PlayStation®.Blog
PlayStation®.Blog

トゥモローチルドレン世界の秘密。プロジェクション・クローンと管理者の回【トモチルウォーカー最終回】

by JAPAN Studio 2017/10/27

PlayStation®4オンライン配信専用タイトル『The Tomorrow Children (トゥモロー チルドレン)』の開発を手掛けるQ-Gamesが2016年の9月からお贈りして参りました「トモチルウォーカー」も、今回が最終回となります。寂しい限りでは御座いますが、皆さんに少しでも楽しんでいただけていれば幸いです!

今回は最終回ということで、皆さんの分身である少女【プロジェクション・クローン】。そして、ゲームの最初に登場してプレイヤーに人類復興の指令を下した【管理者】という謎のキャラクター。世界観に深く繋がりゲームの肝ともいえる彼らをテーマにお届けします。前回に引き続き世界設定等を担当していた開発スタッフの富永さんに、彼らの秘密を教えてもらいましょう!


20171027-thetomorrowchildren-01.jpg



ゲームでは語られなかった、ボイド誕生の秘密とは......


――最終回ですが、皆さんにお伝えしたいことや言い残していることはありませんか?


富永:めっちゃあります(笑)。前回の記事を読んでもらった方にはお察しいただいているかもしれませんが、ゲーム内で語られることのなかった設定やストーリーは数え切れないほどあります。皆さんも気になっていたであろうバックストーリーや『トモチル』の世界に込められたテーマなどをこの機会に蔵出しさせていただきます!


――まずは『トゥモロー チルドレン』の世界に込められたテーマを教えてください


富永:『トゥモロー チルドレン』は、その世界観を考えるよりも前に【ユーザー同士で自由に地形や施設を共有して変えていく】というゲーム性が決まっていました。そのゲームにどういった意味が潜ませられるか、どういったテーマを合わせることができるのかを考えていると【想像力】というキーワードに行き当たりました。それは『トモチル』の設定やコンセプトを話すときに、多くの箇所で語られている【1960年代】というキーワードに繋がります。

この時代は戦後、加速度的に科学技術が進歩したことで、【未来】に対してユニークな想像力が発揮された興味深い時代です。空飛ぶ自動車や宇宙旅行といった空想科学や突飛な未来像が幾つも出てきました。それらの中には携帯電話やパソコンなど、現代で実現しているものも多くあり、私たちはその頃に思い描かれた想像の中で実際に生きているとも言えます。

ですが、技術が進歩した現代で生きる私たちは当時の人々が持っていた、50年後に生きる人たちに提供できるようなイマジネーションを持てているでしょうか? そんな【過去、現在、未来に繋がる想像性】が『トゥモロー チルドレン』の世界に込められた隠されたテーマのひとつでした。


20171027-thetomorrowchildren-02.jpg



――そんな中で、ゲーム内のボイドの世界はなぜあのような状態になってしまったのでしょうか?


富永:先述の、ゲーム内の地形や施設といった要素をプレイヤー同士が共有するというシステムを実現するには、ある程度プレイヤーの行動範囲を絞る必要がありました。実は、科学実験が失敗して世界が何もないボイドに包まれるという設定はそこから考案されたものです。ここからは、この実験が行なわれるに至った経緯やゲーム中で出会うキャラクターたちとの繋がりについて詳しくお話ししましょう。

ボイドを生み出した実験は、【パラダイムシフト計画】と呼ばれる計画の一環として行なわれ【ボイド現象】と呼ばれる悲劇を起こしてしまいました。研究者によるレポート形式の資料なので少し堅苦しいのですが、以下に紹介します。




「パラダイムシフト計画」とは
宇宙開発競争が激化した1960年代、共有こそが人類の理想社会を産むとの理念の元に他人の脳波を共有する国家的研究がとある国で秘密裏に行なわれた。1967年、通信衛星に設置された「発動機」と呼ばれる機械を通して、国中の住民の精神を共有する実験が一般へと公開されることもないままに実施される。しかし、機械は暴走。宇宙から降り注いだエネルギーは人間の精神だけでなく、物質の量子レベルにまで作用し、地球全体をひとつに融合してしまったのだ。辛くも生き残った者たちは地表からあらゆるものを消し去ったエネルギーを「ボイド」と呼び、「ボイド事件」と呼ばれるこの地球規模の惨劇を招いた主任科学者は、後に「ボイドマン博士」と呼ばれるようになった。

「ボイド現象」とは
多元宇宙の垣根を越える量子物理現象の結果が「ボイド」である。どこにでも存在し同時にどこにも存在しない状態。思念と物理状態の境が無くなった世界がボイド世界である。ボイド内の思念が謎の物体を生み出すと同時に、町の住民の意思の力によって、かつての大地を取り戻すことができることも判明し人類復興の光明が見えた。なお、このボイド現象が続いているということは、その原因である「発動機」がいまだ起動し続けていると推測される。




富永:これがゲーム内では語られなかったボイド誕生の秘密です。実験を行なった科学者たちは、共有が人々を豊かにすると信じて研究をしていたのに、人智を超えた想定外の悲劇を生んでしまったという悲しい設定があります。そして、自分の研究とそれが生み出した結果に悩み苦しんだボイドマン博士は罪の意識を贖うために、人類復興計画とプロジェクション・クローン計画の発足へと踏み出すのです。


20171027-thetomorrowchildren-03.jpg

ボイド現象により全てが溶けた何もない世界。ここからゲームが始まりました。



――プロジェクション・クローン計画について聞かせてください。


富永:ボイド事件の悲劇から生き残ったボイドマン博士と、科学者や政府関係者たちは、人類復興を目標に掲げましたが、そのためにはボイド世界の探求に資源の確保、町の建設など膨大にやらなければならないことがありました。

しかし生き残ったものたちだけでは到底それらをまかない切ることはできず、まずはより多くの労働力を得るという事を目標に【プロジェクション・クローン計画】の元となる【初期クローン研究】が始まりました。生き残った科学者や政府関係者などの人間をベースに初代クローン人民が作られましたが、人間ベースの未完成なクローンはボイドに触れると融合され消滅してしまうため、町の外で活動を行なうことができなかったのです。そこで初代クローンは町の警官、運転手、ショップ店員、牧師の職を担うようになりました。

ボイド上で活動できる強化されたクローン人員が必要なのは明確だったため、ボイドマン博士は【イマジネーションの力】を利用したプロジェクション・クローンの研究を開始しました。実験が難航するなか、彼はボイド事件で亡くなった自身の娘のDNAを元にプロジェクション・クローンを作成します。皮肉なことに、ボイドマン博士が娘を想うその気持ちがプロジェクション・クローンの実体化を成功させる結果となったのです。


20171027-thetomorrowchildren-04.jpg



――ボイドマン博士と管理者の関係について聞かせてください。


富永:ボイドマン博士は、ゲームの中には登場していません。人類復興のためとはいえ、自身の行ないの果てに失われてしまった娘がプロジェクション・クローンとして利用され、危険渦巻く世界へと赴く姿を直視できなかったのでしょうか。しかし、そんな彼の姿かたちを模したキャラクターがいます。それは、ゲーム中のテレビモニターに映し出される【管理者】と呼ばれるキャラクターです。

管理者とは、実は新しい国を統べるために作られたAIによる「人民管理システム」です。システムが稼働し始めてから長い月日が経ち、生き残りである科学者たちも死んでゆく中、最後の一人になるまで研究を続けていたボイドマン博士も病床に臥せるようになります。その時、AIは一種の自我に目覚め自分を「管理者」と呼び、自身の生みの親であるボイドマン博士の顔や言動を模して、人民と新たに生まれたプロジェクション・クローンの少女に、復興への道を語りかけ始めたのです。

ボイドマン博士の姿を模したAI。その娘の遺伝子を基に生まれたプロジェクション・クローン。互いに本物ではなく親子としての思い出もありませんが、ゲームの始まりで父と娘は再会していたのです。管理者の最初のひと言である「また会ったな」という言葉にはそんな背景があったのかもしれません。そしてボイドマン博士自身は、最期のその時まで一秒でも長く生きようとしていました。それは、もう二度と娘を失いたくないという気持ちから生まれた行動でした。しかし、ついに彼の死期、つまりはプロジェクション・クローンのエネルギーが永久に切れるときが近づき、国民に対して「プロジェクション・クローンのいない世界」の到来を宣告することになったのです。


20171027-thetomorrowchildren-05.jpg

人類復興の為に生まれたAIが自我を得て、博士を模したのは効率の為なのかそれとも......。



富永:長くなりましたが、以上がゲーム内で語られることの無かった『トゥモロー チルドレン』に隠されたストーリーです。今私たちが生きている、何が起こるか分からないカオス状態の現実世界を変えるのもきっとイマジネーションの力であると我々は考えています。『トモチル』世界での経験が、あなたの生きる世界を変えていくひとつのきっかけになればと願っています!


20171027-thetomorrowchildren-07.jpg

20171027-thetomorrowchildren-08.jpg

最終回ということで、開発を担当したQ-Gamesスタッフ一同の写真でお別れ!
『トモチル』の世界で遊んでくれた皆さん、ありがとうございました!!



本タイトルのサービス終了まで残すところ数日となりました。プレイヤーの皆さんが作り上げ、復興してきた幾千の町はどれ一つとして同じものがなく、ユニークな町ばかりでした。町の復興以外でもちょっとしたテクニックや島の攻略方法、ツールや設備の使い方など開発側で想定していなかったプレイがたくさん見られてとても楽しかったです。最期のその瞬間まで、『トモチル』の世界を共に楽しんでいただければ嬉しいです! それでは同志の皆さん! またどこかで!



【「トモチルウォーカー」のバックナンバーはこちら】

第1回:『The Tomorrow Children』を開発目線でご紹介!

第2回:新米同志の皆さんにレクチャーします!

第3回:ユーザーの皆さんによる『The Tomorrow Children』名シーン・珍風景をご紹介!

第4回:「いいね」して(もらって)ますか? 12月8日のアップデート後の変化を振り返る

第5回:これから始めるプレイヤー必見! 序盤に押さえておきたい7つのポイントをご紹介

第6回:キャラクターを彩り独特の世界観を構成する"衣装デザイン"へのこだわりとは?

第7回:本邦初公開! 「島」誕生の秘密をご紹介!

第8回:個性的な「建築物」のデザイン誕生秘話と未公開アート!

第9回:憎たらしくも可愛い!? AIキャラクターたちの、ちょっと切ない裏設定を初公開!

第10回:音楽の魅力に迫るサウンド特集:前編 アビーロードスタジオでの収録秘話も!

第11回:SE/ボイスの制作秘話盛り沢山のサウンド特集:後編 セリフ聴き取れていますか?

第12回:便利だけどちょっと怪しい!? ツール配給所とブラックマーケット誕生秘話!

第13回:設定資料を初公開! ボイドから現れる脅威......イズベルグの回!



------------------------------------------

PS.Blogの『The Tomorrow Children』記事はこちら

------------------------------------------


『The Tomorrow Children (トゥモロー チルドレン)』公式サイトはこちら

『The Tomorrow Children』プレイヤーズインフォメーションはこちら

©2016 Sony Interactive Entertainment Inc.

※「Android」「Google Play」は、Google Inc.の商標または登録商標です。
※「iPhone」「App Store」「iTunes」は、米国およびその他の国々で登録されたApple Inc.の商標または登録商標です。

記事を探す
トップに戻るボタン