『Machinarium』(マシナリウム)は、世界中で高い評価を得ているチェコのインディーゲームメーカー・Amanita Designが開発した、スチームパンクの雰囲気が漂うアドべンチャーゲーム。
プレイヤーは、とある理由で住んでいた街を追い出されてしまった主人公のロボット・Josefとなり、大好きな女の子が待っている街への帰還を目指して孤独な冒険を開始する。
操作はいたってシンプル。画面上のカーソルを動かして、気になる部分をポイント&クリックしてJosefを導き、手に入れたアイテムを使ったり、さまざまなギミックを発動させて、次のステージへの道を切り拓いていく。高いところにある物に“胴体を伸ばしてタッチする”といった、ロボットならではの独自の謎解きギミックもある。
画面内に落ちているアイテム、登場人(?)物たちのフキダシや行動などをヒントにゲームを進めていく本作。感覚的にプレイできる反面、仕掛けられた「謎」はかなり本格的だ。その謎を解き明かしたとき、「Aという行動でBが起きて、Cへの道が開ける」という過程がすべて画面内のアニメーションとして再現されるため、テキストベースのアドベンチャーとは比較にならないスッキリ感が得られる!
後者は完全なクリア手順になるが、見るためには横スクロールシューティングのミニゲームをクリアする必要がある。ミニゲーム自体は難易度が高いものではないが、文字どおり最後の“カギを開く”ための演出としてもおもしろい。
パズル的な謎解き要素もおもしろいが、本作のもう1つの魅力は独特な世界観にある。錆びた鉄くずが散乱する独特の色調の荒廃した世界ながら、Josefをはじめとするロボットたちはどこかコミカル。彼らの思考や感情を表す表現が音声やテキストではなく、イラストタッチのフキダシという演出も逆にロボットたちへの感情移入度を高めてくれる。
ステージは固定画面に見えるが、じつは「アニメーションしていないところはない」と言えるほど画面の各部分は動きまくっている。また、本作のアートは温かみを出すために、わざと“利き腕ではない左手で描かれた”というエピソードもあるほど。淡々とゲームを進めるだけではなく、ときには足を止めてこだわりの世界を眺める……そんな楽しみ方も、『Machinarium』ならではといえる。
© Amanita Design All Rights Reserved. © Active Gaming Media Inc. All Rights Reserved.
PLAYISM, the PLAYISM logo and other related images are registered trademarks of Active Gaming Media Inc.