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【PS VR】宇多田ヒカルの12年ぶりの国内ツアーをVRで再現! "光""誓い"VR映像の撮影現場をレポート!

by PS.Blogスタッフ 2018/12/25

11月7日(水)、宇多田ヒカルのライブステージのVR用コンテンツ『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』の撮影が行なわれた。会場は、国内ツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」が開催される横浜アリーナ。前日からVR撮影用の機材が運びこまれ、入念なリハーサルを重ねたうえでライブ本番前に"光"(ゲームソフト『KINGDOM HEARTS』テーマソング)と"誓い"(ゲームソフト『KINGDOM HEARTS III』エンディングテーマソング)の2曲が収録された。



このVRコンテンツで目指したのは、宇多田ヒカルのツアー会場にいるかのような臨場感。彼女が熱唱する姿を目の前で観たり、会場全体の演出を見渡したりと、2曲の映像をマルチアングルで楽しめるようになっている。

よりリアルな臨場感を演出するため、"光""誓い"ともに3種類のカメラ・撮影方法で収録を行なうことに。はじめに、4Kステレオ・3Dクレーンカメラで正面から近寄ったり離れたりしながら撮影。続いて、同じクレーンカメラで宇多田ヒカルの左右を回り込むように撮影する。最後に、6K・180°カメラで引いた画、中間の画、寄った画を同時に撮影していく。いずれも、使用したのはソニーの業務用機材だ。

この3パターンを別々に撮り、後日編集により1本のVR映像コンテンツに仕上げていった。撮影ディレクションは、映画やテレビCM、ミュージックビデオ、VR映像の制作で有名なROBOTが担当。監督を務めるのは、宇多田ヒカルが16歳の頃からミュージックビデオやツアー映像を撮影してきた竹石渉さんだ。



"光"──ステージ上を歩くパフォーマンスで、観る者を魅了

機材の最終調整、バンドやストリングスのメンバーを交えた音響・照明のリハーサルが終わると、いよいよ黒いロングドレスをまとった宇多田ヒカルがステージへ。まずは"光"の撮影だ。

しばらく、竹石監督と言葉を交わす宇多田ヒカル。収録後に監督にうかがったところ、「VRではどのような動きが効果的かをディレクションしていた」とのこと。「例えば、遠くからカメラに近寄っていくと、観ている人は宇多田ヒカルが自分のほうに近づいてくるように感じます。また、カメラに目線を合わせると、本当に見つめられているような気持ちになるんです。手を伸ばせば立体感が出て、宇多田ヒカルがこちらに飛び出してくるような感覚に。そういった"VRでグッとくる動き"についてアドバイスをしました」と竹石監督は話す。



"光"では、宇多田ヒカルが階段を下りてステージ前方に近づいたり、後方へと下がって振り向いたりという動きがある。収録前に、まずはそのシーンを確認し、どのタイミングで歩きだすか入念にチェックしていく。歩くタイミングとスピードが決まったところで、いよいよ本番スタートだ。

撮影が始まると、監督はステージ下でPS VRのVRヘッドセットを装着。PS VRでは映像がどのように見えているのか、ユーザーと同じ環境でチェックしていく。クレーンカメラを操作する人、監督と同じようにVRヘッドセットで映像を確認する人、モニターをチェックする人など、20名近いスタッフが一気に宇多田ヒカルのパフォーマンスに集中する。



だが、早々に一時中断。曲のサビで自然にカメラを見て歌えるタイミングについての議論が交わされ、歩き出しのタイミングさえ決まれば、あとはスムーズに撮影が進む。最初のカメラでの撮影が無事終わると、続くテイクは一発OK! 監督からも「今の表情、最高でした」と賛辞が送られる。

ラストの、高解像度180°カメラを使っての撮影まで難なく乗り越えていた。



"誓い"──集中力を発揮し、圧巻のパフォーマンスを披露


黒と白のドレスに衣装チェンジすると、続いては"誓い"の撮影に。"光"はメインステージを使ったが、この曲ではアリーナ中央に据えられたアイランドステージでの撮影となる。

この曲でも、カメラを替えて3つのアングルから収録。監督からは「顔の角度や動きをつけると、より素敵に見えます」というアドバイスも。譜割が特徴的な楽曲とあって、リズムを取る宇多田ヒカルの手の動きもVR映えしそうだ。



今回のVR撮影はワンカット、つまり曲が始まったらそのまま最後までカメラを回し続ける手法を採っている。つまり何か問題が生じても、途中から撮り直すのではなく改めて一から撮影しなければならない。それでも、宇多田ヒカルの集中力が途切れることはない。指先にまで神経が行き渡り、まっすぐな視線、うつむいた瞬間の翳りある表情からは感情があふれ出している。震えが走るような圧巻のパフォーマンスに、撮影スタッフも息を飲むほどだった。



そのまま、カメラを替えてラストテイクも1テイクで完了。約2時間弱にわたる2曲のVR撮影は終了となった。

「動くカメラや立体視など、新たなVR表現への挑戦」──監督&プロデューサーインタビュー

撮影後、竹石監督とチーフプロデューサーの髙橋良昌さん(共にROBOT)にインタビューを実施。『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』で目指した映像、撮影の裏側について話をうかがった。



──今回のVR映像の撮影コンセプトをお聞かせください。


竹石:「Laughter in the Dark Tour 2018」を完全再現しようというのがコンセプトです。そのため、ステージ、ライティング、演出、衣装など、すべて本番のライブと全く同じにしました。


髙橋:自宅にいながらにして、超特等席で宇多田ヒカルのライブを観られるのが特長です。


──カメラを替えて、3パターン撮影していました。それぞれのカメラの役割について教えてください。


髙橋:ひとつ目は、被写体に近づいたり離れたりするカメラです。カメラがゆっくり近寄ることで、どんどんステージの世界に入っていく。その没入感を表現するための撮影でした。ふたつ目のカメラは、宇多田ヒカルの左右に回り込み、彼女を立体的に撮るためのものでした。最後は、引き、中間、寄りの画を一度に撮影するカメラです。ソニー・インタラクティブエンタテインメントから「コントローラーを使い、ユーザーがマルチアングルで映像を観られるようにしたい」というリクエストがあり、このカメラを採り入れました。ひとつ目、ふたつ目のカメラで撮影した映像から、最もおいしいカットをつないだのがディレクターズバージョンです。そのほかに、ユーザーが自由にカメラを切り替えて映像を楽しむこともできます。



──撮影中、竹石監督はVRヘッドセットを着けて映像を確認していましたね。


竹石:ユーザーからどのように見えているのか、チェックしていました。やはりPS VRで観る映像は、迫力が違います。ライブの一観客というよりは、宇多田ヒカルが自分のためだけに歌ってくれているように感じられるんです。ファンにはたまらないVR映像になったと思います。


──この作品ならではのチャレンジについてお聞かせください。


髙橋:もっとも大きなチャレンジは、カメラを動かすことでした。というのも、実写VR映像の撮影において、カメラを動かすことはタブーとされているんです。ユーザーが酔わないようカメラは基本的に動かさず、演者に動いてもらうのがセオリーです。

ですが、今回はあえてカメラを動かしています。というのも、この企画が立ち上がったとき、竹石監督と「ただ宇多田ヒカルがパフォーマンスしているところを360°映像で撮影しても面白くないよね」という話になって。ほかにはないVR映像を観てほしいと思い、いろいろテストすることにしました。その結果、カメラを動かし、宇多田ヒカル自身にも動いたりこちらを見てもらったりする演出が、斬新かつ挑戦的ではないかと考えました。そこでSIEにも協力していただいてテストを重ねた結果、「これならいける」という判断で新たな挑戦をすることになりました。ほかにも、二眼カメラによる3D立体視を実現しています。これも、ほかにはないチャレンジですね。


──カメラを動かすことによって、どのような効果が生まれるのでしょうか。


竹石:宇多田ヒカルのパフォーマンスを観ているうちに惹き込まれ、知らないうちに彼女が近くにいる......という効果を狙いました。とはいえ、カメラが早く動くとユーザーは酔ってしまいます。気分が悪くならず、なおかつ宇多田ヒカルが近づいているように見えるというギリギリのラインを目指しました。何パターンも綿密にテストし、ベストな動かし方を研究しています。これは大きなチャレンジでした。


髙橋:これまでのVR映像は、ステージ全体の様子を見るにはユーザー自身が動かなければなりませんでした。でも今回はカメラを動かしているので、宇多田ヒカルだけ観ていればステージセットもすべて目に入ってくるんです。宇多田ヒカル自身の様子とライブの演出、どちらも楽しめるようになっています。



──VR映像と言えば、360°見渡せるのが一般的です。でも、このコンテンツはそうではないのもユニークです。


竹石:VR映像=360°映像だと思うかもしれませんが、必ずしもそうではないと思うんです。この映像で観られるのは180°弱で、背後を振り返っても黒い画面が広がっています。とはいえ、ライブを観ているとき、人はそこまで後ろを振り返りませんよね。360°映像にするよりも、観える範囲でいかにリアルな映像を作るかにチャレンジしました。


髙橋:それに、PS VRは自宅で座って使うものですよね。後ろを振り向くことは、ユーザーに負荷を与えることにもなります。それよりも、宇多田ヒカルが近づいてくる演出や立体視を取り入れたほうが、喜んでいただけるのではないかと思いました。


──VR映像ならではのおすすめポイントを教えてください。


竹石:宇多田ヒカルというアーティストは、歌の表現力はもちろん、歌っているときの表情、しぐさすべてが素晴らしいんです。その細やかな歌の世界、感情の機微が間近で観られるのがVRならでは。「こんな表情でこの歌詞を歌っているのか」など、ライブやミュージックビデオを超えるリアリティを感じていただけると思います。


髙橋:視線の送り方、手のしぐさなど、普段は見えないものまで見てとれます。それこそがVRの魅力ですよね。


竹石:僕は以前から宇多田ヒカルを撮ってきましたが、今回のVR撮影で改めてその凄さを実感しました。宇多田ヒカルが自分のために歌ってくれるなんて経験は、VRでなければ実現できません。このVRコンテンツをきっかけに、VRがアーティスト映像のスタンダードになれば面白いなと思います。今回の撮影を通じて、大きな可能性を感じました。




2019年1月18日(金)配信予定の『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』にはスタッフクレジット画面にメイキング映像も収録。今回紹介した撮影現場の雰囲気や、新たなVR映像表現に挑む宇多田ヒカル、竹石監督ほかスタッフのこだわりが伺えるものとなっている。本編配信時には、ぜひメイキング映像もチェックしてほしい。

『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』メイキング映像はこちら


<宇多田ヒカル プロフィール>
1998年12月9日(水)にリリースされたデビューシングル「Automatic/time will tell」はダブルミリオンセールスを記録、15歳にして一躍トップアーティストの仲間入りを果たす。

そのわずか数ヶ月後にリリースされたファーストアルバム「First Love」はCDセールス日本記録を樹立。いまだその記録は破られていない。以降、アルバムはすべてチャート1位を獲得。2007年にはシングル「Flavor Of Life」がダウンロード世界記録を樹立。

2010年に「人間活動」を宣言し一時活動休止期間に入ったが、2016年4月に配信シングル「花束を君に」「真夏の通り雨」のリリースによってアーティスト活動を本格始動する。2016年9月に発表した6枚目のオリジナルアルバム「Fantôme」は自身初のオリコン4週連続1位や全米のiTunesで3位にランクイン。CD、デジタル合わせてミリオンセールスを達成するなど、国内外から高い評価を受けた。

2017年3月にEPICレコードジャパンにレーベル移籍。デビュー20周年を迎える2018年6月27日(水)に7枚目となるアルバム「初恋」を発売。11月からは約12年ぶりとなるライブツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」を開催。2019年1月18日(金)には『KINGDOM HEARTS Ⅲ』のテーマソングが収録されたシングル「Face My Fears」も発売予定。

「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」公式サイトはこちら

宇多田ヒカル 公式サイトはこちら



▼『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』"光"バージョンのダウンロードはこちらから


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Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:VR体験
・配信日:2019年1月18日(金)予定
・価格:無料
・プレイ人数:1人

※PlayStation®VR専用
※ダウンロード専用タイトル
※PlayStation®Plus加入者には、"光"バージョンを2018年12月25日(火)に先行配信

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PlayStation®VR公式サイトはこちら



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