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『龍が如く 極2』のキーパーソンが語る、"極"の美学!【特集第3回/電撃PS】

by 電撃PS編集部 2017/12/07

多くのファンの期待に応え、シリーズ2作目を現在の最新技術でよみがえらせた"極プロジェクト"第2弾『龍が如く 極2(以下極2)』が、ついに本日発売。『極2』の"極たる魅力"を、さまざまなアプローチでお伝えしてきた本企画も今回でラストとなります。そこで最後は発売を記念して、本作の2人のキーマンへのインタビューを、電撃PlayStation編集部がお届けします。

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今回インタビューに答えていただいたのは、"龍が如くスタジオ"でシリーズ1作目から作品を見続けてきた横山昌義氏と阪本寛之氏のお2人。ナンバリング新作とは制作コンセプトが異なる"極プロジェクト"ならではのポイントを、余すことなくお聞きします。


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プロデューサー/脚本・演出
横山昌義氏(写真右)
「龍が如く」シリーズ全般のプロデューサーを務める、『極2』以降の『北斗が如く』『新・龍が如く』プロジェクトの開発も手がけている。

『龍が如く 極2』ディレクター
阪本寛之氏(写真左)
『龍が如く6 命の詩。』から引き続き本作のディレクターを務め、ゲーム内のさまざまな調整を一手に引き受けている。

今の"龍が如くスタジオ"ができうる最高を詰め込んだ作品!

――今年の8月26日に"龍が如くスタジオ"として3プロジェクトが発表され、その第1弾である『極2』がついに発売となりました。まずはその手応えはいかがでしょうか?


横山:その3プロジェクトを発表したときは、『北斗が如く』や『新・龍が如く』プロジェクトのインパクトが強くて、逆に『極2』は、ユーザーにとって「発売されて当たり前」だと思われているタイトルだと感じます。ですから、その当たり前だと思ってくれているファンに向けて"正しく作る"というのが今回の大前提なんです。また、ゲームというメディアには、新しさや驚きがないと意味がないと思っているので、本作を"極プロジェクト"としてどう成り立たせるかというチャレンジでもありました。ですから、過去作で好評だったプレイスポットをリミックスしての導入や、追加エピソードの収録が、その答えのひとつといえます。


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――たしかに、"極"の名に恥じないボリュームと完成度だと思います。


横山:『極2』では"ドラゴンエンジン"を使っていますが、「エンジンの初お披露目となった『龍が如く6 命の詩。(以下龍6)』よりも、さらに扱いを成熟・発展させて、もっとおもしろい感動体験を作る」ということを目指していました。これは当初の目標どおり、何かが欠けることもなく仕上がったと感じていますが、思い返すとどれかが欠けてもおかしくないような状況でしたね。とにかく『極2』は、スケジュールが厳しいプロジェクトで......(苦笑)。蒼天堀の街もゼロから作り直さなければならなかったですし、リメイクでありながらほとんど新作1本ぶんと変わらない仕事量でした。それでもこのスケジュールをこなせたのは、スタッフのみんなが「今までよりも、1段階上の仕事をしてくれたおかげだな」という感覚が、僕の中にあります。


――"1段階上"ですか?


横山:ええ。「龍が如く」のプロジェクトは、毎日が"決定"の連続なんですよ。すぐやり直そう、すぐ止めよう、という決断を毎日している状況なんですね。ですが、『極2』はオリジナル版があったがゆえに、そういう決断があまりありませんでした。メインストーリーはわかっているし、「どこ」が「どういうロングバトル」で「どう盛り上がるか」はすべて把握しています。やらなければならない目標値を個々のスタッフが承知している、という状況なんですね。なので、みんなが各自の担当部分をしっかり積み上げていってくれたからこそ、ここまでの完成度を達成できたと思っています。逆に、僕がやることがなかったくらいですから(笑)。


――『龍が如く 極(以下極)』でのリメイクを経験しているからこそ、"極"クオリティがどういうものかをスタッフのみなさんが把握しているのもありますね。


横山:『極』については、僕らの想像以上に好評を得ました。当初は、作品に対する自信こそあったものの、「11年前の作品をリメイクしたものがユーザーに受け入れられるか」は心配で、正直怖かったです。しかし、売上本数も含めて我々の想像以上の反響をいただけました。そのおかげもあり、"極"というブランドの特性は、スタッフ全員に刷り込まれたんだと思います。まあ、その特性を突き詰めた結果、阪本が『極2』に「クランクリエイター」や「水商売アイランド」も入れたいと言い出したときは、内心「本当に入れられるのかな?」と思いましたね(苦笑)。「入らなかったら、何か削らないとな......」なんて考えていたのですが、ちゃんときっちりおもしろくなって実装できていたので、そこは素直に「スゴイな」と感心しました。じつは、当初は真島の追加エピソードも『極』の錦山と同じように、ストーリーを追うのみにするつもりだったんです。でも阪本が「それを超えたいからプレイアブルにします」と言い出しまして。「本当にできるの?」と思うじゃないですか。そうしたら、プレイアブルでバトルできるだけじゃ飽き足らず、真島でプレイスポットも遊べるようになっていまして(笑)。そのように、自分たちでどんどんハードルを上げて越えてきた感じです。


――阪本さんは『龍6』から続けてのディレクションになりますが、今回はいかがでしたか?


阪本:幸い、『龍6』と作業が重なっている期間はありませんでしたが、『龍6』が終了したら本当にすぐ『極2』の作業に取り掛かったんです。そこは大変でしたね(笑)。


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――いろいろな想いがあって『極2』が作られたわけですが、『極』にするにあたって「これは大事しないとな」と意識した部分はありますか?


阪本:単なるリメイクにしないというところが、一番重要でしたね。『極』から「龍が如く」シリーズに触れてくださった人たちが、ちゃんとファンになってくれるように意識しています。もちろん歴代のファンの方にも、「こうきましたか!」とサプライズも楽しんでほしいですし。


横山:『極1』からの新規ファンがいることは承知していますが、"極プロジェクト"の作品は自分の中でまず、「シリーズファンが喜んでほしい」という想いがあります。それゆえに、過去からのエピソードや要素を取り入れているんです。例えば、「新・水商売アイランド」では『龍が如く0 誓いの場所(以下龍0)』から引き続きユキという女性が登場しますが、彼女を含めて100%の物語を楽しむには、『龍0』を知っていないといけません。

こういった過去作ありきの作り方は、ナンバリング作品では絶対にしないように心がけています。ですが『極2』は異なり、真島の新規エピソードなども、真島というキャラクターを知っていることを前提に作っています。1作目で見せた真島の情報に加え、マコトが出てくるので『龍0』も知っておくとなお良い......。このような仕掛けはナンバリングでは本来NGですね。ナンバリングでもつい、過去作のキャラクターを再登場させてしまいがちなのですが、"作り手は人気があると思っているけれど、実際はそうでもない"という可能性も考慮しなくてはいけません。僕ら制作側に近いコアなユーザーは「ユキちゃんにまた会えてよかったです!」と言ってくれるかもしれませんが、大多数のユーザーはユキを知らない可能性も高いんです。『龍0』の「蒼天堀水商売アイランド」を遊ばずに、メインストーリーと闘技場を遊んで終えたという方も多いでしょうし。なので、じつは「人気があった」と思い込むこと自体が危険なんですね。真島くらいまでになれば、やっと人気があると思えるくらいです。それでも今回の『極2』は、シリーズファンのために過去作の要素を盛り込みたかったんです。


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『極2』が単なるリメイク作品ではない理由

――ちなみに『極2』のプロジェクトがスタートした当初から、"ドラゴンエンジン"での開発は決定していたのでしょうか?


阪本:じつは、2択だったんですよ。"極プロジェクト"だから『極』と同じエンジンを使って、馴染みやすいものを作るという選択肢もありました。ただ、「"ドラゴンエンジン"自体の発展を止めてまで、そういう選択をするべきなのか」という意見もありまして。


横山:売上だけを見るならば、『極』のエンジンを使ってPlayStation®3とPlayStation®4の縦マルチで展開するというのもひとつの手でした。ですが、『龍6』の反応を見るに、PS4®オンリーでも勝負になる環境はそろってきたかなという印象がありました。そのなかで、「ゲームとしておもしろいのはどちらか」「僕らやユーザーが未来の可能性を感じられるのはどちらか」とを考えたときに、『極』の縦マルチエンジンは現状以上の発展はないでしょう。あの作り方は『龍0』や『極』がすでに頂点で、これ以上グラフィックや遊びは入れられないんです。そうなってくると、これ以上先を望むには"ドラゴンエンジン"に切り替えるしかないなと。「龍が如く」シリーズの新作でこれから描いていくべきものは、「ドラゴンエンジン以上のもの」だろうと思っています。


阪本:"極プロジェクト"自体が、単純なリメイクのつもりではないので。過去、HDエディションなどを出したこともありますが、あらためてPS4®というハードがある時代に、グラフィックも遊びも単に乗せ換えただけでは、遊ぶ側も作る側もおもしろくないですし。なにより「リメイクだけど新作」という印象を持ってほしかったんです。


横山:それこそ『極』の頃は"リメイク"という言葉を使わずに、発売まで乗り切ろうというのが社内的なコンセプトでした。それは松原(健二氏。セガゲームス代表取締役社長COO)から、「社内ではリメイクと言わないでいこう。たしかに物語はリメイクなんだけれども、新しいものを作っているんだという意気込みで挑んでほしい」と言われまして。それが、今でも"極プロジェクト"の根幹にあります。


――そうなると手応えという意味では、今できることはやりきったと感じていますか?


阪本:そうですね。"極プロジェクト"自体が、今の"龍が如くスタジオ"が提供できる、一番いい組み合わせを世に送り出すという使命で作っています。オリジナル版『龍が如く2(以下龍2)』のストーリーを改変せずに入れることは絶対条件で、そのうえで、オリジナル版を遊んだ人ももう一度新しさを感じてもらえる要素を入れていきました。


横山:先ほども触れたように"極"シリーズは、11年前にオリジナル版をプレイした人たちにもう一度遊んでほしいという想いで作っています。ですが、そこで気をつけたいのが、その人たちも現実の世界で11年歳をとっているという事実です。その最たる例が、本作のプレイスポットに「キャバクラ」があるかどうかなんですよ。1作目や『龍2』が発売された2005年頃は、キャバクラは存在していましたが、まだ多くの人にとってその扉の先は行ったことがない世界でした。最近流行っているという話は聞くけれども、実際には行ったことがないという夢の場所だったわけです。それが、月日が経ちシリーズを重ねていくうちに一般認知度が上がり、そこで働く女の子たちの髪型が流行るほどのブームが訪れました。ですが、2017年にもなるとブームは山を越えて、もとの水商売という立ち位置に戻っています。だから、一番キャバクラの熱があった頃に作った『龍2』を"今の時代"にリメイクしたときに、キャバクラをそのまま登場させてもみなさんが受ける感動が当時と同じかと問われると、確実に違っています。知ってみたい・見てみたいという興味がある当時の状態で遊ぶキャバクラと、知識がある今の状態で遊ぶキャバクラは、楽しさが明らかに異なるんですね。


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――たしかに、今の時代にPlayStation®2版の会話だけのキャバクラは、あまりおもしろく感じないと思うかもしれません。


横山:「龍が如く」シリーズは"時代を切り取る遊び"を作ってきているので、その時代を生きている受け手の興味・状態を見定めなければいけなくて。同じキャバクラでも、「水商売アイランド」という形のほうが今の人たちには楽しめると思ったので、『極2』ではこの形になっているんです。もしキャバクラが、まだまだイケていて未体験者が多い状態でしたら、『龍2』のキャバクラを発展させたものを導入していたと思います。"極プロジェクト"というのは、そういうものの積み重ねなんですね。遊びの再構築だけども、「龍が如く」シリーズに限って言えば、その時代の"旬なもの"をどれだけ"旬な思い"で楽しめるかなので。


――プレイすると発売年の流行りが見えてくるというのも、「龍が如く」シリーズが支持されてきた理由ですね。


横山:そのまま変えていく・導入していくというのは、「龍が如く」シリーズにとっては真っ当な話ではないんですよ。サブストーリーにもそういうものは多くて、「当時はおもしろくても今は楽しくないもの」がたくさんあります。


――桐生がボーイズラブゲームのアテレコをする新サブストーリーは、まさに今っぽいなと感じました(笑)。


阪本:それは『極2』で新たに用意したサブストーリーですね(笑)。『龍2』は「テキスト会話のみで表現し、ユーザーの想像で補完して成り立っていた部分」が多々ありまして、それをPS4®で作ると、かなり物足りなく見えるんです。だから、サブストーリーも全面的に見直し、「これをそのまま盛り込んでも物足りないな」と感じたものは取捨選択し、新しいサブストーリーに変更しています。


――『龍2』にあった、桐生がホストになるエピソードがなくなったのも、取捨選択の結果なのでしょうか?


阪本:そうですね。じつは、当時のキャバクラもホストクラブも、僕が作っていたんですよ(笑)。まあ、あれは当時の勢いがあったからこそ楽しめたものだと思います。


――でも、そこにあったノリや楽しさは、「新・水商売アイランド」にもちゃんと反映されていると感じました。


阪本:ホストというネタを新しく作り変えるというアイデアもたしかにありました。ですが『龍0』の「蒼天堀水商売アイランド」はものすごく人気があったことと、僕らが「蒼天堀水商売アイランド」の遊びを発展させたいという気持ちがあったので、こういう形になりました。これも、ユーザーの多くが満足してくれるであろう遊びを取捨選択した結果ですね。

10カ月の怒涛のスケジュールで制作した『龍が如く2』(一部ネタバレ注意!)

――『極』から「龍が如く」シリーズにハマって、『龍2』の物語を今回初めて体験するという方も多いと思います。そういう人のために、そもそも当時どのような想いで『龍2』が作られたのかを教えてください。


阪本:『龍が如く』の制作が終わった直後に、『龍2』が始まったのは覚えていますね。


横山:「『龍が如く』が予想以上に売れたから『龍2』を作ろう」となったときに、冷静に考えて1年半~2年後の発売を目指しますよね。実際に、『龍が如く』の開発には2年以上かかっています。ですが、当時プロデューサーだった菊池(正義氏)が「1年後に出さないと、ユーザーから忘れられる」という判断をしまして。ゲームというのはエンターテインメントなので、乱暴な言い方をすれば"賭け"なんですね。新規IPが売れることにはさまざまな外的要因もありますが、最終的には運です。でも、その運をつかんで得た"『龍が如く』が売れたという奇跡"は、確実なものにしなければならない。そこから先は「適した時期に適した量を投下することができるのか?」というマーケティングの世界ですね。そんな考えから「世の中の流れは早いから、1年後の同じ日に新しいものが出ていないと忘れられるのではないか」という判断に至ったわけです。


――あらためて聞くとかなりハードなスケジュールですね。


横山:そこから「どうやったら、そんなスケジュールを実現できるか」と考えたときに、「ゲームのシステムは変えないでストーリーで引っ張って何とかするしかない!」という話になって。その「何とかする役」というのが、当時の僕だったわけです(笑)。今でも覚えていますが、12月8日に『龍が如く』が発売されて、その後の元旦には『龍2』のプロットを書いていました。1月2日の夜には、仕事始めから「大阪に取材行ってきます」と菊池に電話して、新世界とかを見ていましたね。それで大阪から戻ってきて、最初に作ったのが「3人のサヤマカオル」というプロットでした。なので、"狭山薫"は男でも女でもいい名前になっているんですよ。じつは、『龍0』のマキムラマコトは、そのときのネタを再利用しているんです(笑)。


――意外なところに元ネタが!


横山:「府警のサヤマカオルだけでなく、公安部にもサヤマカオルという存在がいて、瓦次郎の原型となる人物の名前もサヤマカオルで......」みたいなサスペンスを書いてました。さらに、名越(稔洋氏)たちから「強いヤクザを1人は出してほしい」といったオーダーを受けて郷田龍司が生まれたんです。その後、ジングォン派、公安の刑事と府警四課、近江連合の3本軸を作ったのですが、もう時間的にギリギリで。エンディングのプロットは何もできてない状態だけど、書き始めないといけない状態でしたね。さきほど話したとおり、1年後に出すとことは決まっていたので、逆算したら連載方式で開発を進めるしかありませんでした。シナリオができたところからみんなが作っていくという形で、一~二章の段階ではその後の展開を誰も知らないんですよ(笑)。「堂島大吾が誰なのか」なども、みんなゲームを作りながら知っていく状態でした。あの頃は本気でエンディングがどうなるかとか、どれぐらいのボリュームになるのかとか考えないで作っていましたね。もちろん、今はエンディングまでの流れを考えてから作っていますよ(笑)。


――当時は勢いで書ききった感じでしょうか?


横山:僕のなかで、シナリオ執筆作業は将棋みたいなものなんです。定跡みたいなものがあって、「この戦型だと、何手先で終わるな」みたいなものが見えてくるんですよ。「長期戦にならないように急戦でいこう」みたいな感じで書くんですけど、たまに名越とかから定跡外の手を打たれて修正していく感じです。なので、いつもは自分のできる範囲でやっていくんですけど、『龍2』は想定外ばかりでとにかく大変でした。そういえば、そんなスケジュールだったので、『龍2』のキャバクラも大変だったんですよ。「誰も手を付けてねえ!」という状況で駆り出されたのが、阪本だったんですね(笑)。


阪本:そうです......。


横山:あのときは、1週間ぐらいで全員ぶん作ったよね。


阪本:キャバクラ、ホストクラブ、キャバクラ経営、サブストーリーが僕の担当で、「龍が如く」シリーズのなかで、一番過密スケジュールで作った時期でしたね......。


横山:当時の阪本は別プロジェクトの担当でしたが、「龍が如く」がピンチになると駆り出される助っ人でもあったんですよ。何かがダメになると駆り出されて、じつは「龍が如く」にはずっと関わってきつつも、メインチームの所属ではありませんでした。


阪本:メインで参加したのは『龍が如く 維新!』くらいからですね。


――そんな波乱の制作の反面、『龍2』の物語を振り返ってみると、ほかの作品にはない桐生の強烈なライバル、桐生のロマンスなど、印象深い要素が盛りだくさんです。


横山:今回のためにあらためて脚本を見返してみると、「このエピソードもあのエピソードも、全部『龍2』だったのか」って思いました。当時の僕はやりたいことをやりたいようにやってたなと感じましたね(笑)。そこに大阪の城を割るとかいう、名越からのオーダーもあり......。


阪本:リミッターがね、全部はずれてましたよね。


――大阪の城は、その後もある意味"伝説"になっています(笑)。


横山:『龍6』で広島の尾道仁涯町が割れましたけど、大阪の城のバカバカしさには勝てない。


――全体的には熱量を感じさせる作品になっていると思いますが、阪本さん的には『龍2』を振り返っていかがでしたか?


阪本:チームは今できることを全部出す! ということに燃えていました。ユーザーにとっても、ストーリーも長いしミニゲームもいっぱい入っているしで、ものすごく豪華な幕の内弁当が出てきた印象だったのではないでしょうか。今振り返っても『龍2』の制作が一番鉄火場な状況でしたが、開発期間が短いにもかかわらず、これだけのボリュームを用意した、できたということは、いい経験になりました。僕らも含めて、これを乗り切った当時のスタッフは、一気に根性が身に付きました。


横山:だから多少無理難題が来ても、「あのときよりはマシ」といった感じで、あまり動じなくなりました。『龍2』の開発を体験した11年前からのスタッフは、メンタルが強いです(笑)。


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さらなる高みを目指して進化を続ける"ドラゴンエンジン"

――『極2』は"ドラゴンエンジン"で作り直していますが、『龍6』と比べて"ドラゴンエンジン"としての手応えはいかがですか?


阪本:バトルに関して言えば、「行動のつなぎがキレイという特色は生かしたうえで、操作して気持ちいい」という部分は、『龍6』よりもかなりチューニングしています。


横山:エリアの表現の部分では、蒼天堀だけでなく神室町も『龍6』からかなり作り直しているんですよ。チャンピオン街、賽の河原、ホテル街、神室町ヒルズを加えて、アジア街を戻さなくてはいけないなど、いろいろと手を加えています。


阪本:看板なども作り直していますしね。例えば天下一通りなどは、『龍6』と比べるとネオンの色味や電飾そのものを変えていたり、細かい所だとLEDを白熱球に入れ替えたりと、画的にも全然違います。新しく作った蒼天堀は、細かく作る部分、空気感を重視する部分など、エリアによってテーマを変えています。『極2』で最初に重視したのは、蒼天堀通りを"ドラゴンエンジン"で作ることへの説得力を持たせることでした。"ドラゴンエンジン"で作る意味がないと言われてしまっては、元も子もありませんので。そういった説得力を持たせるために、大阪は再取材しています。


横山:でもその取材って、阪本が遊びに行きたかっただけじゃないの?(笑)


阪本:違いますよ!?(笑) 2日間で店舗の形からメニューまで、すべて寸法をメジャーで測ってきました。レジのカウンターやテーブルのサイズも全部です。


――『龍6』では建物などをすべてリアルサイズにしたとお聞きしましたが、今回も同じなんですね。


阪本:光源などもマジメに計算しています。ウソのスケールで作ると、ウソのライティングになってしまいますので。「あそこに照明があるならば、これくらいに反射が入る」というところまで、きちんと計算されています。タイアップ店舗さんはとくに大事で、全部正確に作らないと照明が当たったときに見え方や色味が変わってしまうんです。だから結局のところ、すべてを測るのが一番早いんですよ。ちなみに、タイアップ店舗さんには、完成した画も確認いただいています。よく蒼天堀の紹介用に「かに道楽」のスクリーンショットが使われていますが、見た目のリアルさをこだわり抜いて、現実の写真と見比べてもどちらが本物かわからないレベルに達しています。


横山:わからないよね。よくダマされるもん(笑)。


阪本:作ってるスタッフも間違うレベルなので、『龍6』での経験を経て"ドラゴンエンジン"での作り方がこなれてきたなという印象です。


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追加要素の圧倒的ボリュームはまさに"極"!

――音声についてはすべて収録し直したのでしょうか?


横山:全員ではありませんが、メインどころと、キャストが変更したキャラクターは、収録し直しています。


――11年ぶりの収録ということで、黒田崇矢(桐生一馬役)さんや岩崎征実(郷田龍司役)さんは、特別な思いがあったと公式サイトの動画でも語られていました。


横山:彼らに限って言えば、過去の自分との戦いなので、アプローチの仕方がいつもと違うと思いますね。とくに岩崎さんは、11年前の自分を超えられるかを試されている形なので、収録の際はみんなよりも気合いが入ってました(笑)。今は身体を鍛えて龍司みたいにムキムキになって戻ってきましたから。いや~イイ声になりましたね!


――変更した俳優陣も『極2』はある意味ご自身がそのまま登場しているわけで、すごく引き込まれました。


横山:顔がそのままという部分も大きくて、『龍2』で声を演じていた寺島進さんも、また違った感じでいいですよね。白竜さん、木下ほうかさんは声に特徴があるし、なにより顔の迫力もあるわけで。


――別所勉役の木村さんは、大阪弁の勢いのある言い回しなどがそのままのイメージで、まさにはまり役だと感じました。


横山:キム兄は、本当に上手でしたね。


――キャスティングといえば、追加エピソード「真島吾朗の真実」に出演している、子安武人さんもいい味出しています。子安さんのキャスティングは、どういう理由でお願いしたのでしょうか?


横山:これは本当に狙ったわけではなくて、要項に「キザな役」と書いたらキャスティング会社の人が「いかがですか?」と連絡してきたんですよ。「龍が如く」シリーズは11年間にいろいろな声優さんにご出演いただいていますが、いよいよもって大ベテランの方々にもお声をかける感じになってきました(笑)。


――そもそも追加エピソードの「真島吾朗の真実」は、どのような意図で導入を決定したのでしょうか?


阪本:『極』では追加エピソードを入れたので、『極2』でも用意したいというのが出発点です。そこから「では誰にする?」という話になるのですが......。


横山:じつは、郷田龍司と真島の2択だったんですね。ただ、龍司だとカッコよくはなるんですが、いくら練っても本編のネタバレにしかならなかったんですよ。龍司の話を追うということは、桐生が巻き込まれている事件の裏側を描くということなので......。やるとしたら本編が終わったあとに開放される形かなと。でも、それだと単なるボーナスコンテンツになりますから。『龍2』と比べて「本編を進めながら、さらにこれがあることでより楽しい」という要素にしたかったので、メインストーリーに寄り添えない形ではダメだろうという話になり、龍司の物語の採用は見送りました。


――それはそれで見たかったというファンも多いと思いますね。


横山:真島に決まってからは、彼は彼でたくさんのネタがあるんですよ。そのなかで、一番骨太でユーザーが楽しめる要素を突き詰めた結果、「真島がどうして東城会を辞めたのか」という部分にフィーチャーすることにしました。


――マキムラマコトとの再会シーンが公開されたときは、かなり話題になりました。


阪本:真島で追加エピソードを作るとなったときに、マコトを登場させるかどうかでけっこう揉めましたね。


横山:物語の都合上、真島が大阪のほぐし会館の前を通るとなったときに、真島は「何があるかわからないけれどきっと店の中を覗くだろうな」と思ったんです。そして、マコトが『龍0』のあと何をしているだろうという部分も込みで話を膨らませていった結果、あそこで出会うんじゃないかと。また、名越(総合監督)も『龍0』のマコトのシナリオには強いこだわりがありまして。「『龍0』では結末をしっかり提示しているようで、あえてしていないような形だったのを、今回描くのは勇気が必要だった」とも語っています。そういった流れで、今回でマコトという人間の物語に、完全な決着を付けるようになっています。


――たしかに、終わったあとはかなりスッキリとした気持ちになりました。


阪本:追加エピソードという意味では、見ていい終わり方だと納得してもらえるんじゃないですかね。


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――次にプレイスポットですが、「新・クランクリエイター」には、原型である『龍6』のものよりもやれること・考えることが多くなっていると感じました。


阪本:『龍6』では「あまりシミュレーションゲームを遊んだことがない人が、適当に動かして爽快感を得る」というコンセプトで作っていたので、意図的に遊びやすくしていました。それはそれで好評だったのですが、同時に「単調すぎる」「おもしろいけど、もう少しやり応えがほしい」という声が多かったので、今回は逆に戦略的な部分を突っ込んだものを作ってみました。クリアすることに達成感があるものにしたかったので、「クリアできなくて上等だ!」といったレベルかもしれません。


横山:のちに配信する無料ダウンロードコンテンツのやり込み系ミッションは、最初スタッフが誰もクリアできなかったんですよ。最終的には、いろんな人のデータを集めてやっとクリアできたくらいです(笑)。


阪本:デッキの組み合わせや戦術を、かなり試行錯誤しました。それくらい難しくなっています。最後は、とくに難易度が高くなっていますよ!


横山:プレイヤーのみなさんは、僕らが驚く勢いで突破していくんでしょうね(笑)。ですが「龍が如く」シリーズは、もともとそういうスタンスの大人のゲームだったんですよ。子どもは「好き嫌いしてはダメですよ」と言われて育ちますが、大人はやりたいものの取捨選択ができます。僕は"食わなくていいものを無理してまで食べない"のが大人だと思っていまして。11年前は本当にそういう気持ちで作っていました。だから本格的な「将棋」が入っているんですよ。なので大人のためのコンテンツだということを考えたときに、僕は今回の「新・クランクリエイター」くらい、難しい遊びがあっていいと思っています。食うも食わないも自由ですし、遊ばないからといってゲーム全体のボリュームが著しく損なわれるような作りではありませんから。


――攻略のポイントとしては、デッキの組み合わせですか?


阪本:そうですね。最後のほうでは「この2人のスキルを組み合わせて、難所をしのぐ」という感じになっていきます。あと、個人の腕ではカバーできない部分も多々あるので、ミッションに合わせて従業員の組み合わせも変えていく必要があるでしょうね。開発内では、誰が最初にクリアできるのか競うのが盛り上がっていました。


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――あとはやはりレジェンドレスラーの画のインパクトがすごいですよね。


阪本:画だけで引きがあるって、開発スタッフもみんな絶賛していましたね。こちらの見どころは、やはりレジェンドレスラーたちの会話イベントでしょうか。その部分は、完全ノーカット編集で作っていますからね。何も加工をしていませんし、むしろ台本を収録させていただいたセリフに合わせて調整しています。だから、みなさんの味がちゃんと出ていますよ。


横山:収録したセリフを撮り直さないことはあまりやりませんが、あの方々の場合は別格ですからね。僕は天龍さんの演技が上手でビックリしました。怖い極道みたいな(笑)。


――武藤さんと蝶野さんもバッチリはまっていましたね。


横山:あの2人は器用すぎるんですよ(笑)。逆に藤波さんは、リングパフォーマンスの印象そのままなんだけど、それもそれでよかったと思います。レジェンドレスラーについては、僕のムチャぶりから始まったんですよ(笑)。あの5人は、いろいろな意味で普通だったら集まらないメンツなんです。だから、もともとは違うメンツを用意する想定だったんですが、「とりあえず、声をかけてみよう!」と無理やり舵切りしてみたら、予想に反して集まったしまった形でして。


阪本:『龍6』でオカダ・カズチカさんらが参加してくれたことで、最初に長州さんが興味を示してくれたんです。ほかの方も「長州さんが出るなら」ということで興味を持っていただけましたね。


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――「新・クランクリエイター」が難しいぶん、「新・水商売アイランド」はほどよい難易度でした。とくに、お金がモリモリ稼げるのでありがたかったです。


横山:金銭感覚が変わりますよね。


阪本:「水商売アイランド」の遊びの仕組みは『龍0』の段階でしっかりまとまっていたので、そこをひっくり返すよりも「また遊べるんだ」という気持ちを大事にしています。なので、基本の部分に細かい要素やパラメータの違い、服装の種類などを加えた感じです。あとは、キャストとの店外デートみたいな、前作ではできなかったことも追加しています。


――『龍6』のスナックと同じ仕組みの会話イベントが発生したのは驚きました。


阪本:これも今できる組み合わせのなかで、『極2』として盛り上がる方法を選んだ結果ですね。


――ほかに注目してほしいプレイスポットがあれば教えてください。


横山:やはり『電脳戦機バーチャロン』じゃないですか?


――こちらを導入するきっかけは何かあるのでしょうか?


横山:ちょうど、同じ部署内で『とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)』を制作しているから、というのが大きいですね。


阪本:じつは以前から『電脳戦機バーチャロン』を、ゲームセンターに入れようという話はありまして。ただ、権利関係でいろいろと確認が必要だったんです。


横山:ですが今回『とある魔術の電脳戦機』のおかげで確認がしやすくなったので、「じゃあやるか!」と(笑)。なので、これで『バーチャロン』に興味を持たれたら、ぜひ『とある魔術の電脳戦機』もよろしくお願いします。


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――最後に、購入してプレイを楽しんでいる方、そして購入を検討中の方に向けてメッセージをお願いします。


阪本:"ドラゴンエンジン"を使った2作目ということで、ゲームの中身・ビジュアル・操作性を含めて、今できる「龍が如くスタジオ」の最高の状態を詰め込んだ作品です。『龍2』自体がシリーズのなかでも評価が高く、じっくり遊べて心地よい余韻がある骨太な物語が展開します。プレイスポットも今一番満足できる形にリミックスできました。シリーズファンはもちろんですが、『極』から本シリーズに入った人も十分楽しめる作品に仕上がっています。ぜひこの『極2』をプレイして「龍が如く」シリーズをもっと好きになってもらって、シリーズ全体の今後に注目してもらえたら幸いです。


横山:「龍が如く」シリーズ自体が、大人のためのエンターテイメントだと思うので、大人の人たちが楽しめるものを意識しています。12月での発売にこだわっているのも、年末年始という大人が空いている時間を意識しているためです。そして、奇しくも11年前と同じ発売日に『極2』を発売できました。年末年始に帰省したときには、ぜひPS4®と一緒に持っていって、休みの間に遊んでもらえればうれしいです。そして、次の「龍が如く」のプロジェクトも楽しみにお待ちください。



今回のインタビューで横山氏が語った「大人のエンターテインメント」という言葉に偽りなく、『極2』は遊ぶ人の魂を燃え上がらせる、ハードでひたすらにカッコイイ人間ドラマが楽しめる作品だ。約10年前に『龍2』を遊んだ人は"ドラゴンエンジン"による究極の進化を、『極』からシリーズファンになった人はシリーズ屈指のドラマとエンターテイメントを、ぜひ『極2』でこの冬存分に堪能してほしい。



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龍が如く 極2

・発売元:セガゲームス
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:アクションアドベンチャー
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 7,590円+税
    パッケージ版 限定版の極み 希望小売価格 11,590円+税
    ダウンロード版 通常版 販売価格 8,197円(税込)
    ダウンロード版 限定版の極み 販売価格 11,437円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)

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