶してましたよ(笑)。ホントにやるのか......、と。

もともと僕も、過去に乙女ゲームを作ろうと思っていたことがあったので、乙女ゲームというジャンル自体にはまったく抵抗がありませんでした。でも、タイトル名に「喧嘩番長」を使いたくなかったんです。

ずっと男性に向けて作ってきたシリーズですから、それを乙女ゲームに使うのは無理があると思っていて......。

「この名前を使わないでなんとか作れない?」

「いや『喧嘩番長』じゃないとダメです!」

というやりとりを伊東さんと何度もしました。自分の中で消化するのに、6ヵ月かかったんです。


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――『喧嘩番長 乙女』にGOサインを出そうと思ったきっかけは?


渡辺:「伊東さん、本気だな。これは曲がらないな」と思いましたし、女性向けゲームにチャレンジしたいという気持ちは確かにあったので。


伊東:こちらも企画書だけでOKを出していただくのは難しいと感じたので、周りを固めたんですよね。

白泉社さんのコミック連載を取り付けてきて、ゲームを発売する前にキャラクターソングCDも出します、と。ファンディスクも見越して、パブリシティも含めた全体の展開プランをプレゼンしました。


――アニメ化も当初から視野に入れていたのでしょうか。


渡辺:アニメ化は、本当はもっと後の目標でしたね。まぁ、アニメにしても、今回のファンディスクにしても、本編がユーザーの皆さんに受け入れてもらえなければ成立しませんし。

でも、「これだけの展開を考えていますよ」と、熱意も伝わったので企画がスタートしました。


伊東:渡辺さん包囲網みたいな感じでした(笑)。でも、渡辺さんは少女漫画も好きだということだったので、「『花とゆめ』ですか!?」ってテンション上がってましたよね(笑)。


――先ほど「もともと女性向けゲームを作りたかった」というお話がありましたが、その点についても詳しく聞かせてください。


渡辺:女性向けに参入しようと思い、過去に企画を詰めたこともあったんです。

でも、その時はスパイク・チュンソフトとして作る意味が見いだせなくて頓挫していました。その点、『喧嘩番長 乙女』はウチじゃないとできません。

ウチの女性向けゲーム第一弾として、ちゃんと意味があるタイトルです。まあ、繰り返しになりますが「喧嘩番長」じゃなくてもいいんじゃないかと当初は思っていましたが(笑)。


伊東:ある時、渡辺さんから「本当は『ダンガンロンパ』がよかったんでしょ?」みたいなことを言われて、「ふざけんな!」と(笑)。「『喧嘩番長』じゃないと意味ないんです!」と返しました。私はシメたいんですよ、学校を!


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――結果的に、スパイク・チュンソフト初の乙女ゲームになりました。


渡辺:僕自身『喧嘩番長 乙女』という6文字を見た時には、とてつもない驚きと、とてつもない違和感がありました。発表した時も、みなさん同じような印象を受けられたと思います。

でも、ウチが女性向け業界に入っていく最初のタイトルとしては、確かにインパクトも大きくてよかったと思います。今思えば、参入する時の名刺代わりにはちょうど良かったなと。


――以前からのシリーズファンの反応は?


渡辺:それこそ「ふざけんな!」って感じでしたよ。そりゃそうです(笑)。あと、最初は「喧嘩番長」のシステムを使ったスケ番ゲームだと思った方もいっぱいいたようです。

でも、わけのわからないことをやってるぞと伝わったので、広く認知はされたと思います。


――逆に、乙女ゲームファンの反応はいかがでしたか?


渡辺:伊東さんは過去にも乙女ゲームを作ってますから、「伊東さんがより変な方向に進んだな」と思われたようです(笑)。


伊東:私の中では「すごく面白い!」って思っていたんですけど、女性の方々がついてきてくださるかは全くわかりませんでした。

ただ守られるだけの主人公ではなく、男子よりも強いキャラクターに


――伊東さんがヤンキーものをやりたいと思ったのは、なぜでしょう。


渡辺:元ヤンなんでしょ?


伊東:違います!(笑)。もともと乙女ゲームが大好きで、たくさんプレイしました。

でも、大体は彼を思いやるような選択肢を選べば好感度が上がる。そうではなく、拳で決着をつけるようなゲームを作りたかったんです。


――少年漫画の影響があったのでしょうか。


伊東:兄がいたので、ヤンキー漫画は読んでいました。でも、特別に好きという感じでもなかったです。


渡辺:伊東さんが好きなヤンキー漫画って、ちょっと古いんだよね(笑)。


伊東:主人公がクラスをシメた時に、クラスメイトは呼び捨てではなく「ひかる君」と呼ぶんです。「そこはマー坊くん(『特攻の拓』の登場人物)と一緒だから!」ってスタッフに言ったんですけど、みんなポカーン(笑)。

そもそもスタッフの女の子たちはヤンキー文化を知らないので、「あの人、何言ってるんだろう」と。


――伊東さんが、ヤンキーの美学を一から叩き込んでいったのでしょうか。


伊東:4月で1年をシメるけど、実際にはみんなをまとめることができず5月に校章狩りが起きる。それを解決して初めて団結する。そして、夏に入る前には2年をシメる。

そういう黄金パターンに沿っているんです。そもそも櫻井社長に直訴したころから何年も考えていたので、私の中ではもう出来上がっていました(笑)。


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渡辺:実はやっていることって『喧嘩番長4~一年戦争~』と一緒なんです。主人公が女性かどうかだけで。


――女性ファンってヤンキーが苦手じゃないですか。その点はどう考えていましたか?


伊東:各方面から「女子がヤンキーを好きなわけがない」「こんなの売れるわけがない」と言われました。でも、それを言うのはたいがい男性なんですよね。


渡辺:「女がヤンキーを好きなわけないでしょ」っていう決めつけですよね。


伊東:渡辺さんは割と乙女の志向がありますけどね。私が突っ走ろうとすると、「でも女子的にはこっちのほうがいいんじゃない?」って、アドバイスももらいました。


渡辺:伊東さんはアクセルの踏み方がすごいんですよ。ヤンキーを飛び越えて、極道の世界まで行きますから。

僕が「喧嘩番長」でやっていたのは、あくまでも学生レベルでヤンチャしている程度の範囲。あまり人を殺しちゃうようなところまでは行きません。

でも伊東さんは、放っておくとバンバン殺しちゃうから(笑)。そこはなるべく「喧嘩番長」の枠に収めようと、引き戻していました。


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――伊東さんが中心になって開発して、渡辺さんが監修するという制作体制だったのでしょうか。


渡辺:僕がやっていたのは「喧嘩番長」としてどうなのかという監修ですね。ヤンキーのしきたりとか、用語とか。

これまでシリーズを作ってきて、ヤンキー文化に関する知識だけはゲーム業界で一番だと思っているので(笑)。

あとは、伊東さんが暴走して極道の世界に行き過ぎるところを戻す。それ以外は、伊東さんの好きなように作ってもらいました。


伊東:あるルートで、攻略対象と主人公が最後のバトルで一緒に戦う流れがあったんですが、渡辺さんが「女子的にはリングサイドで応援していたほうがいいんじゃないの?」と言い出して、「何その女子的な発想! ここは戦わなきゃダメでしょう!」と(笑)。


渡辺:自分の発想の方が乙女だったんですが、ディレクターに一蹴されました(笑)。


――そこが『喧嘩番長 乙女』らしさでもありますよね。


渡辺:主人公が強いですからね。攻略対象と主人公が背中を預け合って戦うのが、ほかのゲームにはない特徴になっていると思います。


伊東:以前にも、女性が強いという設定のゲームを作ったんです。最近は守られキャラよりも強い主人公が受け入れられる傾向があるので、主人公を強くしてもいいのかなと思いました。


――主人公がゲーム内で最強というのも面白いですよね。


渡辺:そういう設定でないと成り立たないストーリーですからね。倒さざるを得ない。でも恋愛もする。


伊東:その兼ね合いが難しいんです。なにしろ攻略対象は、一度主人公に負けていますからね。

少しでも情けなかったり嫌な面があったりすると、ユーザーさんはそのキャラを好きになってくれません。負けつつもカッコよさを保てるよう、負け方にもすごくこだわりました。

あとはヤンキーと言っても、本当に女の子が引くようなヤンキーにはしていません。男性からすると「ヤンキーじゃないじゃん」って思うかもしれませんが、これは乙女ゲームですから!


渡辺:ヤンキーっぽさは、僕からの要望で少し足してもらいました。「喧嘩番長」という名前を使う以上、タイトルを象徴するような存在が欲しくて、鬼ヶ島鳳凰というキャラをヤンキー寄りにしてもらって。

デザイン原案では髪を下ろしていたんですが、リーゼントまではいかないまでも、硬派な髪型に変えてもらいました。


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せっかく築いた友情を壊したくない そんな思いに応えるのが友情エンド


――キャラクターについては、どのようにイメージを固めていったのでしょう。


伊東:最初は1年生、次に2年生とシメていくというお話ありきで考えていきました。

1年生コンビは、入学当時から主人公を支えてくれる存在です。ふたりの性格は正反対で、主人公を含めた3人でいつもワチャワチャしているんです。

2年生はミステリアスなタイプとチャラいタイプで、こちらも正反対。王道な作り方をしていると思います。



渡辺:3年生って、1年生から見るとかなり大人ですよね。だから、大人に見えるキャラクターがいいかなと思いました。


――ユーザーから人気が高かったのは?


渡辺:吉良ですね。


伊東:黒髪クールは人気がありますよね。


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渡辺:でも、吉良がひとり図抜けていたわけではなく、みんな好かれていました。「〇〇君が一番好き、でもほかのみんなも好き」という方が多かったですね。


――斗々丸もカッコいいですよね。ほかの乙女ゲームでは、彼のようなキャラクターにはそれほど惹かれないのですが、すごくいいヤツだなと思いました。


伊東:おっしゃる通り、斗々丸のようなキャラクターは一般的には人気が出にくいタイプです。でも、こちらとしてはみんな好きになってほしいと思っています。

それもあって、斗々丸はとにかくいいヤツにしました。ほかのルートでもたくさん登場しますし、底抜けにいいヤツ。「ここまでやったら愛してくれるだろう」というぐらい作りこみました。


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渡辺:普通なら斗々丸は成績が悪くて、金春を成績優秀にしますよね。でも、あえてそこは逆だったり。


伊東:斗々丸がここまでいいヤツなのは、きっと大切に育てられたからだろうと思ったんです。育ちがいいんですね。

となれば、お勉強もそれなりにやってきただろうな、と。ですから、後付けの設定というわけではないんです。

金春は格闘技をずっとやっています。1日のうちにあれだけ格闘技に時間を割いて、兄弟も多いと自分の部屋もないでしょうから、あまり勉強もできなかっただろうなと思いました。


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――名前の由来はあるんでしょうか。


伊東:斗々丸はお茶碗の名前なんです(笑)。斗々屋茶碗というお茶碗があって、「とと」という響きがかわいいなと思ってつけました。

金春君は、金春金襴(こんぱるきんらん)というお茶のお仕覆(茶道具を入れる袋)から取りました。茶道をやっていて、そのお稽古の時に名前を考えたので......すみません。


――未良子先輩や吉良先輩は?


伊東:未良子先輩は男なのに「○○子」という呼ばれ方をさせたかったのと、吉良先輩は「キラリン」という呼び名にしたかったので。鳳凰は強そうな名前にしようと思いました。


――サブキャラも存在感がありますよね。


伊東:話を動かしてくれるのが双子の兄のひかるです。


渡辺:坂口の変態性は、伊東さんの趣味?


伊東:そう、ですね......。あの年で四六時中、男子高校生の面倒を見ているわけですから変態でしかないだろうと(笑)。


――サブキャラで人気があるのは?


渡辺:坂口がぶっちぎりですね。ひかるは、どうしても嫌われやすい立ち位置でした。あとは蛇男かな。


伊東:蛇男もヤンキー漫画によくいるタイプですよね。最初は主人公に喧嘩を売ってきて、汚い手を使って勝とうとする。でも、一度認めると仲間になる。黄金パターンです。


渡辺:意外にイケメンですよね。


伊東:蛇男は若手の男性スタッフが描いてくれたんですが、きっと気持ち悪いキャラが仕上がってくるだろうなとみんなが思っていたところ、彼の中でだけは蛇男はイケメンだったんです(笑)。声もすごく合ってましたね。


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――キャストはどのような基準で決められたのでしょう。


伊東:メインキャストは比較的若めの声優さんに。坂口役の近藤隆さん、ひかる役の代永翼さんはこのふたりしかいないだろう、と。


渡辺:ひかるの声は代永さんにしか出せないよね。


伊東:物語の厚みも増しました。


――キャラクターで言えば、主人公も魅力的な女の子です。


渡辺:強いうえにいい子なんですよね。発売前から人気が高かったです。


伊東:男の子たちとの友情を描きたかったので、これまで友達がいなかったという設定にしました。


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――全体として、友達感、友情を大切にしていますよね。


伊東:そうですね。友情エンドを作ったのもそのためです。「女だとバレないまま終わる」というエンディングですね。


渡辺:普通ならバッドエンドだと捉えられそうだけど、このゲームは違うよね。


伊東:ずっと男友達だと思って付き合ってきた相手が、女だったとバレるわけですよね。

恋愛に発展するのもいいですが、「せっかくここまでに築いてきた友情が壊れちゃうんだ」という思いもあるじゃないですか。「このまま友達でいさせてよ」という方も、きっといるのではないかと思いました。


渡辺:発売前に、出来上がったゲームをみんなでプレイして意見を募る評価会議があるんですが、そこでは社長も含め、男性社員たちから「このゲーム大丈夫? 男のオレが遊んで面白いんだけど」という意見がけっこうありました(笑)。

特に友情エンドは、男がプレイしても違和感がないので。

付き合ってはみたものの、やっぱりタイマン張るんです!?


――では、ファンディスクについてうかがいます。前作のヒットを受けて、発売を決められたのでしょうか。


渡辺:本編で甘さを控えた分、ユーザーさんから「もっとちょうだい!」という声を多くいただきました。それなら作りましょう、と。


――では、アフター・ラブストーリーは甘さを増した展開が楽しめるというわけですね。


伊東:それが、意外とそうでもなかったり......。キャラクターの性格を考えると、あのキャラとこのキャラがくっついたところで、すぐには甘くならないんですよ! いきなりイチャイチャされたら、「え、この人たち誰?」ってなってしまいます。

あとは、やっぱりファンディスクでもお話ありきなので。カップルの日常ばかりでは物足りないから、それぞれにストーリーを用意しています。

もちろん『喧嘩番長 乙女』の続きなので、普通のお話にはなりません。「付き合ったけれど、やっぱりタイマンも張ろう!」、みたいな展開もあります(笑)。


渡辺:そうならざるを得ないよね。


伊東:避けて通れませんでしたね。プロットを作ったら、そうなってました(笑)。


――プレイさせてもらいましたが、それでもやっぱり甘いシーンは多いですよね。


伊東:作っている途中で、「このままだとファンディスクなのに甘くない!」と思い、ちゃんと調整しました。おかげさまで、CEROの対象年齢がB(12歳以上対象)からC(15歳以上対象)になりました(笑)。



――「こんなシーンがあります」という、ファンの期待を高めるような紹介をお願いできれば。


伊東:「あのキャラと主人公が付き合ったら、こうなるよね」という展開が待っています。

1年組はどちらかというとほのぼの系で、和気あいあいとした時間を過ごせます。2年組のほうが甘いですね。鳳凰はすでに夫婦なので、また違った関係性を楽しめます。各キャラクターごとの違いを見ていただければと思います。


――アフター・ラブストーリーだけでなく、オールキャラによる新エピソードも収録されています。


伊東:「アルティメット・ファイティング・夏合宿(UFN)」では、ワチャワチャしたいつもの雰囲気も楽しめます。

メインキャラクターだけでにぎやかに過ごすのではなく、名もなきヤンキーたちも登場します(笑)。坂口やひかると一緒に過ごせる時間もありますよ。


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――セパタクロー部の合宿なんですよね。なぜセパタクローなんですか?


伊東:セパタクローは「空中の格闘技」って言われています。「〇〇の格闘技」と呼ばれるスポーツをはき違えて喧嘩になるという展開にしたかったので、セパタクローにしました。


――映像特典として、アニメ第1話も収録されています。こちらを入れた狙いは?


渡辺:ゲームでは、主人公=プレイヤーなので、声がついていません。アニメ化する時にオーディションで山村響さんを起用して、結果として主人公の魅力がさらに発揮されました。

今回のファンディスクでも声を入れられないのが僕としてはすごく残念で。アニメの方では、第1話でしゃべって戦うひなこが見られるので、ぜひゲームをプレイする方にアニメのひなこも見てほしくて収録することにしました。


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――アニメの反響はいかがでしたか?


渡辺:アニメのほうは乙女らしさがないんです(笑)。でも、山村さんの声もしっかりハマったし、視聴者からの反響もいいですね。

ゲームは基本がテキストとボイスで進んでいくので、アクションまでは描き切れていません。しかし、アニメではしっかり喧嘩シーンを描いてくれているので、見応えがあります。


伊東:ゲームだとバトルの描写は簡易的です。でもアニメだと、吉良先輩がガンガンひなこを殴ったりもするわけです。「あ、そうだよな。こういうことだよな」と、あらためて気付かされました。


――アニメ、コミック、CDと幅広く展開していますが、今後も何か用意されていますか?


渡辺:まだ発表できていないことも含めて、いろいろな展開を考えています。ファンディスクを発売して終わり、というわけではありません。


――続編はいかがでしょう。


伊東:ファンディスクの反応次第ではないでしょうか。


渡辺:もちろん、そうなりますね。個人的にはやりたいですが。


――最初は悶絶していたのに、今は続編にも意欲的という(笑)。『喧嘩番長 乙女』以外の女性向けゲームも、今後検討されることはあり得ますか?


渡辺:十分あり得ますね。ただ、ウチの会社でやるべきことか否か、そこが一番のポイントでしょうかね。


――では最後に、「喧嘩番長」は知っているけれど『喧嘩番長 乙女』は未プレイという方に向け、本作の魅力をアピールしていただけますか?


渡辺:男子校に女子が入学するという展開は、漫画やドラマなどでもよくあります。そう考えると、実はそんなにひねった設定ではありません。ただ、それがヤンキー高校だったというのが、ほかとは違うところではありますが(笑)。そういう意味では男性がプレイしても、実はそんなに違和感はないと思います。

最終的に恋愛に発展するので、それが受け入れられないという人もいると思いますが、友情ルートは男女問わず、皆さんに楽しんでもらえる展開になっています。


伊東:通常のゲームとは違い、乙女ゲームはキャラクターごとに全く異なるストーリーに分岐するのが醍醐味です。しかもこのゲームは、友情か恋愛かでエンディングが変わります。キャラクターごと、ストーリーごとの違いを楽しんでいただければと思います。




最初は絶句&悶絶した渡辺プロデューサーも、今ではすっかり『喧嘩番長 乙女』を受け入れている。食わず嫌いをしている方も、実際プレイすればきっとハマるはずだ!

さて次回は、登場キャラクターの人となりをクローズアップ。ファンディスクの各ルートについても、少し踏み込んで紹介していく予定だ。


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喧嘩番長 乙女~完全無欠のマイハニー~

・発売元:スパイク・チュンソフト
・フォーマット:PlayStation®Vita
・ジャンル:拳で愛を語る恋愛アドベンチャー
・発売日:2017年7月27日(木)発売予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 5,980円+税
    ダウンロード版 販売価格 5,940円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)

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PS.Blogの『喧嘩番長 乙女~完全無欠のマイハニー~』記事はこちら

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