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SIE ワールドワイド・スタジオ 統括責任者 Hermen Hulst スペシャルインタビュー

by PS.Blogスタッフ 2020/03/11

昨年11月からSIE ワールドワイド・スタジオ(WWS)の統括責任者を務めるHermen Hulstに、就任後初となるインタビューをPlayStation®.Blogでご紹介します。今回、HulstにはPlayStation Productionsが手掛ける「Uncharted(アンチャーテッド)」や「The Last of Us」の映画・TV企画について、『Horizon Zero Dawn』のPC版での展開について、そしてWWSの今後の展望について話を聞きました。




Q. 『Horizon Zero Dawn』や「KILLZONE」シリーズを世に送り出したGuerrilla Games(ゲリラゲームズ)では長年マネージングディレクターを務めていましたが、昨年WWSの統括責任者となってどう変わりましたか?


Hermen Hulst(以下、HH):Guerrilla Gamesでは才能の溢れるチームを率いることができて光栄でした。私は昨年の11月、WWSの統括責任者に任命されてから、WWS傘下のさまざまなスタジオを巡って、各チームとしっかり対話をすることに時間をかけています。チームの中には、私がGuerrillaにいた頃から知っているメンバーもいましたし、初めて会うデベロッパーもいました。どのようにすれば、一人ひとりが今以上に密に連携し、業務に取り組むことができるのかについて考え、そして理解を深める努力を続けています。

以前は携わっていなかったプロジェクトにも参画するようになりました。直近では、とてもアンビシャスなゲームである『Dreams Universe』に対して、ユーザーの皆さまやメディアから大きく反響があったことに感銘を受けています。


Q. PlayStationのファンの中には「ワールドワイド・スタジオ」の名前は聞いたことがあっても、それがどのような組織か知らない方もいるかと思いますので、改めて説明をお願いします。


HH:現在、数多くのゲーム制作スタジオがありますが、WWSは、その中でもクリエイターたちが国や地域をまたいで強固なネットワークを構築している組織と言えるでしょう。米国・ワシントン州シアトル市に拠点を置くSucker Punch(サッカーパンチ)、イングランドのギルフォードにMedia Molecule(メディア・モレキュール)、東京にはポリフォニー・デジタルなど、世界中にWWS傘下のスタジオが存在します。

これらのスタジオはすべて独立系、いわばインディーズからスタートしています。どのチームを見ても独自のアイデンティティ、名前、そしてスタジオ文化を持っていますが、WWSのグローバルネットワークの一員でもあるのです。


Q. WWSの統括責任者に就任以来、WWSでは何か変化はありましたか?


HH:私は、WWSは素晴らしいチームだと思っています。WWSは昔から、クオリティには妥協しないデベロッパーの集まりです。また、メンバーの一人ひとりがストーリーテラーでもあり、常に新たな体験を作りたいと思っています。

この価値観こそが、WWSが長年大切しているものであり、今後も共有されていくことでしょう。一方で、私たちは働き方や組織体制など、現状を改善していくためにどうしていくべきかということについて、日頃から考えています。

最近では、WWSにおいて、何名かの新たなリーダーが就任しました。JAPANスタジオにおいては、長年仲間として一緒に働いていた前SVP、Allan Beckerが先日退任し、Nicolas Doucetがスタジオディレクターに任命されました。スタジオ統括としてのAllanの後任を務めるNicolasには大きな期待を寄せています。彼は、SIEに加わって間もないころに所属していたLondon Studios(ロンドンスタジオ)で、「EyeToy」を使ったソフトウェアタイトルの開発など、PlayStationにとって革新的な取り組みを行っていました。彼こそ、ハードウェアを活かしてプラットフォームにイノベーションをもたらすことができると信じています。

また、Santa Monica Studio(サンタモニカスタジオ)ではスタジオのヘッドとして、Yumi Yangが就任しました。YumiはSanta Monica Studioの創業期からのメンバーでもあります。また、彼女がこれまで中心となって構築した制作プロセスのおかげで、これまでの20年間でSanta Monicaから素晴らしいゲームを発売することができました。彼女にはクリエイティブな才能があり、クリエイターたちも喜んで彼女と仕事をしていると思います。

そしてSanta Monica Studioと言えば、何年も一緒に働いてきたShannon Studstillについてもお話ししたいと思います。最近スタジオを離れてしまった彼女ですが、私はとても感謝しています。彼女は才能を育てるリーダーシップがある人物で、次の世代を担う人材の育成にも長けていました。Yumiがいま新しいヘッドにいるのも、Shannonのおかげなのです。


Q. 何がWWSを特別な存在にしているのでしょうか? 組織体制なのか、人材なのか、あるいはチームに与えられる自由度のおかげでしょうか?


HH:これらのすべての要素が重要だと思っています。WWSの特徴は、ここで働く誰もが、ただ仕事としてではなく、心と魂をかけてゲーム作りを愛していることだと思います。どのスタジオメンバーも、自分たちの作ったタイトルと強い繋がりを感じています。

これは、クリエイティブチームそれぞれが自分たちのヴィジョンを実現できるように、しっかりと時間を与えることにSIEがコミットしているからであると言えます。心を動かすような体験、革新的な体験を創るのには時間がかかるものです。SIEではそういった考えを尊重しているので、とても有難く思っています。

もうひとつお話するとしたらPlayStationのコミュニティについて。私はこのコミュニティがWWSそしてPlayStationが持つ、最大の強みだと思っています。今後もコミュニティとデベロッパーたちは、より深い繋がりを増していくことでしょう。


Q. 会社で長く勤められた経験の中で、新しいコンソールをローンチする年が、どのようなものなのかよく理解されていると思います。たくさんのチャレンジやチャンスが、WWSだけでなくさまざまなスタジオに訪れると思いますが、現在、チームはどのようなことにフォーカスしていますか?


HH:新しいコンソールを開発している時が最もエキサイティングであるということは、ご存じだと思います。今はとても忙しいですが、PlayStation®5の詳細についてお話しできる時が来るのが待ち遠しいです。

もうひとつ言わせていただくと、最近リリースした『Dreams Universe』や、3月13日(金)にリリースする『MLB The Show 20』(注:プレオーダー付きのアーリーアクセス開始日)、5月29日(金)にリリースする『The Last of Us Part II』、そして私自身、とても待ち遠しい新IPである『Ghost of Tsushima』など、PlayStation®4向けのビッグタイトルがたくさんあります。PS4もこれからますます盛り上がります。


Q. PS5やそれだけにとどまらず、今後のWWSについての考えを教えてください。


HH:これまで通りハードウェアに力を注ぐことは変わりません。エクスクルーシブなタイトルのクオリティを高めるとともに、ストーリーを重視したシングルプレイタイトルの開発にも注力したいと考えています。

同時に、新しいアイデアや色々なことを検証し、どれが機能するか試してみたいと考えています。これもまた、WWSのDNAだと思います。


Q. 『Horizon Zero Dawn Complete Edition』のPC版が出るという噂があります。何か話せることはありますか?


HH:『Horizon Zero Dawn』のPC版は今年の夏に出ます。続報は、Guerrilla Gamesの新スタジオディレクターであるAngie Smets、Michiel van der Leeuw、そしてJB van Beekから、近いうちにお知らせできると思います。


Q. PlayStationがPC向けにタイトルを発売するのは初めてではありませんが『Horizon Zero Dawn』のような大作の発売は大きな動きだと思います。PlayStationのファンに向けて伝えたいことはありますか? これは将来どのような意味を持つのですか?


HH:さらに多くの人々にPlayStationを知ってもらい、そして彼らが見逃していたかもしれないタイトルを紹介するという新しいアイデアに対して、私たちはオープンなスタンスをとっているということをお伝えすることが、重要だと思っています。

また、これを聞いて安心する方もいるかもしれませんが、今回1stパーティのAAAタイトルをPC向けに発売するといっても、これはすべてのゲームをPC向けに発売することを意味する訳ではありません。今回の件に関しては『Horizon Zero Dawn』がふさわしかっただけのことです。タイトルをコンソール向けと同時にPC向けに発売する予定はありませんし、今後もハードウェアの専用機に100%コミットし続けます。


Q.『Dreams Universe』についてどのように考えていますか?


HH:Media Moleculeが成し遂げたことは、本当に魔法のようなことだと思います。Media Moleculeのチームはプレイヤー自身がゲームを作り共有できるようにしました。振り返ってみれば、彼らは新しいエンジンや編集ツール一式を制作しただけではなく、デジタルコンテンツ制作のためのツール一式を作ったのです。

Media Moleculeがこれをどのように実現できたのかはわからない、と他チームのグラフィックコーダー数人が話していました。


Q. PlayStation ProductionsはPlayStation IPを映画やTVに活用することを促進しています。色々な情報が出ていますが、その戦略については?


HH:PlayStation Productionsを立ち上げた目的は、私たちのストーリー、キャラクター、世界観を新しいオーディエンスに紹介し、ファンの皆さんにとっても誇りとなるようなコンテンツを作り上げていくことです。映画やTVのディレクターの皆さんを含め、私たちのゲームIPについて誇りや情熱を持つ人たちと一緒に取り組んでいきたいと考えています。

私たちはさまざまなIPを25年以上も前から保持しています。また、映画やTVのクリエイターの皆さんの中には、多くのPlayStationファンがいてくださることについて大変光栄に思っています。さらには、私たちのIPはリニア・ストーリーテリングという点でも、とても適していると感じています。

IPやフランチャイズが大きな柱となる映画やTV業界の中で、私たちはエンタテインメント業界における最もエキサイティングなIPライブラリーのひとつとなり得るようなものを築き上げることができました。この過程においては、私たちは数多くのゲームメーカーと一緒に取り組んできました。私たちのアプローチはとても誠実であるということを、ここで皆さんにもきちんと示したいと思っています。

ゲームメーカーが大きな役割を持つということはとても重要です。また、私たちは、自分たちのゲームを題材にするものを制作するということだけではなく、そのメディアにとって最適なストーリーを構築できるように最大限の努力をしています。


Q. 「Uncharted」以外には、どのようなプロジェクトが動いているのでしょうか。


HH:私たちは今後のプロジェクトにとてもエキサイトしています。「Uncharted」については今月からColumbia Picturesとの撮影が予定されています。Tom Holland、 Mark Wahlberg、そして最近発表されたAntonio Banderasなど、素晴らしいキャストの方々が決まっています。これまで「Uncharted」について知らなかったオーディエンスにもリーチアウトできるような、とても楽しい映画になりそうです。

最近、アナウンスした大きなニュースとしては、「The Last of Us」についてHBOとパートナーシップのもと、TV番組を制作することになります。『Chernobyl』でアワード受賞したCraig MazinがNaughty Dog(ノーティードッグ)のNeil Druckmannとともに番組の脚本を手掛けることになり、とても期待しています。

PlayStation Productionsでは今後も色々な展開を予定しており、今、皆さんにお伝えできるのはここまでですが、これからも私たちの活動にどうかご期待ください。




以上、Hermen Hulstへのスペシャルインタビューでした。

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