お家座談会 ~音楽篇:前編~

インタビューも後編になり、話題は新たに加わった水棲魔物から勇者の新たな職業、そして巷で有名なあの勇者を登場させたエピソードに。「勇なま」の新しい仲間やファン必見のTGS情報まで、男達の熱い話はますます盛り上がります!

ビオトープの象徴となる水棲魔物の正体は!? そして巷で有名なあの勇者が登場!?

皆さま、明けましておめでとうございます!!

一同
おめでとうございまーす!
山本(正)
「100万トンのバラバラ」のマスターアップ、おめでとうございまーす!

それはそれは……おめでとうございます! 「バラバラ」の作曲も坂本さんが手がけられたんですよね。でも今回は「勇なま:3D」のお話ということで、よろしくお願いします。まずは、一昨年に発売されたサントラ版、「勇者のくせになまいきだ。1&2 ジャイアント・リサイタル」の評判などを伺っていきたいんですけど。

坂本
評判なんてあったかなぁ。誰か聞いてる?
川越
オリコンではチャート・インしてましたよね。
坂本
ほんとに!?何でそんなスゴイ情報を言ってくれないの!? そう言えば、amazonでの評価もすごく良かったですね。

以前、制作チームの座談会では「or2」発売後に皆さん良い事があったらしいんですね。 アクワイアさんが新社屋に移ったり。ノイジークロークの皆さんは、何か良い事があったりしましたか?

坂本
リコーダー担当の湯川君に第2子が誕生したよね。それ以外は、あんまり良い事なかったかなぁ。
山本(正)
でもノイジークローク社としては、去年はものすごく活躍された年じゃないですか。もう、プラチナタイトル目白押しで。

坂本さんと山本さん

川越
「DTMマガジン」にインタビューが載ったりしましたね。
坂本
あー、そうか。取材を受ける機会が多くて嬉しかったですね。

制作チームの方の中には、「or2」発売後にモテるようになった人もいたようですが。

坂本
ノイジークロークのほうはといえば…ご覧の通りです(笑)。
山本(正)
この席に女性がいない時点でもう……。でも一般的にね、「音楽やってます!」と言ったらモテそうですけどね。
坂本
僕もそう思ってこの業界に入ったんですけど、受け入れてくれたのが今の奥さんだけでした(照)。
山本(正)
あら、おのろけだわ。でも、何か浮いた話はなかったんですかね?
川越
そう言えばこの前、電車の中で可愛らしい高校生くらいの女の子が、PSP®で「or2」をプレイしてたんですよ。あのときは本当にヤバかったですね。
坂本
……これが精一杯なメンバーです(笑)。
湯川
田中さんがモテモテでしたよね。学校の生徒に。
坂本
そうだったらしいね。いつもマリンバを演奏してくれてる田中優希さんという女性がいるんですけど、「勇なま1」の時はまだ音大生だったんですが、今は学校の先生なんですよ。それで生徒に「勇なまの演奏してるんだよ」と言ったら、誰も信じてくれなかったらしいです(笑)。
湯川
それで「優希のくせになまいきだ」から「ゆうなま」と呼ばれるように……。
山本(正)
その年代で「勇なま」を知っている生徒さんはたまらないだろうね。「or2」でユーザーさんが送ってくれたアンケートハガキを見ると、9歳~15歳がだいたい5割を占めてたんですよ。だから結構、若年層の人が遊んでくれているんだなぁと実感しましたね。そんな若い人たちが多いのに、アラフォーの人たちが喜ぶネタばかりで良いのか!?
小林
ネタ関係なくプレイできてるんでしょうね。
山本(正)
そうそう。つまり「ゲーム自体が面白いから問題ない」ってことですよ!

「3D」のワールドマップはメガ級のボリューム!

それではいよいよ、「:3D」の音楽についてお伺いしていきます。今回は坂本さんが作曲されたということですが、どういったコンセプトで作られたのでしょうか?

坂本
前作までの楽器編成を踏襲しつつ、シリーズ初の試みとしてストリングス(弦楽器主体の演奏)を入れています。ただ僕は最初、ストリングスを入れるのは反対だったんですね。前作までの楽曲と全く変わりそうな気がしたので。でも、いざやってみると親子で演奏しているような感じが出て、「これはこれでアリかも」と徐々に思うようになりました。
山本(正)
ストリングスを入れたいっていうのは大橋君のオーダーだよね。何で弦楽器を入れたかったの?
大橋
今までの楽器とは相反するものをくっつけたい、という狙いがあって。今までは小学生が使うような楽器で合奏してましたけど、それは「or2」である程度やりきった感が僕の中にあったんです。そこからさらに一歩先へ進むにはどうしたらいいかを考えた時に、まったく逆のもの(弦楽器)を持ってくれば表現が広がって、作品全体の新しいアプローチになるんじゃないかなと思って。

大橋さんはストリングスを取り入れたいという中で、坂本さんにはどういう風にイメージを伝えたんですか?

大橋
それは、さっき坂本さんの感想にもあったように、「大人と子供の共演」みたいな。後ろから弦がサポートしてくれる感じにしてほしいと。
坂本
最初、ウチのスタッフで弦楽器を弾こうと思ってたんですけど、難しくて5分で諦めました(笑)。
山本(正)
スタッフの中で、本格的に弦楽器をやられていた方っていないんでしたっけ?
坂本
いないですね。
山本(正)
にわか仕込みでできないものなの?
スタッフ一同
 できません!
山本(正)
これは失礼しました……。

ストリングスというのは、具体的にどんな楽器が使われるんでしょうか?

坂本
ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスですね。今回、人数は順に10名(ヴァイオリン1、ヴァイオリン2で5名ずつ)、3名、2名、1名で演奏してもらって。楽器が大きいほど音が大きく出るので、小さい楽器ほど人数が必要なんですよ。
大橋
コントラバスってそんなに使わないというか、参加されないらしいじゃないですか。
坂本
基本的に弦カル(弦楽器で構成されたカルテット)の人数が増えているようなパターンが一番多いからかも知れないですけど。今回は結構、低音を重視したので入れてみました。
山本(正)
使われないっていうのは、オーケストラの現場でも使われないの?
坂本
それはないですけど、これくらいの編成だと抜かれてしまうことが多いですね。
大橋
でも、コントラバスがあることで地盤がしっかりしたというか、安定感が出ましたよね。

スタッフさんが演奏していないとなると、弦楽器の奏者はどなたがやられたんでしょうか?

坂本
「1」からずっとエンジニアを担当してくださっている、河野さんの草野球仲間です。そのメンバーがサウンド関係の方ばかりで、阿部雅士さんという方が奏者を集めてくださいました。この方はすごく有名で、坂本龍一さんと大学が同期で一緒にスタジオに入られたこともあるそうですよ。

それは一緒に演奏する方もそうですけど、聞くほうも思わず恐縮してしまうかも知れませんね。ところで今回、作曲期間はどれくらいかかったんですか。

坂本
期間だと1ヶ月くらいですかね。ただ、作曲時間だけを凝縮すると…3日くらいでしょうかね?
山本(正)
すごいよねぇ。
坂本
もう、ほとんど「感覚」で作ってるんですよね。
大橋
最初にもらった曲で残ってるのは、「エンディング1」だけじゃないですかね。
坂本
あの時は叩き台だったから良かったんですけど、最初の頃は全然ダメでしたね。
山本(正)
いやー、確かに坂本さんと大橋君のメールのやり取りはよく覚えてるなぁ。坂本さんから曲のラフが挙ってきて、僕は「良いですね!」と坂本さんにメールを返した直後に大橋君から全ダメ出し、みたいな。「物の価値が分からない」自分がいました(笑)。
坂本
ゲームの方向性に合ってなかったんですね。大橋さんは今回の「:3D」は結構シリアスだと仰ってたんです。前作まではどちらかと言うと柔らかい感じなんですけど、今回は「生命の尊さ」とか「弱肉強食」みたいなものをもっとアピールしたいという要望があって。曲調も明るい長調よりかは、暗めの勇ましい感じで全体をまとめてください、と言われたんです。最初に渡したものは、前作までのカワイイ感じの曲ばかり揃えていたので。
大橋
あとは「リズムを強く」みたいな。
坂本
そうですね。最初に出した曲は全部長調でリズムが弱いものばかり。まったく逆を走ってて(笑)。
大橋
その中で「エンディング1」は最初からリズム感がすごくしっかりしていて、「ああ、この方向性だ」と思ったんですよ。曲調も、目標を達成できずにモヤモヤして、それがちょっと寂しいみたいな感じがすごく出てました。
坂本
そういうオーダーがあったので、「エンディング1」は長調とも短調とも取れない、楽しいんだけどどこか悲しい雰囲気の曲に仕上げました。タイトル曲も前作まではリズムがはっきりしていて楽しいイメージだったんですけど、シリアス路線のしっとりした感じにアレンジしています。
山本(正)
つまり、今回の「:3D」の曲は「エンディング1」から始まったと。ということで皆さん、まずはゲームをクリアして「エンディング1」を聞いてください!

「勇なま」の新しい仲間、宮内さん。そして宮崎さんのゴールデン魔王コンビが誕生!

大橋さんが、その「シリアスな方向でいこう」と思ったのは何故でしょう?

大橋
ストーリーというか世界観のイメージがあったので、それを音楽で引っ張ってもらいたかったんです。それと、「勇なま」シリーズをプレイしてくれているユーザーの方は、ゲームの内容もそうですけど音楽も「素晴らしい」と言ってくれているので、前作と同じことをやってはいけないなと。
坂本
僕は全部歌える曲にしようと最初から決めて作っていたので、プレイしながら口ずさんでもらいたいですね。
川越
歌詞を付けて頂けると嬉しいですね。「1」と「or2」では某動画サイトに歌詞付きの動画を流してくれている方がいたので。
山本(正)
歌詞といっても「テッテケテー」だけどね(笑)。

作曲する上で苦労したことはありましたか?

坂本
それはもう、大橋さんに「OK」を出してもらうことでしたね(笑)。
大橋
でも、その「エンディング1」と別のもう一曲が終わった段階で、お互いに目指している方向性が見えたんでスムーズにいきましたよ。
坂本
そうですね。でも大橋さんと仕事させてもらうとき、僕が「良くできちゃった!」とコメント入れて曲を渡すと、絶対NGが入る傾向があるんですよ(笑)。今回、その法則性にようやく気づいたので……。
大橋
後半はあんまり言わないようにしてたんだ(笑)。
坂本
ほかに苦労したのは、スタッフで演奏するのは分かっているんで、皆が上手く弾けるかなぁとか。作曲する時は考えますよね。
大橋
それはどの程度イメージして、それぞれのパートを作曲してるんですか?
坂本
「1」の時は(技量が)まったく分からなったんで、実際に弾けないという事件もあったんですね。でも、ここの5人もそうですけど、「1」と「or2」を経て皆上手くなってるんですよ。だから今回は「or2」より難しくしてもいいやと思って(笑)。
山本(正)
演奏者にとって、それぞれどの曲が一番難しかったんだろう?

ではここから、今回お集まり頂いた演奏者の方に好きな曲と苦労した曲を語ってもらいましょう。タンバリン担当の蛭子さんはいかがでしたか?

蛭子
苦労したのは「勇者ラッシュ進入中」ですかね。
坂本
これは難しいよね。できた時は「ホントにできるのか!?」って思いましたけど。
大橋
僕はすごくワクワクしましたよ。「こういう曲は聞いたことない!」って思って。
小林
僕も最初聞いた時にすごく印象に残りましたね。
山本(正)
何か幕末な感じがするよね。出だしが祭囃子っぽいじゃないですか。で、多分人が死んでるんです。血風録な感じ?

タンバリンを叩く上で、何かこだわりみたいなものはありますか?

蛭子一郎

川越康弘

蛭子
ずっと叩いてると掌がすごく痛くなるんで、途中から腕で叩いたりとかしてました。
坂本
(演奏している蛭子さんを見て)何かあの芸人みたいじゃん。
山本(正)
やっぱり「1」の頃と比べて、芸の幅が広がってるなぁ(笑)。
蛭子
あとは強弱を付けながら叩いたりして。最初、タンバリンを小刻みに振って鳴らすのが上手くいかなかったんです。ちゃんとリズムが合わないと変になるんですよね。
山本(正)
その現象はカラオケボックスで起こりやすいね。次は席順で行くと……川越君はもう、オールラウンドプレイヤーだよね。
川越
いえいえ、とんでもないです。

川越さんが今回、担当された楽器は何ですか?

川越
スネアドラム、カスタネット、リコーダー、ピアニカですね。
山本(正)
あと、マフラーですね。
川越
ボーダーもです(笑)。

黒と白のモノトーンがお好きですよね(笑)。川越さんは「or2」からの参加ということですが、今回の曲はどうでしたか?

川越
前作もそうですけど、リコーダーが難しかったですね。フレーズも難しかったんですけど、坂本さんの曲は音域が広いので苦労しました。
大橋
平たく言うとめんどくさい(笑)。
山本(正)
音域が広くて困るというのは、例えばリコーダーで言えば使う指が増えるとか、移動する領域が広くなるとか?
川越
そうなんですよ。テナーリコーダーっていうのを使ってるんですけど、長さがソプラノリコーダーの2倍あって、すごく大きいんですよ(写真参照)。
大橋
そんなに大きかったっけ?
川越
デカイんです。これで一番難しい「エンディング1」を吹かなきゃならないっていう。
小林
それ、むき出しで持って電車に乗ったりしたらアブナイ人ですね(笑)。
湯川
これを吹いてると、途中で指がだんだんずれてくるんですよ。それぞれの穴の距離が離れてるんで、手を開いていられなくなるんです。
山本(正)
そもそも、何でこんなにデカイの?
坂本
低い音を出すためには、管を長くするしかないんですよね。
山本(正)
坂本さんはリコーダーのプロではないじゃないですか。これを使ってどうやれば、どういう音が出るかは分かるものなんですか?
坂本
もちろん、楽器の音域はすべて調べて編曲するわけですが、それをどうやって吹けばいいのかは、全部湯川君に任せてあります。そこで「無理だ!」と言われたら編曲し直して。弦楽器だったら慣れているので分かるんですけど、リコーダーは演奏する人じゃないとよく分からないですね。

では川越さんの中で難しかった曲は、先ほども話に出ていた「エンディング1」なんでしょうか?

川越
それと「エリアクリア」ですね。あれは辛かった……。
坂本
僕もスタジオで辛そうなのを見て「ゴメン……でも頑張って!」ていう。一番最後のフレーズがすごく難しいんですよ。
山本(正)
あそこは感動的ですよね。PVもあの曲で締めていますし。物事を締めるのに最適な曲ですよ。世知辛い会議の終わりに流したいくらい(笑)。

Tシャツインなんて気にしない。届け、「3D」の熱い思い!!

リコーダーのほかに印象に残った楽器はありますか?

川越
今回使っているスネアドラムは「or2」とはまた違うものなんですけど、それをどれにするかは坂本さんと悩みました。木の胴と金属の胴とではサウンドのキャラクターが違ってくるので。

では、一番好きな曲は?

川越
「勇者ラッシュ進入中」は、リコーダー的には一番楽しく演奏できました。
湯川
上手く吹けるようになったときに嬉しかった曲ですね。達成感があった。
坂本
ほらー、僕もちゃんと、達成感とかモチベーションを考えて作曲しているわけですよ!(笑)
湯川
この曲は運指ができてからが大変でしたね。収録前日に加藤さんに聞いてもらいながらひたすら練習しました。

その加藤さんはグロッケンを担当されたということですが、そもそもグロッケンとはどんな楽器なんですか?

加藤
鉄琴ですね。
坂本
鉄琴はグロッケンとヴィブラフォンの2種類あって、グロッケンは小さめの鉄琴。ヴィブラフォンは大きな鉄琴でいとう君が担当した楽器のひとつです。
山本(正)
つまり、加藤さんは「Jr」のほうを担当されたと。

「グロッケン」と「ブロッケン」を掛けたんですね。わかります。演奏する上でこだわった点はありますか?

加藤
僕もエビちゃん(蛭子さん)と同じで、音の強弱には気を付けましたね。本当は思いっきり叩きたいんですけど、それだと演奏の中に入っても「カツン」としか聞こえなくなるし。逆に弱すぎると音が震えてしまうんで。
大橋
加藤さんは自分に厳しい方ですよね。「もう1回、やります!!」みたいな。
山本(正)
加藤さんの自分への厳しさは、エンジニア河野さんのお墨付きですもんね。
坂本
「or2」の時は本当に厳しくて、ピッタリ音符と合った演奏ができるまでやってましたね。それでようやく納得する演奏ができたんですけど、河野さんに「(正確過ぎて)ちょっと不自然だから」とデータをずらされてしまって……(笑)。

そ、それはご愁傷さまでした。では、加藤さんの好きな曲と苦労された曲を教えて頂けますか?

加藤
好きな曲は「エンディング1」で、演奏して楽しかったのは○○○○です。
坂本
今回、グロッケンのアサインは難しくて。と言うのも、音がトイピアノと似ているんですよ。

トイピアノというのは、いとうさんの後ろに見えるカワイイピアノの事ですか?

坂本
そうです。いとう君は今回、ヴィブラフォンとトイピアノ、あとはピアニカを担当しました。トイピアノは「:3D」で初めて使った楽器です。あとはスタイロフォンという楽器も新しく取り入れてます。逆に使われなくなったのはアンデスだけ。

見た目はピアニカなのに、リコーダーの音がでる不思議なあの楽器ですね。

加藤
最初はアンデスで演奏する予定だったんですけど、弾いてみたら音域が足りなくて。半ギレ気味で坂本さんにメールしました(笑)。

新しい楽器を取り入れたのは、何か理由があったんですか?

坂本
やっぱり新しい音にしたかったというのが一番の理由ですね。本当はテルミンとテノリオンも使おうと思っていて、それ込みでレコーディングもしたんですけど最終的には採用しませんでした。話題作りで入れてみたんですけど、大橋さんから「全然曲のイメージと合ってない」と言われて(笑)。
大橋
あっても良いんだけど、別になくても良いっていう感じ(笑)。

では、加藤さんが苦労された曲は何だったんでしょうか?

加藤
6拍子の「勇者ラッシュ進入中」ですね。僕は4拍子以外苦手なので。でも全部大変だった気がします。最初に話を聞いた時は「前作よりは全然簡単だよ」と言われてたんですけど……。
坂本
簡単だったでしょ?
加藤
いえ、難しかったですよ。
坂本
前作より簡単なのがコンセプトだったんだけどなぁ。
加藤
演奏的には、家で1人でやるとうまくできるんですけどね。
山本(正)
つまり、ゲームで聞ける加藤君の演奏は「2番目に良い演奏」ってことか(笑)。
加藤
ただ、スタジオでほかの人の演奏を聞きながらだと、また違ってきますよ。
坂本
そう言えば、加藤君の演奏スタイルは、何であんな感じなの?(写真参照)
山本(正)
もう、侍スタイルじゃないですか!
加藤
去年は仙人とか言われましたよ。
坂本
あぐらをかいて、しかも右手しか使わないんですよ。彼なりのこだわりらしいんですけど。
川越
右手だけのほうが音が揃うんでしたっけ?

加藤浩義

加藤
バチを2本使うときも右手しか使わないかな。力加減が一緒になるから。両手だとバランスをとるのが難しくて。あぐらは単純に、家と一緒のスタイルですよ。
小林
足元が痛くならないように、ちゃんと毛布敷いてますもんね。
湯川
西洋の楽器を演奏するスタイルじゃないですよね(笑)。
坂本
将棋に近い。
山本(正)
ほんとだ! この表情は考えてますよ、次の手を。5手目を!!(笑)
湯川
加藤さんは全部暗譜してるんですか?
加藤
演奏中、楽譜は全然見てないね。
坂本
せっかく書いたのになあ(苦笑)。レコーディングが終わるまで見てないことを知らなかったんですよ。
山本(正)
でも、楽器を演奏できない人から見れば、その方がむしろ自然ですよ。目で追いながらなんて絶対できるわけがないって思いますけどね。

加藤氏オリジナル譜面

加藤
そうです。譜面見ながらだとできないんです。
坂本
これかぁ、加藤君が自分用にアレンジしたオリジナルの譜面って。もう、譜面じゃないじゃん!(写真参照)
いとう
確かに、5線譜よりこっちのほうが分かりやすいよね。
坂本
でも、すぐにどの音か分からないよ。
山本(正)
あの、縦の鍵盤のところを弾けば良いんですよね。こっちのほうが全然分かりやすいじゃん!
湯川
これだと音の長さがよく分からないんですよね。それが8分音符なのか4分音符なのか……。
加藤
グロッケンは音の長さがないんだよ。
湯川
ああ、なるほど……。
山本(正)
はい、投了~!
川越
棋士、加藤九段の勝利ですね!
山本(正)
そこ、区切りの良い十段で良いじゃん……。
坂本
山本さん、将棋の最高位は「九段」です……。
山本(正)
突っ込み自爆!

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