楽しくて便利な要素を貪欲にとことん盛り込んだ『風来のシレン5 plus』の魅力をディレクター篠崎氏に聞く!【特集第2回/電撃PS】

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楽しくて便利な要素を貪欲にとことん盛り込んだ『風来のシレン5 plus』の魅力をディレクター篠崎氏に聞く!【特集第2回/電撃PS】

『不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス』は、『風来のシレン』シリーズ20周年記念作品。他機種で発売された『風来のシレン5』をベースに、追加ダンジョンや新システムが盛り込まれている。今回は本作のディレクターである篠崎氏に、本作の魅力や制作秘話を伺った。

株式会社スパイク・チュンソフト『風来のシレン5 plus』ディレクター
篠崎 秀行 氏

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前回までの記事はこちら

『風来のシレン』がPS Vitaに初登場! シリーズ20周年記念作品の魅力に迫る!【特集第1回/電撃PS】

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■『風来のシレン』20周年記念作品として開発はスタート

今年は『風来のシレン』がちょうど20周年ということで、このタイミングに合わせ、2014年の春くらいから『シレン5 plus』の開発をスタートさせました。

前作にあたる『シレン4 plus』は2012年にPSP®「プレイステーション・ポータブル」で発売しましたが、ほかの作品と比べてダウンロード販売数が非常に好調だったんです。PlayStation®Vitaはソフトをダウンロードで購入しやすいので、本作とよい組み合わせだと思っています。

『シレン5 plus』は、元々の『シレン5』を大切にしてあまり変えずに、楽しい要素や便利な要素をプラスするというコンセプトで開発しています。ですから『シレン5』で実装されていた部分については、バランス調整なども含めてあまり手を加えていません。そのかわりに、新ダンジョンではシリーズ初となるような新しいことにも挑戦しています。

■『シレン5』から追加された要素を振り返る

『シレン5』には、新しい効果を持った道具が作れる「新種道具」というシステムがあります。武器や盾を合成して自分だけの装備を作るのが『シレン』シリーズの楽しみのひとつですが、道具についても自分だけのオリジナル品を作れるようになるとおもしろいですよね。武器や盾とは違って自由に合成ができるわけではないのですが、何度も試してさまざまな道具を作り出してもらいたいですね。

「新種道具」が最も出現するのは、メインシナリオのダンジョンです。『シレン』シリーズは、メインシナリオを簡単にクリアしてしまうような昔からファンの方がいる一方で、何度挑戦してもクリアできない方もいらっしゃいます。「新種道具」を登場させたのは、そういう方の力になれればという意図もありました。

2人で協力プレイと対戦プレイができるようになったのも『シレン5』からです。「『シレン』を複数人で遊べたらきっと楽しい」と昔から考えていたのですが、どのような形にするのがベストかを長く研究し、『シレン5』でようやく実装することができました。大部分が1人用とは異なるプログラムで動いているのですが、あまりそのようには見えないかもしれませんね。

どちらのモードでも基本的にはリアルタイムで待ち時間なく操作ができます。対戦の場合、マップの形や落ちている道具は2人とも同じですが、相手に先に取られた道具は自分のマップからはなくなってしまいます。また相手のマップに魔法弾を放つと、相手を妨害することも可能です。一方、協力プレイではひとつの道具袋を2人で共有します。あまり「シレン」に慣れていない人でも、うまい人と一緒なら十分に楽しんでいただけます。

『シレン5』ではほかにも、さまざまな要素を追加しました。「仲良しの証」は、同じ種類のモンスターがワラワラとたくさん味方になってくれるのが、今までにない形でおもしろいと思いますよ。間違ってそのモンスターを攻撃してしまうと、証が壊れて敵に戻ってしまう点には注意してくださいね。

「スーパーシレン」は、発生したらラッキーな、宝くじ的な要素として入れました。突然発生して「スーパーシレン」の力でピンチを脱するなど、ランダム性によってさまざまなドラマを生み出す『シレン』らしいおもしろさになるかなと思っています。完全に運まかせの要素ではなく、「スーパーシレン」を継続させるコツもありますので、こちらも試してみてほしいですね。

シリーズ未経験の初心者の方に「倒されたらレベルが1になって装備や道具もすべてなくなってしまうのはツライ……」という感想を持たれることが多かったので、冒険に失敗してもコツコツと溜められる要素として「ポイントカード」という要素を導入しています。集めたポイントで、冒険を有利に進めるための、かなり役立つ道具が手に入りますので、冒険の心強い味方になってくれるはずです。

『風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!』で「白発白中の腕輪」などの”まがいもの道具”が登場していましたが、本作にも「まがいもの道具」がありますので、ご注意ください。

■さらに! 『シレン5 plus』で追加された新要素について

『シレン5 plus』には最初から5つの新ダンジョンが入っているのですが、その後も無料のダウンロードコンテンツとして新しいダンジョンを配信していきます。今回の開発では、ダンジョン制作担当に新しい人間を何人か追加していて、彼らが今までにはなかった発想で、新しいダンジョンをいろいろ作ってくれています。ぜひ楽しんでもらいたいですね。

今までは「特定の道具が落ちていない」「出てくるモンスターが強い」などを調整してダンジョンを作ることが多かったのですが、今回は「フロア内に場違いな強敵が1体出現し、倒しても即座に補充される」といったように、通常とはルール自体が変わっているダンジョンも追加されています。

個人的によくプレイするのは、「ハンターの池」という新ダンジョンです。道具が落ちていないかわりに倒した敵が必ず道具を落とすダンジョンで、どのタイミングで粘って道具を稼ごうかと判断する部分や、壁がないので浮遊系のモンスターがシレンに向かって一直線で集まってくることの対処を考える部分が魅力だと思っています。

なお新ダンジョンには、チュートリアルが終わったらすぐに挑戦できます。本編をクリアする必要はないので、新ダンジョンが目当ての方もすぐに遊んでいただけます。

新ダンジョン以外にも、ワイド画面への対応やトロフィー機能の追加など、さまざまな新要素を追加しました。もともとが他機種版のゲームで、ドット数が非常に少なかったので、イベントシーンなどをワイド画面に対応させることは骨が折れましたが、かなりうまくいったと思います。

細かい部分なので積極的には発表していませんが「受けたダメージがキャラクターの近くに表示される」「×ボタンを押しながらスタートボタンを押すと、即座に冒険をやり直せる」「テキストウィンドウの文字を大きくできる」なども新しい部分ですね。とくに文字の大きさについては、昔から遊んでくださっているファンの方のためにも入れようということで、採用しています。

新要素といえば、セーブデータを引き継げる体験版を配信するのは今回が初めてです。体験版ですから行けるダンジョンはひとつで、仲間とのイベントなどが発生しないようになっていますが、それ以外の部分、例えば装備の合成や強化、道具の収集などは本編と同じように制限なくできます。

「体験版で満足されてしまわないか?」という意見もあったのですが、シリーズ初心者の方に「シレン」のおもしろさを体験してもらうため、このような体験版となりました。体験版で鍛えた装備を本編に引き継いで、一気に道具持ち込みアリの新ダンジョンに挑戦してもらうのもおもしろいと思います。

■『シレン』20周年記念サイトも公開中

僕が初めてプレイした「シレン」は、高校生のときに遊んだ1作目の『風来のシレン』です。友だちと電話で話しながら、どっちが先にテーブルマウンテンをクリアできるか、リアルタイムアタックをしていましたね。その頃から『不思議のダンジョン』は好きなゲームでした。

そのあと『トルネコの大冒険2』をプレイして、縁があってチュンソフトに入社することになりました。最初にやったのは『トルネコの大冒険2』のUSA版のデバッグです。その後も「不思議のダンジョン」シリーズの多くに関わってきました。振り返ってみると、あっという間の20年でした。

『シレン5』の発売から約5年が経過して『シレン5 plus』となります。当時プレイした方も、あらためて『シレン5 plus』で遊んでいただけるとうれしいです。「シレン」で遊んだことがない方や、昔は遊んだけど最近は遊んでいないという方は、まずは体験版だけでも遊んでみてください。20周年の記念サイトも公開されていますので、今後もそこからいろいろと情報を発信していきたいと考えています。


次回はいよいよ発売当日! 新ダンジョンを中心に『シレン5 plus』の新要素を改めて紹介していく。

『不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス』公式サイトはこちら

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