"自分の心に従った選択が、自分でつくった本当の物語"──『Detroit: Become Human』が描く感情、その深淵

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"自分の心に従った選択が、自分でつくった本当の物語"──『Detroit: Become Human』が描く感情、その深淵

5月25日(金)の発売まであと1ヶ月と迫った、PlayStation®4用ソフトウェア『Detroit: Become Human』。期待の本作を体験できるメディア向けプレゼンテーションが、4月23日(月)に開催された。

開発を手がけたフランスの開発会社Quantic Dream(クアンティック・ドリーム)のCEOであり、クリエイティブディレクターのデヴィッド・ケイジ氏が来日。彼のプレゼンテーションに続いて本作を試遊した後に、Q&Aセッションが設けられた。本作の見どころが明らかになった本イベントの模様をお届けしよう。

時は近未来。プレイヤーの選択が物語を変える”ネオ・ノワール・スリラー”

『Detroit: Become Human』は、プレイヤーの行動や選択によって物語が変化する、オープンシナリオ・アドベンチャーだ。その概要をデヴィッド氏自ら語ってくれたので、本作がどういったゲームなのかを、彼の言葉であらためてお届けする。

クアンティック・ドリーム
CEO/クリエイティブディレクター

デヴィッド・ケイジ氏

『Detroit: Become Human』の舞台は、今から20年後となる2038年のアメリカ・デトロイト。人間そっくりの外見をしたアンドロイドがつくられていますが、彼らはモノとして扱われています。本作では異なる3体の視点を通して物語を体験できます。私たちは、この物語を人間の目を通してではなく、アンドロイドの目を通して体験していただくことを重視しました。

本作の世界では、あらゆる仕事にアンドロイドたちが従事しています。そして、物語冒頭の時点で何体かのアンドロイドが、異常な行動を見せ始めるのです。それは普通のアンドロイドではあり得ない行動であり、まるで意思や感情を持ったかのようでした。しかし、アンドロイドが意思や感情を持つはずがないため、人間たちはこれを単なるバグとして扱い、修正しなければならないと考えるのです。

主人公であるアンドロイドの1体、マーカスは、年老いた画家の世話をするためにつくられました。しかし、彼は画家の面倒を見るという役割から、アンドロイドによる革命のリーダーへと変貌を遂げます。

2体目の主人公となるカーラは、ある家と、そこに住む少女の面倒を見るための女性型アンドロイドでしたが、少女に危険が迫っていることを感じます。そして、彼女たちはその家から逃げ出し、カーラと少女は愛情を抱くようになっていくのです。

3体目の主人公となるコナーは、人間の刑事たちの捜査を手伝うためにつくられた、特別なアンドロイドです。彼の視点で行なうゲームプレイは、とても分岐の多いストーリーとなります。

私たちは本作の開発にあたり、これまでに手がけたタイトルの中で、最も分岐の多い作品にしたいと思いました。みなさんがゲーム内で何かを選択をするたびに、その行動が物語に一定の影響をもたらします。そして、展開も表面的なものだけではなく、本当に全く異なるものとなることがあるのです。

もうひとつ重視したのは、ゲームプレイを通して物語について考えてもらう、ということです。シネマティックなシーンを通してではなく、プレイヤー自らの行動や選択を通して、物語を形作っていくという体験を提供したいと考えました。これらの要素により、本作の体験はプレイヤーごとに違ったものとなるでしょう。

さらに重視したのが、本作が楽しいものとしてだけでなく、意義深いもの、議論や思考を誘発するものになりえるということです。人によっては、現実の問題に関連付けて考えることができるかもしれません。とはいえ、一番重要なのは、みなさん自身が体験し、どう感じるかだと思います。私たちが情熱を込めてつくりあげた本作を、みなさんが楽しんでいただけるよう願っています。

これは、あなたの物語。『Detroit: Become Human』プレイインプレッション

今回の試遊では、最初のチャプターとして紹介されているコナー篇の「人質」から、最大10チャプターまでとなる序盤の展開をプレイできた。モノとして扱われるアンドロイドの視点で描かれる物語と、自らの行動や選択によって変化する物語に対し、PS.Blogスタッフが感じたものとは?

【プレイインプレッション1】
変化していく物語の果てに、アンドロイドと人間が共存する世界を夢見て

最初のチャプターである「人質」は「E3 2017」で体験済み。その際は犯人が人質の少女もろともにビルから飛び降りてしまうという不本意な結果に終わってしまったため、犯人の説得によるスマートな解決を目指してリベンジ! 一度プレイしていることもあり、その時とは異なる行動を取ることで物語の展開や選べる選択肢が変化していることを実感できた。まあ、今回は犯人がSWATに撃たれてしまったんだけど!

それで「人質」のチャプターは終了となったのだが、次のチャプターへ進む前に「人質」がどんな構成になっていたかというフローチャートが表示された。体験していない箇所は詳細が伏せられているものの、物語のどこに分岐があったのか、ひと目でわかる。じっくり確認してみると、気づいていなかった分岐の多さにビックリ! 繰り返しプレイしてフローチャートがすべて埋まれば、そのチャプターのすべてを体験できたことになるだろうから、些細な変化も見逃したくないやり込み勢としてはうれしい限りだ。

マーカスとカーラの物語では、職を奪われた人間たちからアンドロイドがどう思われているのかを、身をもって体験。「このプラスチック野郎!」と絡まれ暴力を振るわれても、操作しているキャラは人間に絶対服従で無表情なのだが、プレイヤーの自分は理不尽な扱いに怒りの感情が湧き上がる。その一方でアンドロイドに理解を示す人間もおり、優しくされるとなんだか癒やされてしまう。どれだけ感情移入してしまっていることか。

今回体験できたのは物語の序盤のため、3体の主人公同士が出会うことはなく、それぞれの物語がそれぞれの場所で描かれる形となっていた。しかし、彼らの物語はきっとどこかで交差するはず。3体の立場は人間の所有物と最初こそ同じなものの、マーカスは後に革命のリーダーとなり、カーラは少女を守るためとはいえ人間に敵対する行動を取ることが明かされている。立場の異なる3体の邂逅からは、どんなドラマが生まれるのだろう? マーカスとカーラはうまくやっていけそうな気がするけど、変異体を取り締まるコナーとは確実に一悶着ありそう。

最終的にはアンドロイドと人間が共存できる世の中になり、めでたし、めでたし、というハッピーエンドがあるといいんだが。そんな世界にするためにはどうすればいいのか? 3体の主人公たちにそんな力はあるのか? 今はまだわからないけれど、ゲームを進めていく中でぜひ見つけてみたい。(PS.Blogスタッフ・岩下)

【プレイインプレッション2】
人間とは何か? 否応なく引き込まれるキャラクターへの共感

アンドロイドの普及により人間は豊かさと利便性を手に入れ、その一方で職を奪われる人も多く貧富格差が拡大した。『Detroit: Become Human』では、そんな未来社会の光と闇が描かれるということで、今回の体験プレイにあたって闇の部分に注目していた。人間の仕事がAIに取って代わられる社会は、SFの空想物語の中だけでなく、近い将来に誰もが当事者になり得る問題だからだ。

カーラ篇で登場するトッドも、アンドロイド社会の被害者だろう。タクシー運転手の仕事を失ってから転落の人生を歩み、ドラッグにおぼれてわめき散らす最低な父親として描かれているが、こんな社会でなければ、平凡でも幸せな家庭で暮らせていたはずだ。同情の余地はあり、なんとか彼と共存する道はないかとプレイを始めた。

だが、いざ物語の中に入ると、否応なく主人公たちに共感してしまう。冒頭における3体の主人公は、いずれもアンドロイドらしくフラットな感情。カーラは家事を黙々とこなし、コナーは任務に忠実だ。革命のリーダーとして紹介されていたマーカスさえも、主人の暮らしを誠実に支えている。カーラとマーカスが家事をする場面では、食器を洗ったりゴミを片付けたりする単純動作をひとつずつ操作するものだから、いつの間にか感情の起伏がないアンドロイド気分に。

するとどうだ。身勝手な感情に任せて声を荒げ、暴力を振るい、アンドロイドをたんなる”機械”として差別する人間たちが途端に醜く見えてきた。娘のアリスを悲しませるトッドも、やっぱり最低だ。カーラに世話させているくせに、なんでもかんでもアンドロイドの責任にするんじゃあないよ。この甲斐性なしが! 変異体として感情を持ったアンドロイドたちが、口々に「不公平」と言うのがよくわかる。人間は平等で平和な世界を望みながらも、強い者には媚びへつらい、抵抗できない立場の者に牙をむく。カーラが変異体に覚醒し、トッドの命令に背けるようになった際、プレイヤーはそれまでのフラストレーションを発散するように感情を爆発させることだろう。

今回、複数のチャプターをまたぐ初めての体験で、キャラクターに感情移入する没入感を強く味わうことができた。同時に、感情を持つ人間らしさとは何か、変異体となったアンドロイドは人間の醜さも得るのか、などと哲学的な思いも。とにかく今は、自分で選んだ物語の続きと結末が気になって仕方がない。(PS.Blogスタッフ・松田)

質疑応答で語られたフローチャートシステム実装の意図とは?

体験プレイの後、デヴィッド氏への質疑応答が行なわれた。フローチャートのシステムを実装した意図や、デヴィッド氏独自の近未来社会への考え方など、その内容を紹介する。

──4年もの制作期間をかけてきた作品が完成した、今のお気持ちを聞かせてください。

今の気持ちのひとつは安堵。同時に、情熱と不安が入り混じったような感情もあります。安堵しているのは、開発中に、このゲームは完成できないのではと思ったことがあったからです。脚本があまりに複雑で書き切れないかもしれないと思いましたし、ゲームを開発するうえでも複雑な分岐構造が仕上がるのか不安に駆られました。だからこそ、ようやく完成を迎えた最初の思いは、大きな安堵でした。

また、4年もかけてつくったものが世に出るわけですから、プレイヤーのみなさんに好きになってもらいたいという情熱を持っています。しかし、このゲームは非常にユニークで、普通のゲームとは違ったテーマを、普通とは違った方法で伝えようとしているため、どんな反応があるかわからない不安もあります。

『Detroit: Become Human』には、とても重いテーマがあり、他のゲームであまり扱われてこなかったものも含まれています。この作品では、ゲーマーやゲーマーのコミュニティに対して、「ゲームはこれほど重いテーマを語ることができるメディアなのか」という問いを投げかけると同時に、ゲームでは避けるべきなのか、映画や文学でしか語れないものなのか、という挑戦でもあります。

──「東京ゲームショウ 2017」では、アンドロイドのショーケースをイメージした展示が話題になり、日本のゲームファンの注目を集めました。日本のゲーマーにどのような印象をお持ちでしょうか。

日本のプレイヤーには、ユニークで新しい体験を求めている印象があります。また、物語が綴られ、感情を揺さぶるようなゲームにどん欲かつ寛容であり、そうした体験を西洋のゲーマーよりも好きになってくれると思います。AIやロボットなどのエッセンスが日本の文化で重要な位置を占めていると思いますので、日本のゲーマーのみなさんが『Detroit: Become Human』にどんな反応を示すのか、どんなところが心に響くか、とても楽しみです。

──チャプター終了後にフローチャートが表示され、選択肢や分岐の種類を確認できるようになっています。あえてこのフローチャートを見せているのはなぜでしょうか。

それは本作における重大な決断でした。私たちが過去につくったゲームで、選択肢や分岐を示すことはしませんでしたが、本作ではそれを見せるようにしたのです。例えば、『HEAVY RAIN −心の軋むとき−』のあるシーンで失敗してしまった人が、全体の20%しか見ていなかったとします。しかし、その人は全部のシーンを見たと思い、20%しか見ていないことに気づけません。

通常のゲームでは、実際にはそれほど選択肢が多くない場合でも、さまざまなトリックを使って多くあるように思わせるため、裏の構造を見せることを躊躇うものです。しかし、本作は、たくさんある選択肢が違う結末をもたらすことにこだわったので、これは隠さなくてもいいのではないかと思ったのです。そこで、プレイヤーのみなさんには、自分が選んだ選択肢と、選んでいない見過ごしたシーンがあることを知ってもらえば、「ほかのシーンも見たい、別の結末も見てみたい」という意欲をかき立てることができると思い、フローチャートを導入しました。

ゲーム開発では通常、プレイヤーの10%しか見ないようなシーンや分岐はつくろうとしません。プロデューサーが「そんなところに工数やお金をかけるのは無駄だよ」と言うからです(笑)。しかし、本作ではそれをあえてつくるようにしました。10%しか体験しないとしても、それはプレイヤーが自分で物語をつくるという、まさに『Detroit: Become Human』でやりたかったことです。10%の人が友人にそのシーンについて話をした時、「えっ? そんなシーンは見たことがないよ」という答えが返ってくるでしょう。こうした、人によって違う体験を生み出したかったので、本作では細かいシーンも、あえてつくり込むことにしています。

──チャプターが終了したタイミングのフローチャートには、ポイントも表示されていました。あのポイントにはどのような意味があるのでしょうか。

ポイントは、異なる分岐を解放するたびに獲得します。ボーナスメニューでは、このポイントを使って、さまざまなコンテンツを解除することができます。コンセプトアートやサウンドトラック、メイキングムービーなど、多彩なコンテンツをお楽しみいただけます。

──今回は冒頭から10チャプターを体験できましたが、これは全体のボリュームの何割程度でしょうか。

今回用意した10チャプターは、2時間から2時間30分ほどでプレイできます。最後まで通してプレイするには早くても10時間はかかるので、今回の10チャプターは序盤のプロローグとして考えてもらえばいいと思います。分岐の全部をプレイするには、30時間は必要でしょう。

フローチャートを見て、好きな分岐に戻ってプレイすることができますが、プレイヤーのみなさんにひとつお願いしたいのは、初めの1回だけは、自分の心に従った選択で最初から最後までプレイしてほしいです。おそらく、それが自分でつくった本当の物語になると思います。その後で、最初に選ばれなかった選択を試していただきたいですし、それらの分岐もしっかりつくり込んでいるので、ぜひすべてを見届けてほしいです。

──メニュー画面に登場した女性キャラクターについて教えてください。

名前はクロエ。もちろん彼女もアンドロイドです。メニューの案内役のほかに、ストーリーの中で重要な役割を果たしますが、それは今回プレイしていただいた範囲よりも、もっと後になります。また、発売前にもみなさんに驚きを伝えられると思いますが、あまり話すとネタバレになってしまいますね。

クロエに関しては、ちょっとした遊びも用意しています。彼女をただの静的なメニューにはしたくなかったので、日付や時間帯など、さまざまなことについてプレイヤーにコメントしてきます。夜遅くまでプレイした翌日だったり、物語の展開によってプレイヤーが落ち込んでいるような場合だったり、その時にふさわしい言葉をかけてくれる、まるで生きているかのような仕掛けがあります。どのようにゲームをプレイしているかによって、彼女の反応が変わるので、楽しみにしてほしいです。

──本作を完成させたことで、AIやロボットに対する見方が変わりましたか?

この作品を通して、AIに対する考えは多少変わったと思います。どこまでが知性と呼べるのか? 人間にあってAIにないものは何か? そうしたことを考えさせられました。すでにAIの能力は特定の分野において人間を凌駕していますが、人間がAIを生物と見なすようになるポイントは何かを考えるのは、とても興味深かったです。

『Detroit: Become Human』では、自分たちのつくった”機械”が生物のようになってしまいます。人間はそれをバグだと判断しますが、やがてさまざまな反応を示していきます。もしも現実のそう遠くない未来に、AIが生物のようになった時のことを考えるうえで、この作品はいい練習になるのではないでしょうか。自分たちでつくったものが、自分の知性を凌駕する高等な生物であると認めるのは、人間にとって大変なことですから。

──ロボットのAIを自分でつくり、生活を共にしたいと思いますか?

その質問に答えるのは、非常に難しいですね。人間は誰しも新しくて便利な技術を欲していますが、技術に依存しすぎることによるネガティブな影響もあるからです。

技術は私たちの生活様式や脳の働き方を変化させていて、例えば、現代人は長い時間ひとつの仕事に集中することが難しくなっています。これはおそらく、インターネットやスマホで得られるたくさんの刺激にさらされ、その状態に適応したからだと考えられています。2人で会っているのに、互いに話しているよりもスマホの画面を見ている時間のほうが長いような状況も頻繁に見られるようになりました。技術に依存しすぎることにより、技術との付き合い方は上手になっても、目の前にいる人間との付き合い方は下手になってしまう。技術には、そんな副作用も潜んでいるのです。

じつは、『Detroit: Become Human』の中でもこうした影響が語られています。人々が機械と付き合うようになったことで、人間と一緒に暮らしたくないという考え方が増えています。機械は自分が命令したことだけに応えるので、ある意味では人間よりも付き合いやすい存在です。人間同士のカップルが減り、人間と機械のカップルばかりになるのは、暗い未来像ではありますが、可能性として実際に起こりかねません。そうした危険な影響もあり、自分でAIをつくったりロボットと暮らしたりしたいかと問われると、答えに困りますね。

Quantic Dreamがこだわる、人の感情に訴えかけるゲームづくり──デヴィッド・ケイジ氏インタビュー

メディア体験会終了後にデヴィッド氏へのインタビューを行ない、Quantic Dreamがこだわり続けるアドベンチャーゲーム制作について話を訊いた。日本のPlayStation®ユーザーに向けたメッセージとともに紹介しよう。

──Quantic Dreamはシナリオを重視した魅力的なアドベンチャーゲームを世に送り出しています。さまざまなジャンルがある中で、今アドベンチャーゲームを作る意義をどのように考えていますか?

私は昔からインタラクティブストーリーが大好きです。それも、自分だけでストーリーを語るのではなく、プレイヤーと一緒に語っていく体験が好きなので、ずっと続けていきたいことです。

プレイヤーがキャラクターになりきってプレイできるようにつくっているので、キャラクターの感情が、あたかも自分の感じたことのように思えますし、それはドラマなどよりも深い感情として得られると思います。

──今回体験したチャプターでは、カーラやマーカスが人間の日常生活を手伝うシーンがあり、それを黙々と操作するうちに自分がアンドロイドになった気持ちになりました。また、カーラが仕えるトッドは酷く描かれていて、同情よりも人間の醜さを感じました。これらはプレイヤーの感情を意識して演出しているのでしょうか。

今回プレイしていただいたチャプターは、全体で見れば序盤であり、3体の主人公はまだ変異体になっていません。そのため、あえてアンドロイドのロボットらしさを強調しているところはあります。カーラが命令された仕事をプレイしてもらうのも、カーラの気持ちを感じつつ、未来社会の奴隷ともいえる立ち位置を体験してほしかったからです。やがて変異体になると、今度は逆に何の命令もなく、自由でありながら責任を持たなければならない立場を感じてもらえると思います。

ただ強調しておきたいのは、アンドロイドを善、人間を悪として描きたかったわけではありません。序盤ではそうした構図が多く見られても、良いアンドロイドがいれば難しいアンドロイドも登場しますし、トッドは醜い人間の典型ですが、違うタイプの人間もたくさん出てきます。

──先ほどの質疑応答において、本作は「ゲームはこれほど重いテーマを語ることができるメディアなのか」という問いを投げかけ、挑戦していると話していましたが、どんな反応を期待していますか?

私たちは、ゲームがそうしたテーマを語り合うに値するメディアだと思っていますが、どのように伝えていけばいいのか疑問が残ります。その方法に対する私たちなりの解釈を、『Detroit: Become Human』で提案しているつもりです。

──映画や文学ではない、ゲームならではの感動体験というものを、Quantic Dreamではどのように考えているのでしょうか。

その質問に答えるには、現在のゲームでできることと、将来的にできるかもしれないことを、分けて考える必要があります。私が映画や文学で好きなところは、表現される感情のバリエーションが豊かで幅広く、人生で得られる感情をすべて味わえることです。これまでのゲームはキャラクターになりきることができ、与えるインパクトは映画や文学よりも力強いと思います。一方で、描かれる感情の幅は狭く、限定された範囲の感情しか描かれなかったかもしれません。

『Detroit: Become Human』でやろうとしているのは、映画や文学で得られる感情のバリエーションを、ゲームならではの力強いインパクトで語っていくことです。複雑な問題を扱っているので、いくつかのシーンでは重苦しい感情を抱いたり、決断が難しかったり、動揺させられることもあるでしょう。しかし、これは感情の一部であり、さまざまな感情を味わうことがゲームでもできるし、そんな作品をつくりたいです。

──重いテーマを扱う本作で、プレイヤーは楽しくて幸せな感情も味わえるのでしょうか。

全体的には暗いトーンであり、決して明るくハッピーな物語ではありませんが、それでも明るめのシーンはあります。とくに前半のいくつかのシーンでは、微笑んでしまうような感情を味わってもらえると思います。また、結末に関しても、多くのシリアスなエンディングに比べてハッピーに感じるエンディングもあります。

──チャプターが終了するごとにフローチャートが表示されるようになっていますが、それによってプレイヤーは物語の流れが遮断されたように感じることはないのでしょうか。

ひとつのチャプターが終わり、すぐに次のチャプターが続くという技術じたいは可能ですし、『BEYOND: Two Souls』では実装していました。そのうえで今回考えたのは、ひとつのチャプターを見届けて、何かを終えた感覚を与えたかったということです。フローチャートを挟むことで、ゲームプレイのペースやリズムを刻む効果もあります。

もちろん、盛り上がった感情の流れが滞ることはあるかもしれません。しかし、それよりも選択肢と分岐の多さを示し、プレイ意欲を高める効果が大きいと思います。開発には非常に長い時間を駆けて作り込んできたので、隠すよりも見せてあげたいという自信を持っていますし、体験したものは起こり得る可能性のひとつであり、膨大な物語が広がっていることを感じてもらいたいです。

──日本でもたくさんのファンが本作の発売を心待ちにしています。最後に、日本のPlayStation®ユーザーに向けてメッセージをお願いします。

このゲームに興味を持ってくれた日本のファンに感謝しています。日本のゲームファンはもちろん、日本のメディア、日本の開発者から多大な支援を受けており、私たちのつくる力になっています。私たちはこのゲームを楽しんでつくったので、みなさんも同じくらい楽しんでプレイしていただけると嬉しいです。

『BEYOND: Two Souls』や『HEAVY RAIN −心の軋むとき−』で私たちを好きになってくれた方もいると思いますが、『Detroit: Become Human』は最高傑作だと自負していますので、ぜひ楽しんでください。

5月8日(火)まで『HEAVY RAIN −心の軋むとき−』PS4®リマスター版が、PS Plusのフリープレイで配信中!

美しいグラフィック、人物描写と、心をえぐられるような物語が生む圧倒的な感情・没入体験が全世界で評価された『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』。Quantic Dreamが手掛けたアドベンチャーゲームの金字塔のPS4®リマスター版が、『Detroit: Become Human』発売決定記念として5月8日(火)まで、PlayStation®Plus加入者向けにフリープレイで配信されている。

愛は、どこまで貫けるのか──。人は、どこまで許されるのか──。究極の感情体験を生む本作を、PS4®で楽しもう!

『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』のソフトウェアカタログはこちら

ダウンロード版の通常版と『Digital Deluxe Edition』の予約受付中! PS Store限定予約購入特典はダイナミックテーマ!!

PlayStation™Storeでは、ダウンロード版『Detroit: Become Human』の通常版および『Digital Deluxe Edition』の予約を受付中! 予約購入後にゲーム本編の事前ダウンロードが可能になるので、発売日5月25日(金)の午前0時よりダウンロードを待つことなくプレイできる。

<ダウンロード版『Digital Deluxe Edition』商品内容>

■『Detroit: Become Human』ゲーム本編
■海外版デジタルアートブック(*)
■オリジナルデジタルサウンドトラック
■オリジナルPS4®用テーマ
* パッケージ版『Premium Edition』同梱の「日本特別編集アートブック」とは、内容が異なります。あらかじめご了承ください。

ダウンロード版の通常版と『Digital Deluxe Edition』共通のPS Store限定予約購入特典として、「Detroit: Become Human」予約特典ダイナミックテーマが付属! また、この予約特典ダイナミックテーマや『Digital Deluxe Edition』に収録されるオリジナルPS4®用テーマとは異なるPS4®用テーマも、早期購入特典として6月7日(木)まで付属する。
※「Detroit: Become Human」予約特典ダイナミックテーマは、予約購入の決済が完了した時点から使用できます。

<予約受付期間>
2018年3月2日(金) ~ 5月24日(木)

<価格>
通常版 7,452円(税込)
Digital Deluxe Edition 8,532円(税込)
※本コンテンツは、キャンセルできません。即座に決済されますので、ご注意ください。

<PS Store限定予約購入特典>
■「Detroit: Become Human」予約特典ダイナミックテーマ

※予約購入の決済が完了した時点から使用できます。

<早期購入特典>
■PS4®用テーマ
※2018年6月7日(木)まで付属します。

<自動ダウンロード開始日>
ゲーム本編および特典は、2018年5月23日(水)午前0時以降、ご予約いただいたアカウントに「いつも使うPS4®」として登録されているPS4®に自動的にダウンロードされます。

<プレイ開始可能日>
2018年5月25日(金)午前0時以降
※PlayStation™Networkにサインインした状態でゲームを起動する必要があります。

▼PS4®『Detroit: Become Human』のPS Storeでの予約購入はこちらから

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Detroit: Become Human

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:オープンシナリオ・アドベンチャー
・発売日:2018年5月25日(金)予定
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 6,900円+税
    パッケージ版 Premium Edition 希望小売価格 8,900円+税
    ダウンロード版 通常版 販売価格 7,452円(税込)
    ダウンロード版 Digital Deluxe Edition 販売価格 8,532円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)

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『Detroit: Become Human』公式サイトはこちら

©Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Quantic Dream.
※画面は開発中のものであり、最終仕様とは異なる場合があります。

©2016 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Quantic Dream.

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