PlayStation®.Blog
PlayStation®.Blog

【TGS2018レポート】侍の文化が秘める美しさ。『Ghost of Tsushima』(仮称)のこだわりを開発陣が熱く語る!

by PS.Blogスタッフ 2018/09/21

◆2018年9月21日(金) 記事中の一部内容を修正し、更新いたしました。


侍をテーマにする魅力とこだわりを開発陣に直撃!

PlayStation®4用ソフトウェア『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』(仮称)は、「inFAMOUS(インファマス)」シリーズなどの世界的ヒット作品を手掛けたSucker Punch Productions(サッカーパンチプロダクションズ)の最新作だ。

本作は、1274年の元寇を描いた、オープンワールドの侍アドベンチャー。物語の舞台は、日本の鎌倉時代中期、変革の時代の中、プレイヤーは1人の侍(ジン・サカイ)となり、日本の歴史や時代劇の象徴とも言える、復讐や希望をテーマに冒険をしていく。




千葉・幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ2018」にて、本作のメディアセッションが行なわれた。Sucker Punch Productionsでクリエイティブディレクター/アートディレクターを務めるJason Connellと、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のプロデューサーである片見龍平に話を訊くことができたので紹介しよう。


Sucker Punch Productions クリエイティブディレクター/アートディレクター
Jason Connell


ソニー・インタラクティブエンタテインメント プロデューサー
片見龍平



中世日本と侍の文化に魅了されて生まれた作品


――改めて、なぜ「侍」や「対馬」を題材にしようと考えたのか教えてください。


Jason:本作を企画した段階では、侍をテーマにしたゲームが少なくなっていたので、自分たちで作ってみたいと思ったのが一番の動機です。侍はもともと人気があり、侍になってみたいと思う人も多くいます。漫画、アニメ、映画などで取り上げられていますし、「スター・ウォーズ」のように西洋で作られた映画でさえも侍の影響を受けていると言えるでしょう。

そこで日本の歴史を調べてみたところ、それまで知らなかった「元寇」というものが非常に興味深く、ストーリーを作り得る題材だと感じたのです。80名の侍が数千ものモンゴル軍を撃退するために突撃した、勇敢な行動に心惹かれました。


――このゲームで表現したかったこと、一番伝えたいと思われたことを教えてください。


Jason:ひとつは、世界中のプレイヤーに"侍になった感覚"を味わってほしいということです。刀の振り方、足の運び方、馬に乗る姿......。一挙手一投足のすべてを侍として感じてほしいと思っています。もうひとつは、対馬という島を自由に探索できること。中世日本の美しい世界観を感じてもらいたいです。


片見:ゲームの体験を通して、世界中の人が日本に興味を持ってもらいたいと思います。それが達成できれば開発としては成功と言えるでしょうし、とても嬉しいことです。



――中世日本の情景のどのようなところに美しさを感じますか?


Jason:私はアーティスト出身なので、アートの部分で語らせてもらうと、中世日本を表現したさまざまな芸術作品において、無駄なものを省くミニマリズムが心に残りました。黒澤監督作品も一見すると派手なようですが、そこにはある種のミニマリズムが感じられます。草や木が動いている平原の中に、侍が佇んでいるような"静"の感覚は非常に美しいと思います。

取材で初めて対馬に訪れたとき、季節は春でした。緑豊かな草木やさまざまな植生があり、その美しい風景に心を奪われました。


片見:西洋の人々からすると、中世日本の文化はあまり知られていない部分です。そのため興味を惹かれ、特に侍の文化に魅力を感じる人は多いですね。



――影響を受けた日本の作品などはありますか?


Jason:このプロジェクトにはNate Foxと私(Jason)のクリエイティブディレクターがいて、2人とも侍を題材にした作品が好きです。黒澤明監督の「用心棒」や「七人の侍」、個人的には「乱」が特に好きですね。三池崇史監督の「十三人の刺客」も気に入っています。Nateは「兎用心棒」(Usagi Yojimbo)という日系アメリカ人が描いた時代劇漫画が非常に好きです。もちろん、最近の侍ゲームもよく遊んでいます。


――オープンワールドの魅力や制作上の苦労、工夫した点などを教えてください。


Jason:オープンワールドのゲームを作るのは大変です。プレイヤーが遠くの山を見たら、そこに行けるようにしてあげたいと思って制作していますが、これを続けているとゲームがどんどん巨大になり、とても苦労します。しかし、その苦労に見合う価値はあると思っています。


片見:侍には、常に旅をしているというイメージがあり、オープンワールドはその表現に最適な設定です。プレイヤーに自由度を与えることで、その時代にタイムスリップした感覚で旅を楽しめるようになります。


――スタジオとして大切にしていること、こだわっていることがあれば教えてください。


Jason:とてもオープンな空気があり、誰でも意見を言えます。どんなアイデアや批判にも、耳を傾けることを身上としています。誰かが熱意をもって語ることには、みんなが耳を傾ける。どのスタジオでも、すべての人にその機会が与えられているわけではないと思いますし、民主的な考えがあるのはSucker Punch Productionsの良いところだと思います。


片見:本作の開発で面白いのは、スタジオとしてできるだけミニマルな表現を目指そうとしているところです。ゲーム制作ではなんでも盛り込みたくなりがちですが、そこを徹底的にそぎ落とし、大事なものだけを残す作り方をしています。そのためにJasonはいつも苦労していますが(笑)。


Jason:コンテンツを詰め込みすぎると、プレイヤーが自由な感覚を得られなくなります。あれもこれもやらなければと、ミッションや任務に追われるようになってしまうのです。そうではなく、ときには旅の途中で風景を眺め、写真に収めたくなるような気分が本作には合っていると思います。

もちろん、他の舞台を題材にしているのなら、こうした作り方にはならないでしょう。「inFAMOUS」シリーズはグランジミュージックがガンガン鳴り響く賑やかな雰囲気でしたが、それはシアトルという都市の一面を反映しているからです。本作がミニマリストなアプローチになっているのは、日本の風土や文化を反映しているからこそです。



時代劇の世界に入るような"理想化された日本"を表現


――アメコミ表現の「怪盗スライ・クーパー」、現代都市に超能力の光が映える「inFAMOUS」など、Sucker Punch Productionsの作品には印象的な映像表現が多くあります。本作の映像表現の特徴やこだわりを教えてください。


Jason:今回の作品で表現しているのは、端的に言えば"理想化された日本"です。例えば黒澤監督作品に見られるような、雨が降ればとても激しく、風が吹けば周囲が大きく揺れ動くような、ドラマティックでありながら現実の日本を理想化した姿を描いています。現実の日本そのものというよりは、時代劇で理想化された日本の中をプレイヤーに歩いてもらいたいと思っています。


片見:時代劇に寄せた表現になっていると思いますし、静と動の対比がさまざまなところで見られます。その美しい風景や表現にぜひ注目してほしいです。


Jason:平和で美しい風景に、激しい戦いが突然持ち込まれたわけです。この静穏と暴力の対比も表現の特徴となっています。



――主人公のジンが女性武芸者のマサコと決闘するシーンは、大量の紅葉が舞い散りとても印象的でした。


Jason:「inFAMOUS」では超能力の表現のため、パーティクルを使う技術を開発しました。本作に超能力は登場しませんが、その技術は使いたいと思い、植物の表現に利用しています。木の葉が舞ったり、草木が揺れたりする様子は、ほかのゲームに比べてとてもダイナミックだと思います。これは理想化された日本、フィクションで描かれる日本を具体的に表現した例だと言えると思います。



――自然の音を表現するサウンド面の特徴を教えてください。


Jason:環境音の収録は、JAPAN Studioのスタッフにも協力してもらいました。現在の日本に生息する動植物の音を録ってもらい、その一部をゲームで使っています。驚いたのは、日本のシカの鳴き声が我々の想像よりはるかに高音だったことですね。同じシカでも、北米と日本では鳴き声が異なり、その違いを表現できました。



達人たちのサポートにより実現した、リアルかつ印象的なアクション


――侍の体の使い方や剣さばきなど、モーションとしての特徴をどのように捉えて表現しているか教えてください。


Jason:本作はSucker Punch Productionsの全員で取り組んでいますが、特にモーションに関してはアニメーションチームが責任を持って制作しています。彼らは、日本人の動きを教えてくれる人に学び、キャラクターがどのように動き、どのように戦うのかも深く研究しました。

それ以外にも、映画に出てくる有名なキャラクターが見せるカッコいい動きも分析しています。例えば「用心棒」の三船敏郎さんが肩で風を切って歩く様子など、特徴的な動きを学んだうえでゲームのアニメーションに取り入れています。


片見:キャラクターごとにクセを変えるなど細部までこだわっているので、プレイヤーの印象に残る動きになっていると思います。ゲームのモーションは派手に見せたくなるものですが、本作はリアルに寄せた動きが特徴です。



Jason:Sucker Punch Productionsの公式Twitterでもツイートしていますが、天心流という江戸時代から続く武芸の流派から宗家の達人をお招きして、動きの研究やキャプチャーをしました。戦闘アクションの担当チームはとても興奮していましたが、じつは戦闘シーンだけでなく、普段の立ち居振舞いじたいも同じくらい興味深く、研究する価値のあるものでした。


――モンゴル兵は敵として描かれますが、侍とは異なる特徴の動きを取り入れているのでしょうか。


Jason:本作は多くの方の協力を得て制作していますが、その中に刀の使い方に関するエキスパートがいます。さまざまな刀の使い方に精通していて、モンゴルの刀の扱いも学んでいたので、日本とモンゴルの違いを対比的に描けるようアドバイスをもらいました。

本作では動きのリアリズムを追求していますが、必ずしもそれだけではありません。プレイヤーは日本人の目を通して物事を見るので、そこで感じてほしいことが伝わるような表現も心掛けています。日本人から見るとモンゴル兵は侵略者であり、恐ろしい敵です。それを表現するため、モンゴル兵はより攻撃的で、秩序なく荒々しい動きをします。実際にその動きをしたかというより、おそらく日本人の目にはそう映ったであろう動きにしています。


――本作のアクションは流れるように美しく、迫力もあります。一方で、実践するには操作が難しそうな印象を受けましたが、アクションが苦手なユーザーでも楽しむことはできますか?


Jason:世界中のプレイヤーに侍になる感覚を味わってほしいと言いましたが、それは場所としての広がりはもちろん、どんなプレイヤーにも楽しんでほしいという思いもあります。侍の道を極めるには、ある程度の熟練は必要ですが、できるだけ多くの方に楽しんでもらえるようにするのも、開発の重要なポリシーです。

片見:操作としては非常に入りやすいものになっているので、安心して遊んでいただけると思います。



――日本のユーザーからは、「侍の文化や思想へのリスペクトが感じられて楽しみ」といった声が寄せられています。期待している日本のPlayStation®ユーザーへのメッセージをお願いします。


Jason:日本の方々からそうしたフィードバックをいただけるのは本当に嬉しいです。本作の開発ではプロデューサーの片見さんやJAPAN Studioに助けていただいていますが、他の国の歴史や文化をテーマにした作品においては、学ぶ姿勢というものが大切だと自戒してきました。そうやって作ってきたものが、ファンのみなさんから日本文化へのリスペクトを感じると言ってもらえるのはとても嬉しいです。ありがとうございます。


片見:これまでにない、日本を題材にしたゲームです。ぜひ楽しみに待っていてください。



------------------------------------------

Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)(仮称)

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アクション/アドベンチャー
・発売日:未定
・価格:未定
・CERO:審査予定

------------------------------------------

PS.Blogの『Ghost of Tsushima』(仮称)記事はこちら

------------------------------------------



------------------------------------------

PS.Blogの「TGS2018」記事はこちら

------------------------------------------

©Sony Interactive Entertainment LLC.

記事を探す
トップに戻るボタン