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撮影秘話満載!『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』イベントレポート

by PS.Blogスタッフ 2019/01/21

宇多田ヒカルのPS VR専用コンテンツを無料配信中! 撮影の裏側を明かす開発トークイベントを開催

好評配信中のPlayStation®4用ソフトウェア『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』(PlayStation®VR必須)は、2018年冬に行なわれた宇多田ヒカルのライブツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」から"光"(ゲームソフト『KINGDOM HEARTS』テーマソング)と"誓い"(ゲームソフト『KINGDOM HEARTS III』エンディングテーマソング)の2曲を収録した、無料のPS VR専用タイトル。ライブの風景を3パターンのアングルから鑑賞でき、会場全体の演出を見たり、宇多田ヒカルが歌う姿を間近で眺めたりと、まるで本人が目の前にいるような臨場感あふれるライブ体験を楽しめる。




▼PS4『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』の無料ダウンロードはこちら




1月18日(金)、同コンテンツの一般配信を記念し、東京・渋谷モディ1階にあるソニーの情報発信拠点ソニースクエア渋谷プロジェクトで開発スタッフによる公開トークイベントが開催された。

宇多田ヒカルの数々のミュージックビデオや映像作品を数多く手掛けてきた映像ディレクターの竹石渉氏、プロデューサーを務めるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の多田浩二、技術面をサポートしたソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズの林亮輔、宇多田ヒカルのマーケティングを担当するソニー・ミュージックレーベルズの梶望の4名が登壇し、制作秘話を披露。さらに、『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』の体験会も行なわれた。その模様をお届けしよう。


ソニースクエア渋谷プロジェクトでは、現在『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』体験会を実施中。詳しくはこちらのサイトをチェック!

ライブツアーをそのままVRで表現──"映像ではなく、体験を作る"

DJ TARO氏司会のもと、まずは『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』が誕生した経緯からトークがスタートした。

デビュー当時から宇多田ヒカルのマーケティングを担当してきた梶は、今回のVRコンテンツが生まれた背景を次のように話す。「宇多田ヒカルは2017年、ソニー・ミュージックレーベルズに移籍しました。ソニーはグループ全体でいろんなことができるので、これまでできなかったことがソニーなら実現可能かもしれないという思いから、ソニーならではのヒットを生み出そうとさまざまな企画に取り組んできました。そんな中、昨年『KINGDOM HEARTS III』の発売日がようやく見えてきたんです。宇多田は昨年12月9日でデビュー20周年を迎えましたし、久々に全国ツアーも行ないます。そこに『KINGDOM HEARTS III』を絡めたコンテンツを開発できないかと考え、SIEと打ち合わせを進める中で今回のVRプロジェクトが生まれました」。


ソニー・ミュージックレーベルズ 梶 望


司会 DJ TARO 氏



とはいえ、全く新しいVR体験を生み出すのは簡単なことではない。「ソニーグループ各社の知見と技術を合わせ、新しいVR体験を作る"プロジェクト リンドバーグ"があり、そこに声をかけることに。アーティストのマネジメント、ディレクションなどが一体となり、ソニーグループとしてVRコンテンツを作ることになりました」とSIEの多田は振り返る。


ソニー・インタラクティブエンタテインメント 多田 浩二



この一大プロジェクトで監督を務めたのは、数々のミュージックビデオやライブ映像を手掛けてきた竹石氏。梶は、竹石氏を起用した理由についてこう話す。「竹石さんとは、『Addicted To You』(宇多田ヒカル4thシングル)のPV撮影から付き合いがあります。ライブ映像の撮影もお願いしていましたし、安心してお任せできる監督だと思いました。また、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『エヴァンゲリオン・ザ・リアル 4-D』でも映像監督を務めていて、VR技術にも精通しています。アーティストサイドにも技術サイドにも寄り添える監督はなかなかいません。竹石さん以外の選択肢は考えられませんでした」

竹石監督は、制作時の苦労について「一般的なミュージックビデオは、クリエイティブな映像表現を通じてアーティストや曲のメッセージを伝えようという思いで制作します。ですが今回のコンテンツは、ライブツアーを無垢なままVRで表現するもの。映像ではなく、体験を作るような感覚です。そこに難しさを感じました」とコメント。試行錯誤を重ねた末、完成したVR映像には監督本人も太鼓判を押す。「長らく宇多田ヒカルを撮影してきましたが、こんなに見つめられて歌われたことはありません。直視できないほど恥ずかしいというか何というか......。そう思えるレベルに到達できたので、成功ではないかと思います」と自信を覗かせていた。


映像ディレクター 竹石 渉 氏

至高の音楽ライブVR体験を目指し、新たな撮影システムを開発

ここからは、メイキング映像を見ながら撮影の裏側を明かすことに。今回のVRコンテンツは、ライブツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」2日目の横浜アリーナで撮影された。だが、その前に入念なテストを行なったという。事前に幕張メッセホールでツアー本番と同じ大きさのステージを組み、カメラの高さや被写体との距離などトライ&エラーを重ねながらチェックが進められた。その映像を宇多田本人に確認してもらい、本番当日を迎えたとのこと。「とにかく時間との戦いでした。このVRコンテンツは、ライブツアーの成功あってこそのもの。ツアーを成功させることを前提として、いつVR撮影をすべきか議論を重ねました。最初はゲネプロ(本番同様の最終リハーサル)で撮影しようと計画していましたが、クオリティを考えるとライブ2日目がベスト。ファンの満足度を考えても、宇多田本人のメンタルを考えても、初日を終えてライブを一度作り上げてから撮影したほうがいいと結論づけました。そこで、ライブ2日目のリハーサル前に撮影したんです」(梶)



撮影システムも、このVRコンテンツのために新たに開発された。技術を担当するソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズの林は、今回のチャレンジを次のように振り返る。「"至高の音楽ライブVR体験を"という話をいただき、高品位な映像、VRならではの斬新な演出手法をテーマに撮影システムを開発しました。今回は、会場が広いうえに真っ暗な中でスポットライトを当てての撮影です。解像度も必要ですし、暗いところから明るいところまでダイナミックレンジを広げながらもノイズの少ない映像を作らなければなりません。監督からは、宇多田ヒカルの目線を感じる3D映像を、近距離から撮影したいという要望もありました。そこでテストを行ない、業務用の4K小型カメラ、最新の映画撮影用6Kカメラを組み合わせてVRのシステムを提供しました。さらに、監督がその場で映像を確認できるよう、VRヘッドセットをかぶってリアルタイムでモニタリングできるシステムを開発し、提供しました」。


ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ 林 亮輔



その意図について、竹石監督は「体験を撮っているので、モニターの画だけを見ているだけでは不十分です。VRヘッドセットを装着して、体験しながら撮影しました」と説明した。


監督からの要望で、「カメラをクレーンに載せて移動させる」という今までにない試みにもチャレンジした。「ユーザーが酔わないように、VRコンテンツは本来カメラを動かしません。しかし今回は没入感を高めるため、動いていると気づかないぐらいの速度でカメラを動かして撮影しています」と竹石監督はコメント。さらに「宇多田ヒカルにただ見られているだけではグッと来ません。どの位置にいたらグッとくるのか、カメラの高さを1cm刻みでテストしてベストポジションを見つけました」とこだわりを語る。林も「カメラの技術に関しては我々の得意分野ですが、演出手法はクリエイターと一緒になって作り上げる必要があります。大変でしたが勉強になりました」と竹石監督に感謝の意を表した。

より良いVRコンテンツを作るため、宇多田ヒカル本人にVR映像の特性を理解してもらう必要もあった。「目指したのは、宇多田ヒカルをいかに魅力的に見せるかということ。宇多田ヒカル本人にもテスト撮影したVR映像を見ていただき、カメラを見つめるとどんなに素敵か、カメラはVRにおいてどういう存在なのかと説明しました。VRヘッドセットを装着すると、宇多田ヒカルとユーザーが1対1になる。そうお話したところ、細かいことを説明せずともスムーズに理解してくださいました。出来上がったVR映像を見たところ、『こういうリズムの取り方をするんだ』『マイクはこう持つんだ』という新たな発見も。宇多田ヒカルがさらに魅力的に感じられました」(竹石氏)


実在するアーティストを目の前で感じられる、実写VRコンテンツの可能性

イベントの終盤は、PS VRの可能性、音楽コンテンツの未来にまで話が及んだ。PS VRの枠を拡大し、ゲーム以外のコンテンツを制作した理由を聞かれ、多田はこう答える。「ゲームは3DCGでできているためVRコンテンツを作りやすいのですが、技術の進歩により実写の世界にも入れるようになりました。ゲームと違い、実写VRコンテンツでは実在する人を目の前で感じることができます。単なる映像ではなく、体験を提供できるのです。VRの世界に没入することで、新たな感動、新たな映像体験を提供していきたいと考えました」。

林も、ゲーム以外のVRコンテンツに大きな可能性を感じているそう。「音楽ライブの実写VRコンテンツは、ポテンシャルがあるのではないかと感じています。"プロジェクト リンドバーグ"では、さまざまなクリエイターとともに音楽コンテンツの新しい楽しみ方を実験的に作っている最中です。音楽とひと口に言ってもいろいろなものがあるため、現在はそれぞれに適した技術を開発しています。今後このような機会があるなら、さらに新しいチャレンジをしていきたいです」。



音楽業界に身を置く梶も、PS VR×音楽の可能性に大きな関心を寄せる。「宇多田ヒカルは、以前にもインターネット番組『30代はほどほど。』で3DVR生中継を行なっています。今回は当時よりも大きな反応をいただいていますが、その理由は『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』を配信する前にライブツアーを行なっているからだと思います。

ツアー中、Twitterをチェックしていたところ『宇多田ヒカルって本当にいたんだ』という反応を数多く目にしました。これまでお客様の前に姿を現わす機会があまりなかったので、宇多田に対するリアリティが薄かったのかもしれません。今回のツアーで『本当にいるんだ』と実感し、豆粒みたいな大きさかもしれませんが、宇多田と一緒にいる幸せを味わっていただいた。その体験を経てからVRで宇多田を間近に見たので、その存在を非常にリアルに感じたのでしょう。

つまり、ただやみくもにVRコンテンツを提供するのではなく、どんなストーリー、どんなタイミングならみなさんが最も価値を感じる体験になるのか、しっかり考える必要があるのだと思います。レコード会社としても、VRに限らず新たな音楽体験を作っていかなければならないと改めて感じました。今回のVRコンテンツは"プロジェクト リンドバーグ"だからこそできたチャレンジですが、今後もソニーグループで共創し、新たな体験をどんどん作り出していきたいと思います」。


今後VRコンテンツはどうなる? 観客からの鋭い質問でVRの未来が浮き彫りに

トーク終了後は、観客のみなさんからの質疑応答コーナー。熱心なファンから、VR技術に関する質問が寄せられた。その一問一答を紹介しよう。


──今後、観客を入れた状態でVR映像を撮影することはありますか? アーティストも観客を前にするとパフォーマンスが変わると思うので、ぜひ見てみたいです。


竹石さん:おそらくそうなっていくと思います。VR以外では、観客がいる状態でライブ映像を撮影しています。「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」ではカメラを40台使いましたが、どんどんカメラも小さくなっています。今はまだVR撮影用カメラや機材が大きいのですが、そのうち実現できるのではないでしょうか。おっしゃる通り、観客を前にするとアーティストのパフォーマンスも変わります。1万人、2万人の前で歌ったほうが、違う表情が出るのではないかと思います。



──ソニーでは、360度音響の技術を開発しているそうです。こうした音響技術をVRと融合させる考えはありますか?


林:今回も位置によって音が変わるようにしたいと考えていましたが、そこまで到りませんでした。コンサート会場は、どこで聴いてもあまり音が変わりませんし、首を動かしても聞こえ方はほとんど同じです。また違った演出の時に採り入れたいと思っています。


──今後もっと臨場感が高まり、VR映像の中に入れるようになりますか?


梶:そういう技術は、今後どんどん生まれてくると思います。5G通信など世の中のインフラができてくれば、表現の可能性も大きく広がるでしょう。今回のVRコンテンツに関しては、現時点で最高のテクノロジーを投入していますが、時代に応じてベストパフォーマンスにチャレンジしたいと考えています。とはいえ、ハイスペックな環境にある一部のファンだけが見られるサービスを提供すると、不平等が生まれます。今回のコンテンツもPS VR専用ですが、できるだけ多くの方々が楽しめる範囲で最高のものを提供していきたい。そのさじ加減を、僕らも気を付けなければならないと思います。



最後は、梶から竹石監督への質問でトークイベントを締めくくった。ズバリ、監督から見た宇多田ヒカルの魅力とは? 「表情、歌声、動きがとても繊細ですよね。表現者として、非常に魅力的です。『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』には、その魅力が十二分に詰め込まれています。ぜひ細かなところを見てほしい。そして、ぜひ宇多田ヒカルを好きになってもらいたいです」。



宇多田ヒカル 公式サイトはこちら


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Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:VR体験
・配信日:好評配信中
・価格:無料
・プレイ人数:1人

※PlayStation VR専用
※ダウンロード専用タイトル

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PS.Blogの『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』記事はこちら

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『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR』公式サイトはこちら

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