松風雅也さんが20年越しで語った「シェンムー」エピソードの数々【特集第3回/電撃PS】

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松風雅也さんが20年越しで語った「シェンムー」エピソードの数々【特集第3回/電撃PS】

現在大好評発売中のPlayStation®4用ソフトウェア『シェンムー I&II』。その特集企画のラストとなる今回は、ソフトの発売日である11月22日(木)を目前に控えた11月14日(水)にインターネットで生配信された、”『シェンムー I&II』発売直前!「シェンムー」を語ろう!業界人座談会”の模様と、放送終了後に行なわれた座談会の模様をお届けします。

『シェンムー I&II』発売直前!「シェンムー」を語ろう!業界人座談会はこちら

この番組は、「東京ゲームショウ2018」のセガブースのステージにて開催された”「『シェンムー』好き著名人座談会」”が大好評だったことを受けて、前回と同じメンバーが集結して、時間も2時間と拡大されて行なわれた第2弾です。

番組のMCをなんと、「シェンムー」の主人公・芭月涼(はづきりょう)役を演じている松風雅也さんが担当。ゲストに週刊ファミ通編集部の堅田ヒカルさん、電撃ゲームメディア編集部の西浦俊也さん、フリーアナウンサーでこの番組では4Gamer.netの1日編集部員という肩書きの村田晴郎さん、IGN Japan編集部のクラベ・エスラさんというゲーム業界人4名が登場して、「シェンムー」について熱く語り合うというもの。

そして番組のラストでは、トークの内容や「シェンムー」カルトクイズ、ミニゲームの実機プレイの結果などを総合して、『シェンムー I&II』日本語版ローカライズプロデューサーの笠原英伍さんと、日本語版ローカライズディレクターの野口博司さんにより、ゲスト4名のなかから”シェンムーリスペクトチャンピオン”が決定されます。

写真左より堅田ヒカルさん、西浦俊也さん、村田晴郎さん、クラベ・エスラさん。

写真左より笠原英伍さん、野口博司さん、松風雅也さん。

生放送で、20年ぶりに公表されたキャラクターの初期デザインや私服姿が明らかに!?

東京ゲームショウのステージでは、オランダで生まれて「シェンムー」をプレイして大いに影響を受けた結果、ついには日本で暮らすようになったという、まさに「シェンムー」によって人生が変わったエピソードを披露したクラベさんが、”初代シェンムーリスペクトチャンピオン”に選ばれました。

ちなみにクラベさんは、香港や中国の桂林(けいりん)をバックパッカーとして旅行するという、「シェンムー」の”聖地巡礼”を行なったことがあるとのこと。今回の番組の冒頭では、桂林の川下りで実際に使用したオールを披露して、初代チャンピオンの実力をさっそくアピールしていました。

オールの表面には、旅先でクラベさんが出会った人々によるメッセージがびっしりと書き込まれていて、まさに「愛すべき友を持て」という名セリフを実践したことがわかります。

ほかのゲストのみなさんも、「『シェンムー』のここがすごい」「『シェンムー』お気に入りの楽曲」といったトークで、それぞれの”「シェンムー」愛”を主張。さすがにこれでは決着がつかないので、4名で開発スタッフが用意したクイズに挑戦することに。

このクイズが「『シェンムー 一章 横須賀』のある場所に停められているタクシーの会社名は?」「『シェンムーII』に登場する文武廟(ぶんぶびょう)の天井からぶら下がっているグルグル線香の数は?」といった超難問ばかりで、さすがにゲストのみなさんも大苦戦していました。

さらにこのクイズの問題では、「涼の幼なじみである沢野麻衣の初期デザインは、スケバンのようなルックスだった」「『一章』の開発当初、原崎望の代わりに敵にさらわれていたのは、芭月武館の福さんだった」と、これまで世の中に公表されていなかった新情報が明らかに。これには20年来の「シェンムー」ファンを自負するゲストのみなさんも、大いに驚いていました。

こちらが沢野麻衣の初期デザイン。清純で愛らしい雰囲気の製品版での見た目とは、かなりのギャップがあります。

ゲームの中ではずっと道着を身につけていた福さんですが、今回の生放送で私服姿のCGが明らかに。

また生放送の後半では、ゲストのみなさんが『シェンムーII』でプレイできるミニゲームにチャレンジすることに。上から玉を落として二重丸のマスに入れば勝ちになる”落とし玉”では、堅田さんの玉がいったんマスに入ったものの、バウンドして飛び出す衝撃的な展開が発生! その後も、誰も二重丸に入らないという結果になったものの、放送は大いに盛り上がりました。

続いては、香港の路地を舞台に繰り広げられる”アヒルレース”で、ゲストのみなさんが”勝ちアヒル”を予想するゲームに挑戦です。パドックのコメントを参考に、3名が白のアヒルを選ぶなか、村田さんだけがあえて黒のアヒルを選択。するとレースでは、ゴール直前で黒のアヒルが先頭のアヒルを差しきって勝利するという、ドラマチックな展開に! これにより見事、村田さんの勝利となりました。

トークやミニゲームの結果を総合して、開発スタッフの笠原さんと野口さんがジャッジした結果、”二代目シェンムーリスペクトチャンピオン”は、週刊ファミ通編集部の堅田ヒカルさんに決定! こうして2時間に渡った生放送は幕を閉じました。

まだまだ話し足りない出演者による、業界人座談会の延長戦を開催!

生放送終了後も、ゲストのみなさんは「シェンムー」についてまだまだ話し足りない様子。そこでゲストの4名にMCの松風さんと、開発スタッフの笠原さんと野口さんを加えた出演者全員で、生放送終了後に”延長戦”の座談会を行ないました。こちらも「シェンムー」開発当時の貴重なエピソードが次々と飛び出す、必見の内容になっています。

──堅田さん、見事に二代目チャンピオンに選ばれまして、おめでとうございます! 

堅田さん:ありがとうございます。でも本当は、クラベさんの聖地巡礼話をもっと聞きたかったんですよ。番組でも言いましたが、前回のステージのあとに露天風呂でクラベさんとお話ししたんですけど、その時に「桂林の川辺で野宿しようと思ったら、家に泊めてくれた」みたいな話をしていて、「マジか!」って思いましたから。

クラベさん:でも今日、堅田さんの話を聞いて、僕はオランダで堅田さんは富山でと、ぜんぜん違う場所にいても、このゲームから感じたことは同じなんだなって思いました。ちなみに僕は、日本に最初に留学してきた時は富山にいたんですよ。

松風さん:えっ、そうなんですか! これは縁がありますね(笑)。

──松風さんは今回、MCとして出演されていましたけど、生放送の様子を見ていて、「シェンムー」についていちばん語り足りないのは、じつは松風さんなのでは、と思ったのですが? 

松風さん:今日、みなさんのお話を聞いていて、「僕らが当時やろうとしていたことが、ちゃんと伝わっていたんだ」って、すごく感激しました。僕らはスタジオの閉鎖空間でこのゲームを作っていたので、作品が世界中に届くとか、そういったことはぜんぜん実感がなかったんです。けれども20年経った今、こうして改めて語ってもらえるというのは、本当に嬉しいですね。

笠原さん:当時開発していた僕らは、TVの業界で活躍しておられた松風さんと一緒にお仕事ができて、本当に楽しかったです。僕がマットを持って構えているところに、キャプチャースーツを着た松風さんが、全力で体当たりしてきたりして(笑)。

松風さん:「シェンムー」に出演している声優のなかで、モーションキャプチャーまで演じているのは僕だけなので。藤岡弘、さんも少しだけやられていますけど。僕は数年間、ほとんど毎日のように羽田のセガ社内にあるスタジオに通って、開発スタッフのみなさんとずっと一緒にいたので。

村田さん:当時の雑誌記事で読んだんですけど、アフレコの台本が自分の背丈ぐらいあったそうですね。

松風さん:そうなんですよ、なにしろ収録のノルマが1日に400ページでしたから(笑)。それがあったから今、声優の仕事ができているので。だから僕自身の人生も「シェンムー」で変わったんです。

村田さん:生放送のなかで松風さんが、「武術のリアルを追求したら、見た目が地味になりすぎたので、それで俳優の自分に武術を学ばせた」とおっしゃっていましたが? 

松風さん:本物の達人なら動きは綺麗だけど、それだとおもしろくないと。そこで僕が少林拳の基本を習って、さらに八極拳を練習して。そうするとバトルだけじゃなくて、涼が立ったり座ったりする時に、その動きが自然にちょっと出るのがリアルなんだ、という考え方でしたね。本当に強い人だと動きが美しすぎて、僕みたいにはならないと。

堅田さん:涼もまだ精神的にも武術の技術も発展途上の人間なので、きっとそこが上手くシンクロしたんでしょうね。

松風さん:だからQTEのアクションも、涼はちょっと重いんですよ。なぜなら僕が全部やっているから(笑)。2人が手錠でつながれて逃げるところを収録する時なんて、もう手首がアザだらけですよ。実際に手錠をつけて演じているので。そうじゃないと、引っかかった感じが出ないですから。

芭月涼役の松風雅也さんと当時の開発スタッフが語る、20年ぶりの復活への想いとは?

西浦さん:それにしても、クイズの問題には驚きましたよ。「シェンムー」の開発当時から20年経っても、まだ僕らの知らない情報が出てくるんですから。

野口さん:今回のクイズはとにかく「みんなが答えられないよう問題を作ってくれ」と言われたので(笑)。

クラベさん:情報が表に出てない問題なんだから、答えようがないですよ(笑)。沢野麻衣ちゃんの初期デザインは、本当に今日が初公開だったんですか? 

野口さん:初公開ですね。別のキャラとして使ったりもしていないので。

堅田さん:放送のなかで「過去の資料がいろいろと入っているフォルダが発掘された」というお話がありましたが? 

笠原さん:実際にはどこかに秘密のフォルダがあったわけではなくて、開発に携わった人たちがそれぞれ自分のPCに保存していたものを、今回の『シェンムー I&II』を機にかき集めたんです。

野口さん:今回の『シェンムー I&II』に携わらせてもらったおかげで、あちこちに残っていた当時のいろんなデータをサルベージして、みなさんに提供できるようになりました。ですから20年越しでようやく陽の目を見たような資料も、たくさんあると思います。

松風さん:野口さんや笠原さんは当時、僕らが出演しているムービーシーンの開発を担当されていましたから。実写映画のスタッフさんたちがモーションを撮影していて、それをゲームの世界に落とし込む橋渡し的な役割をされていたので、大変なこともすごくあったと思いますけど。

野口さん:松風さんにせっかくカッコイイ演技をしてもらったんだから、がんばっていいカメラワークをつけて、カッコ良く見せようって。

笠原さん:何もないスタジオでモーションを撮影しているんですけど、映画の世界のスタッフさんたちは「このカメラの奥には何があるの? どんな木が立ってるの? その木には花が咲いてるの?」みたいに、すごく細かく聞いてくるんです。最初はそんなに細かく考えていなかったので慌てていたんですけど、そこからは二度と焦らないように、ちゃんと考えるようになりましたね。

松風さん:参加されていた実写映画のスタッフのみなさんも、ゲームの映画的アプローチを本気で撮ろうというスタンスでしたから。そのために僕らが呼ばれて来ているので。『一章』のオープニングで親父が殺される場面でも、僕は本当に首のところから吊られて、死ぬかと思いましたからね。モーションキャプチャーだって言ってるのに(笑)。

野口さん:それが「シェンムー」のリアリティですから(笑)。映画監督だったり、建築デザイナーだったり、音楽家だったり、いろんな業界の人たちが集まってゲームを作るというのは、今では当たり前になりましたけど、20年前の当時はかなり新しい試みでしたね。

──その部分でも「シェンムー」が先駆けていたんですね。

松風さん:今回の『シェンムー I&II』を遊んでから、今、僕も制作に参加している『シェンムーIII』を遊ぶと、めちゃくちゃ鳥肌が立つと思いますよ。なにしろシナリオチームには、当時のメンバーがかなり揃っているので。

村田さん:そういった意味では、松風さんも開発者ですよね。完全に「シェンムー」の一部ですよ。

松風さん:当時の開発スタッフは僕に限らず、みんな「シェンムー」に人生を賭けていましたから。笠原さんや野口さんみたいに今でもご健在な方もいるんですけど、なかには人生を賭け過ぎちゃった人もいるので。だから僕は、20年ぶりのリベンジだと思っています。「あの時やって良かったな」と、当時関わっていたみんなが言えるように。

クラベさん:当時のスタッフである笠原さんや野口さんは、20年ぶりにこうして「シェンムー」が甦ったことについて、どういうお気持ちなんですか? 

笠原さん:僕は当時を振り返ると、本当にイヤな思い出しかないんですよ。

全員:(爆笑)

堅田さん:これ、PlayStation®公式のブログに書いちゃっていいんですか(笑)。

笠原さん:僕は当時、鈴木裕さんにいちばん怒られた立場なので。ただそのぶん、自分がいちばんがんばったとも思っています。だから当時、鈴木裕さんが伝えようとしていたものを、今の時代にちゃんと伝えたいと思っているんですよ。まだ、いろいろと伝えきれていない部分もあると思うので。

クラベさん:当時は「シェンムー」のストーリーの全貌が見えないまま、終わってしまいましたから。こうして語り合っている我々だって、間違っているかもしれないし。

村田さん:その謎めいたところが逆に、伝説のゲームになったわけですから。

西浦さん:後ろに立っているセガゲームスの人が「そろそろ終わり」という顔をしてますよ(笑)。

──このままだと朝までお話が止まらないですよね(笑)。本日は生放送終了後も遅くまで、どうもありがとうございました! 

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シェンムー I&II

・発売元:セガゲームス
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アクションアドベンチャー
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 3,990円+税
    パッケージ版 限定版 希望小売価格 5,990円+税
    ダウンロード版 販売価格 4,309円(税込)
    ダウンロード版 限定版 6,469円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)

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