モノクロームのグラフィックが独特の印象を与える『One Upon Light -影の向こうへ-』は、シンガポールの国立大学のチーム・lockquが制作したアクションパズルだ。
光に一定時間触れてしまうと消滅してしまう主人公を操作して、影から影へと渡り歩きながらゴールを目指していく。ロジカルな仕掛けとタイミング重視のアクションが融合したギミックが、クリアしたときにかつてない達成感を味わせてくれる。
無機質で未来的な謎の施設で目覚めた主人公。記憶が曖昧ななか、1つだけハッキリしているのは“光に触れてはいけないこと”だけ……。
本作の基本ルールは、たった1つ。さまざまな角度から照らされる光を避けながら、ステージごとに決められたゴールまでたどり着くこと。影から出たらアウト──幼い頃にやったことがある人も多いであろう遊びを、主人公は命がけで行うことになる。
光に触れると溶けるように消えてしまう。そんな身体にどうしてなってしまったのか? そもそもここはどこなのか? なぜ世界はモノクロなのか?
そんな疑問符だらけの幕開けとなる本作だが、20以上におよぶステージをクリアしていくなかで、プレイヤーは真実の断片を手に入れていく。決して多くが語られるわけではないが、謎めいた物語の背景を考察していくのも本作の楽しみ方の1つだ。
ステージを進めるごとに、施設内には新たなギミックが次々と登場。主人公の行く手を阻んでいく。
例えば、まったく影がない空間。こんなときは動かせるオブジェクトを探して光源の前に置けば、影を作ることも可能だ。ほかにも、ベルトコンベアの上で運ばれる箱や、施設内で回転する物体の一部が、光源の前を一定のタイミングで横切るなど、影が流動的に変化する場所も多い。
影になった瞬間を見計らい、タイミングよく駆け抜ける……といったアクション要素も重要になってくるだろう。
動くオブジェクトが生み出す影のなかには、動きが早すぎて駆け抜けられない場所もある。そこでカギになるのが、ステージを進めると主人公が身につける「シャドーエコーモード」という特殊な能力だ。
この能力は“時間を一瞬だけ遅延”させて、任意の場所に“影を固定”することができるもの。影同士が重なった瞬間にうまく発動すれば、影による“橋渡し”が可能に! 適切なルートを見つけ出す観察眼と一瞬の閃きで、道なき道を切り拓いていこう。
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