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サンタモニカスタジオ20周年!『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズの未公開コンセプトアートの数々を披露してくれました

by PS.Blogスタッフ 2019/12/26

サンタモニカスタジオを支えてきた現在と過去のアーティストたちが、記憶に残るアートワークの数々をご紹介!

著者:アーロン・カーフマン(サンタモニカスタジオ、コミュニティ・マネージャー)



今年サンタモニカスタジオの創立から20周年を迎えたことを記念して、今回は今いちど時間を巻き戻し、このスタジオを築き上げた「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズから記憶に残るアートの数々をご紹介します。現在スタジオで働く現役コンセプトアーティストから、過去に作品制作に携わった伝説的なアーティストまで―「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズだけでなく、アーティスト自身として最も記憶に残るアート作品について教えていただきました。今までに一度も語られたことのない裏話や、未公開のコンセプトアートもたくさん登場しますのでお見逃しなく!

チャーリー・ウェン、元サンタモニカスタジオのコンセプトアーティスト

「クレイトスが描かれた紙ナプキン」、『ゴッド・オブ・ウォー」

私が最も記憶に残っている瞬間は、この紙ナプキンにスケッチしたあの瞬間だったと思います。初めてクレイトスの人物像をはっきり掴むことができた瞬間でした。

あの日何度か主人公の姿について考え直したあと、クレイトスのイメージが形になってきたので、何本かのペンと筆を持って、お昼ご飯を食べながらのデザインセッションに臨みました。セッション中にアイデアが浮かび始めたところ、スケッチブックを忘れてきたことに気づいたんです。クレイトスの姿が浮かんできたのはちょうどその瞬間でした。頭に浮かんできたアイデアを逃すまいと、レストランにあった紙ナプキンに描き落としていったのを覚えています。一度ペンを走らせてからは、紙ナプキンは二本のブレードを持って飛び回るクレイトスですぐにいっぱいになりました。その後、そのセッションで紙ナプキンを何枚かスケッチに消費して、クレイトスのデザインの90%が出来上がったことを覚えています。その時の紙ナプキンのほとんどは、ジーンズのポケットでグチャグチャになり、洗濯機で洗い流されでもしたのでしょうが、嬉しいことにこうして残っているものもありました。



セシル・キム、元サンタモニカスタジオのコンセプトアーティスト

「Suicide Bluffs(スーサイド・ブラフ)」 、『ゴッド・オブ・ウォー』

このアートは、シリーズ第一作目の『ゴッド・オブ・ウォー』開発の序盤に描いたものです。御覧の通り、ゲームの冒頭でクレイトスが崖から飛び降りることは、この時点で決まっていました。悲しいオープニングですよね。飛び降りようと思い至るまでズタズタになったクレイトスの精神状態を強調しようと奮闘したのを覚えています。当初の設定について、確かデザインチームと当時のディレクターであるデイビッド・ジャッフィーに、「クレイトスがもはや崖の上まで登るのも困難な状態、をイメージしてほしい」と言われたことも覚えています。(ちなみに、この場面の前にゼウスとの最終戦が起こっていたという設定は、当時私はまだ知らされていなかったんですよ)。だから、このアートでは、崖の左に上へと続く細い道が描かれているんです。

それに加えて、当時のアートチームは少し規模が小さかったということもあります。当時ステージデザインを担当していたケン・フェルドマンと一緒に、グラフィックの制限が多い中でステージを作っていく難しさをよく語り合ったものです。そういった制限もあってこの場面に木を描くことはできなかったんです!また、ステージの全体が見える完璧なアングルにしなければならなかったので、岩を基調にしたうえで、暗く冷たい空間に焦点を当てた絵を描くことにしました。残念なことにオープニングシーンではこの角度から見下ろすことはないのですが、プレイヤーの皆さんがその雰囲気だけでも感じとってくれたと信じています。皆なら感じとってくれましたよね!



スコット・シートゥ、元サンタモニカスタジオのコンセプトアーティスト

「イカロス」、『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』

やはり最も思い出深いのはイカロスですね。クレイジーなキャラクターをデザインして、そのクレイジーさを特徴やポーズで表すことが楽しくて好きなんです。主要キャラクターではないかも知れませんが、とにかく描いていて楽しいキャラクターでした!あとは、個人的にこのイラストの出来に満足しているのも理由の一つです。もちろん、時間をかければもっとよく描けたかも知れませんが、所要時間を考えるとなかなかの出来だと思っています。そして、このアートを選ぶ最後の理由は、あまりに辛い設定なので最終的にゲームには実装されないことになったんだと思いますが、さらにクレイジーなことに私の最初のアイデアでは、イカロスに死んだ猫をペットとして常に持たせておこうと考えていたことです(多分深夜のテンションで思いついたアイデアだったんでしょうね)。コンセプトアーティストとして、『ゴッド・オブ・ウォー」に関わっていた時間は最高の時間でした!



アンディ・パーク、元サンタモニカスタジオのコンセプトアーティスト

「クレイトス対ポセイドン」、『ゴッド・オブ・ウォーIII』

私が担当した『ゴッド・オブ・ウォーIII』の最初のボス、ポセイドンのコンセプトアートは私にとって特別な作品です。ポセイドンの変身後の姿、水を操るビヒモスの絵を描くという話をもらった時は、面白いチャレンジになりそうだと思ったのを今でも覚えています。しかし、この巨大生物がクレイトスにどんなドデカい攻撃を繰り出していくのか想像を膨らませていくと、それって本当に実現できるのだろうか?という疑問が湧いてきました。まずデザインを考えるというのも簡単なことではありませんが、PlayStation®3のゲームエンジンの制限がある中で、そのデザインを3Dのゲームプレイ環境に落とし込んで命を吹き込んでいく作業は、それはまた別の難しさがあったと思います。

当時の「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズはもちろん、当時PS3のどのゲームにもそれまで登場していなかったようなクレイジーなボスキャラクターをデザインできたのは光栄でした。それよりも、この素晴らしい開発チームの一員として、ポセイドンをゲームの中で実現させる過程を間近で見られたのが一番光栄なことだったのかもしれません。この場を借りて、この水で出来ている難しいキャラクターを実現させたマックス・アンカーに感謝を伝えたいです!長い間「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズでデザインしてきた中でも、ポセイドンは確実に最もお気に入りのデザインでした。


エリック・サン・ホアン、元サンタモニカスタジオのコンセプトアーティスト

「アマゾネス」、『God of War: Ascension』(ゴッド・オブ・ウォー:アセンション)

『God of War: Ascension』の制作初期段階では、デザインチームに何ヵ月もの余裕のあるデザイン期間が与えられたので、みんなで様々なアイデアを出し合っていました。私たちは、『ゴッド・オブ・ウォーIII』でミステリアスな最期を迎えたクレイトスの話を紡ぐ者として、クレイトスを探しに行く新たなヒーロー像を作りたいと考えていました。最新作と少し通ずるものがありますが、私たちはクレイトスに実は隠された娘がいるというストーリーを設定し、その娘のビジュアルをスケッチし始めました。そのほかにも、クレイトスと同じく、怒りと復讐心を持ったアルテミスというキャラクターにするといったアイデアもありました。そのアルテミスを、魔法の力を持ったケンタウロスという設定にするというアイデアもありましたね(笑)。

このコンセプトアートは、私が唯一チームに貢献できたと感じている、顔面のタトゥーデザインを描いたものです。その後、クレイトスの過去を描くというストーリーで、クレイトスを再び登場させることが決まったことで、このデザインは『God of War: Ascension』に登場するキャラクター、アマゾネスとして後に進化していきました。サンタモニカスタジオは、創造力を生み出す最高の環境です。素晴らしいアーティストたちと仕事ができた懐かしい思い出は一生ものだと思っています。



ルーク・バーリナー、リードコンセプトアーティスト

「峡谷の牛」、『God of War: Ascension』

このコンセプトアートは、8年前私がサンタモニカスタジオに入社したばかりに描いた、『God of War: Ascension』のアートです。『ゴッド・オブ・ウォー』のゲームに合うアートとはどういったものなのか、やっと自分なりにわかってきた頃で、誇らしく感じたのを覚えています。今このアートは社内の壁に飾られていて、私はいつも目の前を通っています。数年たった今見返してみると、自分がアーティストとしてサンタモニカスタジオでどれほど成長できたかを感じます。また、私たちのゲームがどれほど進化したのか見るのも楽しいですね。



ジョー・ケネディ、シニアコンセプトアーティスト

「The Hunt」(ザ・ハント)、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

チームがこの「The Hunt」をコミックという媒体で表現することを決めたのは、ゲームプレイの要素と物語を同時にビジュアル化できる最良の方法だったからです。このシーンは、クレイトスとアトレウスの新たな旅を描いた『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)の1ページを切り取り、私が自由に表現したものです。この「The Hunt」で描かれたコンセプトが、開発プロセスを通してそのまま保たれ、最終版のゲーム本編でも表現されていたのがとても嬉しかったです。



イェフィム・クリンガーマン、コンセプトアーティスト

「古の民」、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

私が古の民のコンセプトアートを選んだのは、よくある岩のモンスターとは違うアプローチを取っているからです。岩の硬い形状と分かち、意図的に曲線を使うことで、この魔法の力で存在するモンスターに人間らしさを加えることができました。古の民は、祈りをささげるために作られた存在。魔法によって稼働しているこの古の民は、ゲームの世界観の中でも最も歴史ある生物でもあるので、描くときはいつも試行錯誤していました。



アンニス・ナイーム、元サンタモニカのコンセプトアーティスト

「ヘルヘイム」、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

このアートワークを作り上げるまでは、ヘルヘイムの地形やその雰囲気を捉えるのに大変苦労しました。というのもヘルヘイムのイメージについて説明を受けた時に聞かされたのは、「ヘルヘイムはとても寒い場所で氷で覆われているが、完全に凍りついた世界ではない」という話でした。死者たちがたえず橋の上にやってきて、天候はまるで嵐の一歩手前、そびえ立つ門がある...など、ヘルヘイムのデザインは画家、ズジスワフ・ベクシンスキーの、骨っぽい表現が特徴的な建物の描き方から影響を受けています。



ジン・キム、元サンタモニカスタジオのコンセプトアーティスト

「ヘルヘイムのフレースヴェルグ」、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

私が作品に貢献したアートのほとんどはヘルヘイムに関係するものなので、今回はヘルヘイムの象徴的な生き物、鷲が石柱に鎖で縛り付けられているこのデザインを選びました。このコンセプトアートに描かれている刃の海や、巨大な鷲の羽ばたきによって引き起こされている極寒の気候、大きな石柱に繋がるかけ橋を歩く死者など、すべてがヘルヘイムで起こるさまざまなことを象徴しています。単純に費やした時間が長いからというだけでなく、この凍り付いた地獄というアイデアに感銘を受けたので、このコンセプトアートに愛着を持たずにはいられませんでした。

当時、開発チームは、この世界に鷲をどのように登場させるかで悩んでいました。話し合いの結果、ヘルヘイムのど真ん中に鷲を配置することが決まり、そのシーンをコンセプトアートにする作業を任されたときは、凄く興奮したことを覚えています。完成したデザインを見せたときのみんなのリアクションもとても嬉しかった。また、このコンセプトアートは、他のコンセプト・アーティスたちがデザインしたものを私が描いた部分もあるので、他のデザイナーとのコラボレーションができたという点でも良い思い出になっています。私にとってこのコンセプトアートは、私が描いたヘルヘイムのコンセプトアート全てに対するフィナーレのような存在です。



デラ・ロングフィッシュ、リードコンセプトアーティスト

「ドラウグル」、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

ドラウグルは、私が最新作「ゴッド・オブ・ウォー」のキャラクターをデザインし始めた初期のキャラクターのひとつです。この時点で、ドラウグルがゲームの様々な場面で出てくるキャラクターであることはわかっていたので、デザインする上で幅広くアイデアを模索しました。最終的には、死者の体が魂の力だけで無理やり甦らされたキャラクター、という設定にたどり着きました。体がすでに死を迎えているということをはっきりとさせるため、ドラウグルの見た目はところどころ骨が折れたり、肉が削れていたりしていて、もうこの世のものではないということを強調しました。



エイブ・タラキー、シニアコンセプトアーティスト

ティア、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

クレイトスとアトレウスが浸水したステージを初めて発見するとき、二人は神殿の豪華さとその崩壊した様子に驚きます。この「豪華さ」と「崩壊」という二つのテーマを強調するために、私はこのテーマを神殿のデザイン全てに取り入れるよう気を遣いました。一つ例を挙げるならば、神殿の入り口付近にあるテュールの巨大な像です。豪華な宝石がちりばめられている武器と防具には胸の部分に大きな穴が開いており、頭部は炎に包まれています。こういったデザインにすることで、プレイヤーの皆さんがプレイする時には、この神殿はどんな神によって作られ、なぜ崩壊しているのだろうと、自然と周りの環境に疑問を抱いてくれるのではないかという意図がありました



バンス・コバクス

「声が聞こえる」、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

「PlayStation® Experience」で公開したコンセプトアートの数々は、すべて私にとって特別な作品でしたが、中でも特にこのアートは、アトレウスが、「生」という神聖な美しさが消え行く瞬間と、迫りくる逃れようのない「死」を目の当たりにする場面を切り取った美しい作品です。



ホセ・カブレラ

「フェイの葬式」、『ゴッド・オブ・ウォー』(2018)

このアートを選んだ理由は、私の学生時代に亡くなった母とつながりを感じるからです。私は今まで母の死の記憶を閉じ込め、母の死の影響など何も受けていないかのように振舞ってきました。しかし、このアートを描いていく中で、母の思い出がよみがえってきました。『ゴッド・オブ・ウォー』は、このような琴線に触れる瞬間のあるゲームなので、私以外にもたくさんのデベロッパーが開発中に感慨深くなる体験があったと思います。



ただいまPlayStation™Storeでは、サンタモニカスタジオからクレイトスとアトレウスをカスタマイズできる「ゴッド・オブ・ウォー ホリデー 2019プレゼントパック」を無料で配信中です!2020年1月6日(月)までの配信となりますのでお見逃しなく!

20年間のゆるぎない皆様の応援のおかげで、サンタモニカスタジオはここまで成長することができました。本当にありがとうございます!

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