『Stardust Odyssey』(スターダスト・オデッセイ)の開発者がアートデザインの舞台裏を紹介

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『Stardust Odyssey』(スターダスト・オデッセイ)の開発者がアートデザインの舞台裏を紹介

著者:ジョーダン・パラン アートディレクター&コンセプトアーティスト


『Stardust Odyssey』の芸術的なコンセプトの核を成す基本的なアイデアは、従来の科学的なハードSFの世界ではなくて、Mœbius(メビウス)やジャン=クロード・メジエールにインスパイアされた80年代スタイルのフランスSFの世界を構築することでした。 私たちは、木、石、革、金などの原始的な素材で作られた装飾品やアイテムで満たされ、風に満ちた帆で宇宙を漂う船を操縦できるような世界を作りたかったのです。 つまり、SFゲームでよく見られるような、冷たくて未来的な素材やミニマルなデザインとは対照的に、プレイヤーに温かみを感じてもらいたかったのです。

本作の芸術的コンセプトの背後にある2番目に重要な要素は、オリエンタルなエスニック文化からインスピレーションを得て、独自のエキゾチックなSFの外観を生み出す事でした。そのために、シルクロードと、商品を取引するために常に陸と海を行き来する商人の船団、遊牧民やベルベル人のような中東文明の民族を特に参照しました。

参考にする舞台としてシルクロードを選んだのは、プレイヤーに砂漠と海という2種類の異なる環境と雰囲気を旅してもらいたかったからです。 帆船のようにデザインされた宇宙船は、宇宙空間を飛行する代わりに、雲海の上に浮かびます。 船体とキャビンを絶え間なく覆う砂は、スターダストのアイデアに繋がりました。

「遊牧生活」は本作のデザインの核となるインスピレーションでしたが、一方で、建物や建築様式など、移動の少ない生活の側面も環境に含める必要がありました。これらは背景の中に存在する、到達できないエリアのようなもので、常に移動している商人が錨を下す係留地のような意味合いで設定されています。そこで、私たちはゲームの設定に余白を与え魅力を増すために、どのような風景にも合う港や灯台のある海辺の村などの家々を砂丘や崖に沿ってデザインしました。

主なチャレンジの1つは、2種類のペースのゲームプレイでゲーム内のリズムに変化を持たせることでした。メインゲームでは、見晴らしの良い広大な環境で船を航海するため、メタゲームでは、他のキャラクターと顔を合わせて休める、居心地の良いテントのような落ち着いた空間を確立することにしました。

また、ゲーム内では危険なタイプと無害なタイプの動物の両方を用意することにしました。 そのため、貨物やプレイヤーを攻撃する寄生形の野生生物だけでなく、荷物を運ぶ家畜もいます。家畜は遊牧民の生活に不可欠であり、荷物を運ぶのを助けてくれます。

牛のように、家畜化された動物は大きな貨物を牽引するため、まるで小型船のように大きく、強い生き物である必要がありました。 そして、ゲームの芸術的なコンセプトのテーマにフィットするよう、海洋生物も用意する必要があったので、私たちは重い貨物を運ぶクジラのような生物もつくることに決めました。

独立した小さなスタジオとして、私たちは複数の役割を同時に担う必要がありました。 ですから私は、コンセプトアーティスト且つゲーム美術の責任者として、サウンドデザイン及び、芸術環境と音楽の一貫性を監督していました。 作曲では、西洋音楽の標準的な構造に基づきつつも、エキゾチックな楽器を使用したオリエンタルな影響を伴い、ファンタジーアドベンチャーのクラシックとして、オーケストラの壮大な雰囲気を伝えなければなりませんでした。

私たちは今までにない独自のVRゲームを生み出したいと考えていましたが、ついにそれを成し遂げることができたと思います!

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