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日本「CoD」eスポーツシーンを振り返る

2019.06.21

日本の「コール オブ デューティ(以下、CoD)」eスポーツシーンを最も近くで観続けてきたふたり、実況・k4sen(カセン)と解説・鈴木ノリアキによる対談企画。10のテーマで今シーズンを振り返る。

目次

  1. 「CWL日本代表決定戦」で日本の「CoD」eスポーツシーンはどう変わったのか
  2. 日本と世界のレベル差は埋まってきているのか?
  3. 日本チームにとってCWLで戦うために重要な要素とは
  4. 日本王者Libalent Vertexの強さ
  5. k4sen・鈴木ノリアキ が選ぶ「CWL日本代表決定戦」ベストマッチ
  6. 「CWL日本代表決定戦」の中で「これから伸びそうだ」と感じたチーム
  7. Mindfreakとの戦いは日本チームにどのような影響を与えたのか?
  8. オンラインの試合とオフラインの試合、その違いとは?
  9. ロスター(メンバー)変更のメリットとデメリット
  10. シーズン最後の「CWL日本代表決定戦」出場チームに期待すること

「CWL日本代表決定戦」で日本の「CoD」eスポーツシーンはどう変わったのか

鈴木ノリアキ:オンラインの大会が増えて、試合数が増えた。色んなチームが競い合うようになって、大会を観る人も増えてきている。配信で「HARDPOINTのルールはよく分からない」という人も減ってきたんじゃないかな。

 

k4sen:「観戦文化」みたいなものができてきた印象があるね。

 

鈴木ノリアキ:昔はオンラインの大会しかなかったし、オフライン大会をやってもお客さんが観に来る、というシーンはなかったけど、今は全然違う。

 

k4sen:選手たちも、「目指すべきところ」がしっかり出てきたというか……。この大会を目指して頑張ればいい、このルールを頑張ればいい、っていうのがハッキリして、上手いプレイヤーがたくさん出てきたね。「まだ、こんなヤツがいたんだ」みたいな、凄い選手がどんどん出てきて。

 

鈴木ノリアキ:選手それぞれにファンがいて、スゴイよね、人気が。テレビ番組に出るようになったり、新聞に出たり。

 

 

k4sen:もうルールは観ている人も知っているから、むしろ「プロはこういうところが凄いんだ」というところを観るようになったのかもしれないね。

 

鈴木ノリアキ:あとはチーム数がめちゃめちゃ増えた。2015年の頃はeスポーツルールをやっているのは1チームくらいしかいなくて……。

 

k4sen:単純に母数が増えた。今は「CWL日本代表決定戦」に出ているチームだけでも通算で200近いからね。しかも、第1回大会からずっと増え続けているのがすごいよね。

 

CWL日本代表決定戦 公式サイト - 試合日程 /結果

https://www.jp.playstation.com/events/call-of-duty-black-ops-4/match/

 

鈴木ノリアキ:それから、海外の試合をがっちり追いかけている視聴者も出てきた。そんなのって今まで一人もいなかったから。そこも面白いなって。

 

k4sen:CWL(Call of Duty World League)自体を観る人がね。

 

鈴木ノリアキ:うん、CWLに関する記事とかを書いてくれている人もいっぱいいるし。CWL日本代表決定戦の公式アカウントもそうだけど、いろいろなメディアが「CoD」シーンのことを取り上げてくれていて。正直なところ、シーンが変わりすぎてちょっとよくわかんない(笑)。

k4sen:実際のところ、日本の「CoD」シーンが変化したというより、「CoDシーンが日本にできた」って感じだよね。

 

鈴木ノリアキ:そうだね。最初の頃なんてシーンじゃなかったから。最初に1チーム目を自分で作った後に、もう1チームを集めるっていう、草野球みたいなことやっていたから。

 

k4sen:夜も毎日交流戦で試合ができるようになったし。

 

鈴木ノリアキ:たった数年前まで、交流戦なんかできなかったからね。

 

k4sen:うん。今年の「CWL日本代表決定戦」になってからは、世界を目指すっていう、明確な目標ができて、今はもう日本は世界でどこまで行けるのか、世界一を目指して頑張ろうっていうことが言えるようになって、そこが大きな違いかもしれないね。

日本と世界のレベル差は埋まってきているのか?

k4sen:うーん、これはね、確かに埋まってはいると思う。とはいえ、いきなり、世界一への階段を二段飛ばしで行くっていうほどではない。やっぱり世界トップ16チーム、例えばMindfreak(APAC最強のオーストラリアチーム)とか、あそこにはまだ届いてなくて。今年、Mindfreakはオープンブラケットに落ちてしまったけど、ほぼトップ16と言ってもいいレベルのチームで。あそこからLibalent Vertex(以下、Libalent)がやっとこさSEARCH & DESTROYを1本取った程度。まだまだ力量の差があるなぁ、と。ここは簡単には縮まらないと思う。

 

鈴木ノリアキ:観ていてもそう思うよ。日本国内でやれることと、海外でやれることってなんか全然違うよね。向こうはすごく強いチームがたくさん集まっているから、質の高い練習が膨大な数できるわけで。日本のチームはそれよりさらに質が高いやつをやらなきゃいけないよね。

 

k4sen:さっきも言ったけど、「CWL日本代表決定戦」みたいな大会がしっかりできてきて、チーム数も増えてきて、夜練習する相手もいっぱいいて、新しい人もどんどん出てきてっていう流れはできている。だからこの先もちょっとずつ差を詰めていくんじゃないかなとは思うけど……いつかグンッと来そうだな……。

 

鈴木ノリアキ:徐々に埋まってきている感じではあるね。

 

k4sen:一歩ずつね。目指すところはオープンブラケット(「CWL Pro League」で戦うトップ16チーム以外のチームが参加するトーナメント)の上の方に入ること。そしてその一個上のプロリーグ16枠。でも、あそこの16チームにはまだまだ……。

 

鈴木ノリアキ:だってあのMindfreakが入ってないんだもんね。

 

k4sen:「CWL Pro League」の試合を観ていると、日本チームにはまだまだ「速さ」が足りないというか。たぶんもう、パターン化するレベルで試合をやっているから、「この状況になったらどういうプレイをしたらいいのか」がもうできあがっているんだよね。

もし、今シーズンが無理だったとしても、次回作でまた新しいルールも出てくるだろうし、そこでもHARDPONT・SEARCH & DESTROYの経験値もどんどんたまっていくと思うから。

 

鈴木ノリアキ:最初にCWLに出たとき(2018年のCWLアナハイム)よりもよっぽど埋まってきているよ。

 

k4sen:あのときはもう、「もしかしたら日本が世界最強じゃね!?」みたいな(笑)。

「バンバン行ってやるよ〜」って感じでアナハイムに行ったら日本チームはプロポイントを全然持っていないから初戦でオープンブラケットの上位チームに当たってボコボコに負けて。「ああ、海外ってこんなに強いんだ」って。その頃と比べると、今はもう「2人で行動するんだ」とか「連携・カバーを絶対にする」とか。ずいぶんよくなっていると思う。

とはいえ、日本の「CoD」シーンのレベル全体がもう一段階次に進まないと、なかなかトップ16は行けないかな〜と思いますね。

日本チームにとってCWLで戦うために重要な要素とは

k4sen:これ、ひとり1個ずつ挙げていきましょうか。

まずは「経験」。オフライン大会の経験というのもあるけど、「海外に行って戦う」って部分。遠征ってすごくハードなスケジュールを戦わないといけない。オープンブラケットは朝早くから深夜まで、延々と試合を勝ち抜いていかないといけないから、体力とか、そういう場で自分の今までどおりの実力、練習してきたことを、日本でやってきたことをちゃんと出せるようなメンタルが大事。それはやっぱり経験から来るから。

 

鈴木ノリアキ:ほとんどの日本のプレイヤーはアメリカやヨーロッパに慣れてないから、そこで朝から晩までものすごく長い時間で試合をするのってキツイよね。

 

k4sen: 選手たちも次にいつ試合が始まるか分からない。こういうのって日本の大会では経験できないというか……日本はしっかりしすぎているんだけど……日本はスケジュール通りに進まないと「おい、どうなってるんだ」ってなるじゃん。でも、海外は1〜2時間遅れたりとか、めちゃめちゃ待って「次の試合、君たちスキップでいいよ」ってなったりとか。14時スタートの試合がまだ全然始まらないままもう14時10分になったりとか(笑)。

 

鈴木ノリアキ:それはキツイね。じゃあそういうのに慣れていかないといけないのか。何回も海外に行って、慣れた選手が増えていくってのも重要なことかもしれないね。

 

鈴木ノリアキ:じゃあ俺からは、プレイ面の話。やっぱり海外で当たり前になっていることが、日本チームの当たり前にはまだなってないかな、と。例えば、今までの日本のHARDPOINTって「HARDPOINTに一番近いリスポーンをおさえる」っていうことだけを目標にしていたんだけど、今、海外のトップチームがやっているのは「相手のリスポーンをいかに飛ばすか」。今、HARDPOINTが変わるごとにリスポーンポイントが変わるんだけど、「あえてここを取っておくことによって相手がとんでもないところに復活する」とか、そういう一歩先のことをやってくるのが当たり前だったりする。それから、2人3人で行動することも、シーズン当初は日本に根付いてなかったよね。最近は皆できるようになったけど。

チームシューティングもそう。2人で1人を倒していくとか、そういう向こうの基礎的なところっていうのが身についてきているチームも出てきた。何回か海外に出ているLibalentとかRush Gaming(以下、Rush)。それからCYCLOPS athlete gaming(以下、CAG)もそういうところをすごい重要視しているんじゃないかな。こういったところを他のチームも取り入れるようになったらもっと質の高い練習もできるようになると思うし、国内で「海外の当たり前を踏まえた試合」ができるようになれば、もっとCWLで結果を出せるんじゃないかなぁと思っています。

日本王者Libalent Vertexの強さ

k4sen:一番デカいのは、「固定メンバーで世界大会に何回も出ている」ところ。これが、他のチームと一番違うところなんだよね。この5人でCWLに何回も出ている。海外での活躍で最も期待値が高いのはLibalent。だって、海外から技術を取り入れて日本で一番戦えているから。

 

鈴木ノリアキ:例えば、「アメリカ行きました」って帰ってきて、メンバー1人2人入れ替わってまたアメリカ行った時って、2人はアメリカ未経験だったりするわけで。またそこから「あー、こういう舞台なんだ」みたいなところからやりなおす、というか。そこで上手くできなくて、また帰ってきてメンバーを交代して、って全然先に進まないってことになっちゃう。Libalentはそれがないから。

 

k4sen:これは、後のトピックで話しましょうか。

 

鈴木ノリアキ:あとはまあ、sitimentyoかな。強さの秘訣はsitimentyo選手にあり。

 

k4sen:彼は優秀な指揮官だね。

 

鈴木ノリアキ:結構個性の強いメンツが集まっているんだよね。あのチーム。

 

k4sen:強い子が5人で集まってやっているからっていうよりは、5人で役割がしっかり決まっていて、その5人でずっとやっているから強い。なおかつ、めちゃめちゃ練習しているからね。

Inaba URは、すごいBOT撃ち(NPCを相手にエイムの練習をすること)やっているし。「足んねーな2000体じゃ」みたいな(笑)。 何言ってんだろこの人!? って。

 

鈴木ノリアキ:そうだね、皆「CoD」が好きだし。それから、当然他のチームもそうだろうけど、負けず嫌いが集まっているところも特徴だよね。

 

k4sen:そうだね、特にAliceWonderland。去年のシーズンでLibalentと優勝を争ったDetonatioN Gamingに入っていたxAxSy、GenGar AX、AliceWonderlandと、そのときグランドチャンピオンになったInaba URとsitimentyo。で、AliceWonderlandが去年の決勝大会のことを言われてイライラしたりして(笑)。

 

鈴木ノリアキ:なんか面白いメンバーが集まっているよね。あと、強さとはちょっと違うんだけど、sitimentyo選手が人前に出てしゃべれるのがすごい。「CoD」の知識量で言ったら、日本一だよ、間違いなく。

 

k4sen:一番「CoD」をやっている。これだな。根本にあるのはそこだよね。「CoD」をめちゃめちゃやってる。そこに尽きる。

 

k4sen・鈴木ノリアキ が選ぶ「CWL日本代表決定戦」ベストマッチ

k4sen:俺は、第2回大会の、CAG 対 Libalent。お気に入りポイントは、その時のGrand Finalの、SEARCH & DESTROY、Arsenal、5-5。その1個前のWinners Finalも、Arsenalで5-5だったの。で、Winnersは11ラウンド目の攻めがLibalentで、A攻めで勝って、CAGをLosersにたたき落として。そこからもう一度上がってきたCAGとのGrand Finalは11ラウンド目の攻めがCAGで、B攻めだった。で、お互い1人が裏取りに行って。AliceWonderlandとNicochaaaaaaaannが。どっちの試合もInaba URがトリプルキルしたんだけど(笑)。 チームの動き的にやりたかったこと、上手くやった方がLibalentだった。CAGがLibalentに届かない理由みたいなのが、この2試合で観られたのかなって。

試合前のインタビューでも、NgtとLeisiaが「Nicochaaaaaaaannっていう選手を海外へ連れて行きたい」って。その11ラウンド目で、Nicochaaaaaaaannが裏から回って2人で挟むためにも、絶対負けられなかった正面を突破されて、そして最後Nicochaaaaaaaannの裏取りも崩されて、っていうシーン。最後Nicochaaaaaaaannが泣いているシーンもあって。本当に印象的だった、第2回大会のGrand Finalは。

 

鈴木ノリアキ:Libalentって最後の方みんなそんな感じじゃない?  Libalentと戦うと、「やっぱここに届かねえか」みたいな絶望感みたいなものがある。そこは本当に、「CWL日本代表決定戦」を観ていて毎回面白いところかな。回数を重ねるごとに、「Libalentはいつ崩れるのか」みたいな楽しみがあるよね。Libalent側からしたらそんな風に思われるのたまったものじゃないだろうけど(笑)。

俺は、超ベタなんだけど、第3回大会の、Winners BracketのCAG vs Rush。2-3でRushが勝った試合だね。アレを見ていて、すごいなと思ったのは、結局勝って、負けて、勝って、負けてっていうのがあるっていうのがすごい良いと思っていて。Rushってそれまでオフラインで負けっぱなしだったから。」

 

k4sen:オンラインでは良いけど、オフラインでは良いとこ見せていないっていうのが続いていたからね。

 

鈴木ノリアキ:選手の気持ちになったらオフラインで結果が出ないっていうのは一番悔しいポイントだと思う。だってオフラインって、なんかもう、本当にみんな一緒じゃん。その場の雰囲気も、かかっているものも。そこで勝てないってのは悔しかっただろうなと思ったけど、気持ちがちょっと勝って、例えばCONTROLを2-3で取ってとか。SEARCH & DESTROYも、1本目はRushがバーンと思いきり取って。CAGもやっぱり悔しいから「このまま負けられない」とギリギリまで攻めるんだけど2本目のサーチも落としちゃう。そういうところが、今の「CWL日本代表決定戦」とか、何度も回数を重ねてやっているからこその面白さが出てきているような感じがしたなぁ。

「CWL日本代表決定戦」の中で「これから伸びそうだ」と感じたチーム

鈴木ノリアキ:第3回大会はPNG esports(以下、PNG)が良い成績を残したね。

 

k4sen:はい、言われた。

 

鈴木ノリアキ:いやいや……。だってそれが一番目立つし。

 

k4sen:PNGって言ってくださいみたいな質問だし。

 

鈴木ノリアキ:PNGは前回から何人かメンバーが変わっているから、次も同じメンバーで来るか分からない。もしかするとほとんど別のチームになっているかもしれないから、そこはなんとも言えないんだけど……。

 

k4sen:チームメンバーを決めるのは、チームの改変としては初手。まずは、チーム構成を変えて、作戦を練ってっていうところだから。まだ一歩目を踏み出したとこですね。伸びるかもねっていう。

 

鈴木ノリアキ:だからPNGがメンバーを変えないんだったら伸びそうかなって思いますけど。まあそれはチームの事情とかもあるだろうから……。

 

k4sen:今、日本で強いのは4チーム、大体決まっていますよね。そこから次点にいま4チームがいて、そのうちの2チームがロゴを用意していたり、スポンサーがついているチーム。で、残りの2チームが今まさに立ち上がったばかりのチームというか……メンバーを5人集めて、これからっていうところ。だから、もう何チームかカッチリしたチームが増えてくると、上位争いが熾烈になるんじゃないかな、と思うんです。

 

Mindfreakとの戦いは日本チームにどのような影響を与えたのか?

k4sen:「希望」でしょ。

 

鈴木ノリアキ:日本の「CoD」シーンの最終目標って世界大会優勝にある。でも、その前に突破しなきゃいけない大きな目標ってオープンブラケット優勝だと思うのね。そうするとMindfreakを倒さないとその先がない、じゃあそのまず達成しなきゃいけない目標がどのくらい強いのかあまり見えてないから、どのくらい遠いのかも分からない。そういう状態の中で、今回試合して、「LibalentはSEARCH AND DESTROYでは勝てるんだ」とか、「HARDPOINTではこんなに差があるんだ」とか、そういうところが見えてきた。

 

k4sen:本当に細かい、細かい目標が見えたよね。

 

鈴木ノリアキ:目標にかかっていた霧が晴れたような感じがして、選手的にはモチベーションになったのかな、と思う。

 

k4sen:Libalentは日本でずっと勝っていて、自分たちより強いチームで「ここに勝った方がいい」っていうところがMindfreakだと思うから。凄いモチベーションになっていると思う、あの戦いは。

 

鈴木ノリアキ:あの日のことを思い返すと、Fighta選手(Mindfreakのチームリーダー)がものすごい日本のチームにアドバイスをくれていて。試合が終わった後にも残ってずっとしゃべって、通訳さんも残ってくれて。その場にいた選手の質問に全部答えてくれて。ああいうのも選手的にはいい刺激になったんじゃないかな。

 

k4sen: Mindfreak、真面目なんだよね。宿題やってから大会で優勝するチームだしね。朝7時に起きて3時間宿題してから大会優勝するチームなんてすごいよね。

体力面とか、試合以外でも学べるところがあったよね。

 

鈴木ノリアキ:今、シーンの最前線を走っている人たちが何をしているのか、もう本当にFPSサイボーグみたいなヤツが出てくるんじゃないか、とか思っていたけど、意外と話してみると自分たちと同じような「CoD好きなヤツら」だってところが見えて、やる気が出たんじゃないかな。

それから、オーストラリアと日本って結構環境が似ているとこがあるというか。一番ホットなアメリカとは練習できないから、自国で練習している、それって日本も同じで。

だから、日本のプレイヤーにとっては、自分たちと同じ境遇で強くなってきたヤツらと直に接して戦えたのはとても良かったんじゃないかな。

オンラインの試合とオフラインの試合、その違いとは?

k4sen:「家じゃない!」、これですよ。

 

鈴木ノリアキ:あーでもあれですね、例えば、モニターの設定とか。アレを普段はめっちゃ細かく設定して、全部紙に書いた人が、本番で紙を忘れて「あれ、ちょっとおかしい」みたいになって。それってやっぱプレイヤーの責任にはなっちゃうんだけど。そういうところで試合を落とすのはもったいないなって思いますね。

 

k4sen:俗に言う、0回戦の一部ですね。用意の段階。

 

鈴木ノリアキ:Libalentなんて、そういうの超詳しそう。オフライン会場に着いて自分の席についたらやらなきゃいけないこととか。

 

k4sen:詳しいよ。このまえのCWLフォートワースでは、RushのGorouのモニターの解像度がおかしくなって、どうしようってなってたら、AliceWonderlandが直してあげてた。」

 

鈴木ノリアキ:そういうところはやっぱ、オンラインとオフラインってところで、面白いよね、観ている方からしても。

 

k4sen:まあね、修学旅行に行く前日に持ち物リストをチェックすると思うけど、オフライン大会も一緒。家と同じようにするために何をセッティングしなきゃいけないのか、俺はいつもどんな椅子の高さでプレイしていたのか。「足の形は?」、「モニターとの距離は?」みたいな。これ、意外とね、環境が変わってから「あれ、高さが違うけど、どう違うんだろう」みたいになるの。そういうことを考えていると、試合で負けた時に「あー、でもなんかいつもと違かったから上手くいかなかったな」っていう理由になっちゃう。

そうじゃなくて、いつもと同じように戦って、「HARDPOINTのココが悪くて負けたな」っていう風に負けてほしい。オフラインでしっかり、宿題というか、課題を持って帰るためにも、オンラインの試合を自分はいつもどうやってプレイしているのか、っていうのを一回確認するのもすごく大事だと思う。

ロスター(メンバー)変更のメリットとデメリット

鈴木ノリアキ:これは難しいところですよ。ロスター変更ってめちゃくちゃ成功するチームもあれば、大失敗しているチームもある。失敗しているチームで言うと、去年のOpTic Gaming。K/Dランキング1位と2位の選手をチームに入れたんだけど……。

 

k4sen:こいつら入れたら勝てるでしょ、みたいな。

 

鈴木ノリアキ:そう。そうしたら、もっと悪くなっちゃって。17位〜24位くらい。あの辺に入っちゃったんだけど。成功例は最近だとCWL ロンドン時の100 Thievesですね。ロスターを変えたらうまくいった。

 

k4sen:ロスターを変えるって、野球で言ったら肘にメス入れるみたいなもんですよね。もしかしたらうまいこと行くかもしれないけど、もう投げられないかもしれない。それくらい重大な変更なんです。しかも、ロスター変更の怖いところは、変えた瞬間に大会に出ても分からない。負けちゃったとしても、「いや、まだこの5人で練習してないし」みたいな。結局、半年とか、長かったら1シーズン見てから「やっぱり違ったな」みたいな。だからもう本当にうまいこと行くか分からない。

 

鈴木ノリアキ:メリットとデメリットっていう話だと、簡単に言えばメリットは、伸びしろが増える可能性がある、ということ。デメリットは、一旦チームを崩すから、今までの連携の経験値がなくなっちゃうこと。

 

k4sen:まあ、良い意味でも悪い意味でも、白紙に戻すよね。悪いところもなくすけど、良いところもなくして、もう一回最初からやるってのがロスター変更だから。

日本でうまく行った例と言えば、昨年のシーズン途中のsitimentyo投入。さらに言えば、今年はAliceWonderland、GenGar AX、xAxSyも来たってところだね。Libalentは今の所うまい。

 

鈴木ノリアキ:日本はまだまだ人の層が薄いから、1人抜けた時に1人また入れてくってのが難しいね。

 

k4sen:今、強力な選手って数えられるほどしかいないから。

 

鈴木ノリアキ:日本トップクラスの選手1人抜けました、日本トップクラスの選手もう1人代わりに入れます、って無理だもん。ちょっと難しい。

デメリットの方が今のところ多いかなと思いますね。めちゃくちゃ強いチームはめちゃくちゃ強い選手をまた新しく入れなきゃいけないわけだから。

 

k4sen:もっと選手層が厚くなってきたら、ロスター変更ってのが良い手になりやすいとは思うけど……。まあ超有名選手の引き抜きくらいかな、メリットになりそうなのは。(笑)。

やっている選手としてもロスター変更ってのは難しいものだよね。相方が変わる、っていう。チームの事情で変わるっていうのもあるし。難しいな。まあ今のところ国内では、良くないことの方が多いんじゃない?

 

鈴木ノリアキ:変えてないチームの方が強いからね、今。

 

k4sen:基本的に固定でずっとやっているチームが伸びているのは間違いない。

シーズン最後の「CWL日本代表決定戦」出場チームに期待すること

鈴木ノリアキ:まあ、まずはいい試合が観たいよね。それから、『CoD: BO4』の大会が最後になるチームが多いと思う……一応8月にも日本最強決定戦がありますけどそこに出られない可能性もあるじゃないですか。

やっぱり「CoD」の特徴として、シーズンが1年間で終わったら、もうその作品をやることってほぼ二度とないと思う。悔いが残るのよ……絶対。『CoD: MW3』のこと忘れられないんだよね……悔いが残りすぎて。でも、もうリベンジはできない。だから、悔いがないように、とにかく出し切ってほしいかな。悔いが残るんで、めっちゃ。未だに5年以上前のタイトルのこと思い出すもん……俺、最後の大会、0キル8デス-50ポイント で負けたから。

 

k4sen:チームキル1個だけっていう、伝説を叩き出しましたね。

 

鈴木ノリアキ:SEARCH & DESTROYで味方1人倒して、あと0キル。俺、いまだに夢に出るもん。本当に悔しくて。

 

k4sen:「CWL日本代表決定戦」って第1回大会から第3回大会で、8チームが決勝トーナメントに出ているじゃないですか。この8チームそれぞれで全然目標が違う。上の4チームは1番になることを目指しているけど、残りの4チームは胸を借りるというか……。このチームと戦って学びたい、とか。なんかもう、「世界前提」じゃなかった。でも第4回大会は、本当に最後。CWLに行けるのが本当に最後だと思って、日本で1番とかそういうのはいいから、「CWL Finals」で勝つために出るという心持ちで練習して、本番に出てほしい。

『CoD: BO4』シーズンを通して残るのが「大会で良い勝負しました」じゃなくて、「CWL Finals出場」が残るように終わってほしい。この第4回大会で、胸を借りて戦って、良い勝負をありがとうございましたって言ってももう何も残らない。だから、これまでのデータも、戦い方も、全部集めて、どうやって勝つのか。Libalent、Rush、CAGに、どうやって勝つのかっていうのを考えてから臨んでほしい。

 

鈴木ノリアキ:確かに。まあ上のチームはね、もう第2回大会、第3回大会と同じくらいの気持ちで来ているからね。それをさらに上回るくらいの気持ちだと思うけど。

 

k4sen:あとはLibalent四連覇。四連覇だったらもうね、オールゴールド。全部1位。

 

鈴木ノリアキ:そうなったらね、マジですごいよ。1位を維持するって本当に難しいから。

 

k4sen:我々としては逆転劇を観たいってところではありますけど。どうなっても面白いですよ。期待することばっかり。

最後は本当にもう全8チーム、負けたらね、本当に悔しくて涙が止まらんレベルの決意で来てほしい。試合を見るのを楽しみにしています。

 

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