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よくわかるCWL

2019.03.11

世界的な知名度はもとより、今や日本でも多くのゲーマーがよく知る名前となった「コール オブ デューティ」シリーズ。「Call of Duty World League(以下、CWL)」とは、その王座を決める舞台です。

16のプロチームが専用アリーナで毎週末競い合う「CWL Pro League」、数ヶ月おきに開催される国際大会、そこで併催されるオープンブラケット大会(アマチュアチームまで参加可能な「開かれた」大会)など、さまざまなイベントで彩られるようになったCWLですが、競技シーンがここまでの成熟を遂げるまでには、実は長い年月を経てきています。

 

本記事では、まず「コール オブ デューティ」シリーズがeスポーツとして盛り上がるまでの経緯をおさらいし、次にリーグの現状概要をまとめ、最後にCWLをCWLたらしめている特徴について触れてみたいと思います。

長年のファンから最近視聴・プレイを始めた人まで、最後までお付き合いいただければ幸いです。

CWL設立とそれまで

「コール オブ デューティ」シリーズが誕生したのは16年前、2003年のことです。その後は毎年新作をリリースして人気シリーズの座を固め、2007年リリースの『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』でオンラインマルチプレイヤーが登場すると、それまでは一部のプレイヤーだけのものだった「競技としてのコール オブ デューティ」が一気に盛り上がりを見せていきます。

そして続く2008年、現在もCWLを支える「Major League Gaming(以下、MLG)」が参入してシーンはさらなる盛り上がりを見せます。たとえば現在もCWL Pro Leagueで活躍しているTeam Envyはこの年の主要大会でも入賞を果たすなど、当時から強豪としての存在感を放っていました。

またOpTic Gaming(現在もCWL屈指の強豪チーム)のオーナー、H3CZ氏は当時から「コール オブ デューティ」に可能性を見出し、スーパープレイを集めたモンタージュなどをYouTubeに投稿し始めます。これがコミュニティから大きな人気を集め、真剣勝負を是とする競技シーンとエンターテインメント需要を満たすコンテンツの両輪が揃い、相互作用を生み出して競技シーンの盛り上がりを支えていきました。

しかし、2008年から2013年にかけてはコミュニティが成長を続け、様々な団体によって大会が開催されるものの、競技に専念したいプレイヤーにとっては定期的にプレイする機会を得にくく収入面でも不安が残るため、専任プロとして活動するのが難しいという時期でもありました。この問題は他の競技性が高いゲームでも同様でした。もちろんKarmaのように当時から活躍し、現在でも第一線で活躍を続けるスター選手のような例外も存在しますが、この場合は彼らが例外的だと言うべきなのかもしれません。

この状況を見たMLGは2014年に常設リーグを立ち上げ、最高峰の選手たちが毎週定期的に試合を行う「レギュラーシーズン」という概念を持ち込みます。これにより競技シーンは再編が進んでいき、高度なスキルを持つプレイヤーがより競技に専念しやすい環境が整っていきました。

そして2015年12月、MLGを含む複数の企業/スポンサーが協力し、満を持してCWLが発足。年が明けて2016年からは定期的に開催される「1年の予定が見通せる」プロリーグの仕組みが形成されていきます。8月末前後に開催される世界王座決定戦Call of Duty World League Championshipも大きな成長を遂げ、2016年はTeam Envy、2017年はOpTic Gaming、2018年はEvil Geniusesがそれぞれ優勝を果たしています。いずれのチームも2019シーズンのCWL Pro Leagueで活躍している強豪です。

このプロリーグの「仕組み」は現在進行形で成熟を続けており、今年の変更点だけ見ても1シーズン制の導入、アマチュアチームが参加可能なオープンブラケット大会とプロ大会の併催、さらにオープンブラケット大会への独立した賞金プールなど、「自宅で遊ぶマルチプレイヤーから世界大会決勝舞台まで」の道がeスポーツシーン屈指の充実度で整備されてきています。

競技的にプレイする人には今より先へと進む道、カジュアルにプレイする人にはスーパープレイを見る楽しみとゲーム理解の支援、観戦メインで楽しむ人には白熱した戦いで紡ぐ人間の物語と、「コール オブ デューティ」に触れる人を様々な形で満たす形へと成熟を遂げてきたCWL。もちろん、今後の進化もどうぞお見逃しなく。

試合形式

こうして成熟を遂げてきたCWLでも花形として位置するのが、16のプロチームが2つのディビジョンに分かれて競われるCWL Pro Leagueです。今年の競技タイトルは『コール オブ デューティ ブラックオプス 4』で、同リーグはシーズン中、基本的に毎週試合が実施されます。試合をより楽しんで観戦できるよう、以下に概要をまとめてみたいと思います。

まず、CWL Pro Leagueのレギュラーシーズンは2回総当たり戦(ダブルラウンドロビン)で行われます。今年からは新たな試みとして(日本のプロ野球交流戦のような)ディビジョン交流戦が1回総当たり戦(シングルラウンドロビン)で行われ、各ディビジョンの上位4チームがプレイオフ出場権を獲得します(下位4チームは予備予選に回ります)。

各試合は3ゲーム先取制(BO5)で、ゲームモードはHardpoint、Search & Destroy、Controlの順でローテーションしていきます。チームによっては苦手・得意とするゲームモードが存在するため、そういったモードでどう立ち回り、その後どう改善していくかもプロリーグならではの見どころと言えるでしょう。たとえば現在ディビジョンBで首位争いをしているTeam Hereticsはプロリーグ入りの懸かった大会「CWL Pro League予選」において、Search & Destroyモードを得意としている姿を見せています。また2019シーズンのCWL Pro Leagueではプレイ人数がこれまでの4対4から5対5になっていますから、戦略面でもこれまで通りとはいきません。

それを裏付けるように今年のCWL Pro Leagueは混戦模様で、ディビジョンAでは新規参入チームGen.GとMidnight Gamingが名だたる強豪OpTic Gaming、Luminosity Gamingを押さえて首位争いを繰り広げている他、ディビジョンBも初参加チームTeam Hereticsが好調です。

Week 1~3のトッププレイ5選

チームの最新順位は2019 CWL Pro League順位表(英語)ページが随時更新されていくので、そちらをご覧ください。また、熱戦の模様は随時Twitch.tv/CallofDutyMLG.comで中継されます。

なお、上記はすべてCWL Pro Leagueのレギュラーシーズンについての説明です。オープンブラケット大会などトーナメント形式の場合は、グループステージで総当たり戦の後にダブルエリミネーション(敗者復活戦あり)へ移行するなど、形式が変化する場合があるのでご注意ください。

CWLの特徴とその魅力

さて、ここまではCWL発足の経緯と試合形式の概要についてお話してきました。ここからは、CWLの魅力、見どころについて概要をまとめてみたいと思います。

 

まずは先ほど触れたCWL Pro League。2月に開幕したレギュラーシーズンから8月開催の世界王座決定戦「Call of Duty World League Championship 2019」まで、世界最高レベルのプレイが半年以上にわたり見られるというのはeスポーツとしての大きな魅力でしょう。レギュラーシーズン終了後にはプレイオフも開催され、プロチーム最強の座を懸けた戦いが行われます。

そしてシーズン最大の大会にして年度の締めくくりとなるCall of Duty World League Championship 2019も見どころ満載です。特にその出場チームは他に類を見ない極めて独自性の高いものとなっています。というのも、32ある出場チーム枠のうちプロチーム枠16に対してアマチュアチーム枠も16用意されているのです。すべての競技者に対して公平に門戸を開く姿勢は「選手とファンの距離が近い」というeスポーツの特性を個性的な側面から推し進めたものになりつつある、と言っても良いでしょう。

もちろんシーンの規模を示す賞金総額においても、2019シーズンは600万ドル(約6.6億円)と過去最大の規模となっています。継続的な取り組みが必要となる競技的ゲーミングにおいて、出場できる大会の数と賞金総額は大きな意味を持つ要素ですから、これから世界を見据えていきたいプレイヤーにとっては、こちらも大きな魅力と言えるかもしれません。

また今年のCWL Pro Leagueには、ここから世界での活躍が期待される日本のシーンにとっても要注目のチームが2つ存在します。ディビジョンB所属のTeam HereticsとDenial Esportsです。Team Hereticsは全員がスペイン人選手、Denial Esportsは全員がフランス人選手で構成されているのですが、スペイン/フランス人選手のみのチームがCWL Pro Leagueに参入するのは史上初のことです。プロ入り最後のチャンスだったCWL Pro League予選を勝ち残った2チームですが、特にTeam Hereticsは現在首位争いをするほどの活躍を見せています。彼らの試合は「自国・地域の実力を世界に証明する」戦いでもあり、これから世界に実力を示していきたい日本勢としても要注目でしょう。

またディビジョンB所属のEnigma6は、CWL Anaheim 2018のオープンブラケットRound 1で日本の古豪チームSCARZと対戦したチームです。ほんの1年ほど前に日本チームが対戦した相手が、今は世界最高峰のリーグで競っている。もしかするとこれは、「日本から世界へ」を一番近く感じさせてくれる事実かもしれません。

最後に魅力として紹介するのは、日本代表チームが参加することになるオープンブラケット(広く門戸が開かれた)大会の存在です。CWLでは今年から、プロチームのオフラインイベントに併催する形で独立した賞金プールを備えたオープンブラケット大会を開くと告知しています。「CWL日本代表決定戦」を勝ち抜いたチームもこの大会に参加することになりますが、同大会の決勝はプロと同じメインステージで行われます。勝利を重ねた向こうには、シーン黎明期から活躍してきたClayster (eUnited所属)やScump(OpTic Gaming所属)といった歴戦のスター選手と同じ場所で戦う機会があるのです。

CWLではどの国の出身であろうと、実力を示してプロポイントを獲得していけば、世界大会Call of Duty World League Championship 2019出場枠を懸けて戦う「Last Chance Qualifier  (最後のチャンス争奪戦)」に参戦するチャンスが、そして世界王座を目指して戦える可能性があります。

 

コントローラーの前ではすべてのプレイヤーは平等、そこから先は実力でしか語れない。そういう空気こそ、この4シーズンにわたり多くの人がCWLに熱狂してきた理由なのかもしれません。

 

※本記事で使用されている写真は https://www.callofduty.com/esports/story/2019-01/Pro_League_Qualifier_Results https://www.callofduty.com/esports/story/2018-12/CWLLasVegas_Recap https://www.callofduty.com/esports/story/2018-09/CWL2019_Announcements https://www.callofduty.com/esports/story/2019-01/Pro_League_Schedule https://www.callofduty.com/esports/story/2018-08/EG_Roundtable https://www.callofduty.com/esports/story/2019-01/PLQ_Recap より一部引用しています。

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